日々雑感

読んだ本やネット記事の感想、頭に浮かんでは消える物事をつらつら綴りました(本棚7)。

「百年腕時計」

2012-01-02 07:29:07 | 時計・鞄・靴
 という本を読みました。昔購入後しまい込んで忘れていたものが大掃除で出てきたのです。

 副題は「古い腕時計を買う!」とそそられます。
 予想通り、ロレックスとパテックを中心に扱う内容。
 長い年月を経て、味のある顔になってきた時計達の写真がたくさん掲載されていて眺めるだけで頬が緩んできそう。数十年経って色気をまとうモノは本物の証拠。ワインと同じですね。
 こんな時計に囲まれたら幸せだろうなあ。

 この二つのブランド、古いモデルでも比較的保存状態が良いモノが多く残っています。
 なぜか?
 ロレックスは「オイスターケース」という防水性をいち早く導入したためでしょう。水が入らないことは、長期保存に耐える基本的要素です。
 ではパテックは?
 これは湿度の高い地域用の文字盤開発(「トロピカル」の陶製文字盤)などが一つの要素。また、パテックのムーブメントは磨き上げられているのでホコリがつきにくい、との説明もありました。懐中時計の時代からの伝統ですね。
 まあ、超高級時計で大切に扱われたことが一番の理由でしょう。
 なにせ、円相場が1ドル360円の固定制時代は「パテックと一軒家は同じ値段」でしたから。

 老舗アンティーク・ウォッチ・ショップのオーナー対談ではその魅力についてこんなコメントが目にとまりました。

シェルマン:磯貝氏
・昔は良い意味でも悪い意味でも手作りなので、モノにも作り手の考え方が表れていて、非常に個性があるのですよ。

プライベート・アイズ:遠藤氏
・僕自身が魅力を感じるのは、ロレックスもパテックも1930年代。その頃のガラス風貌はちょっとした衝撃で割れてしまう。

ケアーズ:川瀬氏
・ヴィンテージウォッチの魅力は、やはり何十年も時を経る中で出てきた「味」です。
・「耐久性」という意味合いにおいて、ヴィンテージウォッチというのは1960年代までのロービートまでであると考えます。ハイビート(毎秒10振動)は倍近くテンプが動くわけですからそれだけ機械の負担も大きく、修理の際は直すというよりパーツを全部交換するような修理の仕方になってしまう。


 この3人が近年注目しているのはオールド・ロンジン。最近は普及モデル中心のブランドになっていますが、1950年代までのロンジンは機械が優秀であることで有名でした。そのことが海外オークションでも認知されつつあり、評価額が上昇中とのこと。

 最近の時計雑誌でロンジンが「コラムホイールクロノグラフ」という記念モデルを発売したことを知りました。コラムホイールというのは、昔のクロノグラフの部品の一つで、現在のカム式のムーブメントより上級と評価されているモノです。

 往年のファンは喜んでいることでしょう。
 私にはロンジンのデザインがちょっと・・・。


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