この物語を今は亡き名優・藤田まことさんに捧ぐ。
面白き 事も無き世を 面白く
格差、格差の野球界
熱き戦い仕立て上げ
闇の世界の仕立人
今宵も広島を駆ける...
「ここが呉駅ですか、個性駅で味がある...それとも普通かな?」
「私が子供の頃は昭和レトロ風の駅舎だったのですけど”普通の駅ビル”になってしまった印象ですね。」
「ちょっと勿体無いかな?」
「どうでしょうね、観光的には古い方がいいけど利便性としては悪いですから...」
「大和ミュージアムはこっちの方へ行くの?」
「すみません、逆方向です。 やっぱり改札で待ち合わせするべきでしたね。」
「本当ですよ、暑いのに余分に歩かないといけなくなっちゃたし。」
「突き当たりにあるあの大きな建物ですか?」
「いいえ、あれはスーパーですよ。 店内を通り抜けしてミュージアムに行けます。 ちょっと待って”おまきさん”、暑いですしここでジュースとかお茶を纏め買いしましょう。 私ここのポイントカード持ってますし。」
「いつもの事だけど駿河さんっていちいち庶民的なんですね...」
「お待たせしました、ここからすぐですよ。 店の裏手に見える建物がそうです。 左が呉港のフェリーターミナルで、右が大和ミュージアムです。 更にちょっと右を見たら潜水艦があるでしょう。 あれがてつのくじら館です。」
「本当だ、あれは本当の潜水艦なんですか?」
「そうですよ、じゃあ行きましょう。」
「チケット買いますので先に大和のところで待っていて下さい。」
「すごく大きいですね、でも本物と同じ...じゃあないですよね。」
「十分の一模型なんですけど元が大きいからこんなに大きいんですよ。」
「船の舳先がくにゃっと潰れたみたいな不思議な形をしているんですね。」
「これは”バル・バス・バウ”と言って水や波の抵抗を和らげて少しでもスピードアップさせようと言う工夫なんですよ。 この博物館は戦争や旧海軍よりは戦艦大和を造った日本の技術を紹介する施設...らしいですよ。」
「”日本製”ってこんな昔から凄かったんですね。」
「今みたいに世界中で認められていたのかよく分からないですけどね。」
「大和の後ろに飛行機が載ってますね。」
「いわゆる空母みたいに甲板で飛ばすんじゃ無くてフロートの付いた水上飛行機をカタパルト(射出機)で飛ばして帰って来たら船の近くに着水させてクレーンで拾ってまた船に乗せるんですよ。 今だったらヘリコプターがあるのでこんな機械は要らないでしょうけど。」
「駿河さん、私のお祖父さんが戦艦大和と青函トンネル、それと何だったかな、これらは昭和の三大ムダ建造物だと言ってたと思うんですけど本当にそうなんですか?」
「青函トンネルは無意味では無いですよ、新幹線を通していれば。 新潟の人には悪いですけど新潟より札幌行きの路線を最優先して造るべきでしたよね。 政治的な絡みで新潟が優先されたり、最短ルートで造るべきだったのを遠回りのルートに変えられたりしたそうですから。」
「戦艦大和は確かに戦争中にまともな出番は無かった、既に戦艦の時代じゃ無かったと言う人も居ますけど、やり方を変えれば充分活用出来たと思いますよ。 攻撃力があって丈夫だから全艦隊の先頭で戦わせれば自慢の主砲を使う機会も多かったんですよ。 でも頭で考えるのは簡単でも現実には難しいですよね、大和は日本海軍の象徴・旗艦でしたから。 大将が一番前で戦って最初にやられてしまったら全軍がショックを受けますし...」
「まだ回るところがありますし、そろそろ出ましょうか。」
「グッズショップがありますよ。 見て行きましょうよ。」
「そうですね、大丈夫ですよ。」
「海軍さんの制帽まであるんですね。」
「私の祖父は旧海軍の職業軍人だったからこれの”本物”もありましたよ。 形見にもらっておけば良かったかな...」
「じゃあ、隣の『てつのくじら館』に入りますね。」
「潜水艦ってもっと小さいイメージがあったけど実物はこんなに大きいんですね。」
「ここが乗組員の船室ですね。」
「ここに本当に大人が寝ていたんでしょうか?」
「子供でちょうど良いくらいの広さですからね。」
「こんな大きな船なのに人が使う空間はすごく少ないんですね。」
「これが艦長室だそうですね。」
「ドラマとか漫画だと広い個室のイメージだけど現実はこんな感じなんですね...」
「これが操縦室みたいですね。」
「船と言うより飛行機みたいな感じですよね。」
「潜望鏡も見せてもらえるみたいですよ。」
「本当だ、確かに良く見えますね。」
「ガイドさんの話によると潜望鏡を使えるのは艦長さんとかわずか数人、後の乗組員は任務終了まで外の世界を見る事が出来ないそうですよ。」
「格好良く見えて潜水艦乗りも大変な仕事なんですね...」
「帰る前に桟橋を見て行きましょう。 桟橋のところから自衛隊の基地も見えますよ。」
「そうなんですか、じゃあちょっと寄り道しましょうか。」
「ターミナルを通り抜けて...あ、見えた。 あの向こうの方が海上自衛隊の施設です。 今日は護衛艦は停まっていないですね、航海任務に出ているみたいです。」
「あそこに軍艦っぽい船がいますよ。」
「あれも自衛隊のかな? でも軍艦では無くてタグボートです。 狭い湾内で小回りの利かない大型船をあれで誘導するんですよ。」
「そうなんですか、色々な役目の船があるんですね...」
「駿河さん、仕立ですよ。 いつもの神社まで来て下さい。」
「了解です、元締め。」
広島市内の『広島東照宮』...相変わらず境内には誰も居ない。 前は旧広島市民球場に向かうルート上にあった『横川胡子神社』でやっていたのだけどカープが駅前地区に移ったので私もこっちに”移転”して来たと言う訳です。 旧市民球場を建て直して”専用劇場”を造り、サンフレッチェにも早く交通の便が良い市内中心部に移転してもらいたいですね...
「今回の頼み人はカープのプレーオフ進出を最後まで信じるファンの人達。」
「やる相手はスワローズ、監督代行の小川、外野手の青木、飯原、内野手の宮本、田中、捕手の相川。」
「じゃあ、駿河さん、お願いします。」
「はい!お任せ下さい、元締め。」
私はJRに乗ってマツダスタジアムへ向かう。 カープは後半戦に入っても浮上のきっかけを掴めないまま自力でのプレーオフ進出も無くなる厳しい状況、でも最後まで悔いの無い戦いをしないといけませんし、交流戦後の快進撃でプレーオフも見えて来たスワローズにせめてもの意地を見せてやらないと。 そして前回負けてしまった由規投手にも今度こそ土を付けてやらなくては...
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...異常です。
面白き 事も無き世を 面白く
格差、格差の野球界
熱き戦い仕立て上げ
闇の世界の仕立人
今宵も広島を駆ける...
「ここが呉駅ですか、個性駅で味がある...それとも普通かな?」
「私が子供の頃は昭和レトロ風の駅舎だったのですけど”普通の駅ビル”になってしまった印象ですね。」
「ちょっと勿体無いかな?」
「どうでしょうね、観光的には古い方がいいけど利便性としては悪いですから...」
「大和ミュージアムはこっちの方へ行くの?」
「すみません、逆方向です。 やっぱり改札で待ち合わせするべきでしたね。」
「本当ですよ、暑いのに余分に歩かないといけなくなっちゃたし。」
「突き当たりにあるあの大きな建物ですか?」
「いいえ、あれはスーパーですよ。 店内を通り抜けしてミュージアムに行けます。 ちょっと待って”おまきさん”、暑いですしここでジュースとかお茶を纏め買いしましょう。 私ここのポイントカード持ってますし。」
「いつもの事だけど駿河さんっていちいち庶民的なんですね...」
「お待たせしました、ここからすぐですよ。 店の裏手に見える建物がそうです。 左が呉港のフェリーターミナルで、右が大和ミュージアムです。 更にちょっと右を見たら潜水艦があるでしょう。 あれがてつのくじら館です。」
「本当だ、あれは本当の潜水艦なんですか?」
「そうですよ、じゃあ行きましょう。」
「チケット買いますので先に大和のところで待っていて下さい。」
「すごく大きいですね、でも本物と同じ...じゃあないですよね。」
「十分の一模型なんですけど元が大きいからこんなに大きいんですよ。」
「船の舳先がくにゃっと潰れたみたいな不思議な形をしているんですね。」
「これは”バル・バス・バウ”と言って水や波の抵抗を和らげて少しでもスピードアップさせようと言う工夫なんですよ。 この博物館は戦争や旧海軍よりは戦艦大和を造った日本の技術を紹介する施設...らしいですよ。」
「”日本製”ってこんな昔から凄かったんですね。」
「今みたいに世界中で認められていたのかよく分からないですけどね。」
「大和の後ろに飛行機が載ってますね。」
「いわゆる空母みたいに甲板で飛ばすんじゃ無くてフロートの付いた水上飛行機をカタパルト(射出機)で飛ばして帰って来たら船の近くに着水させてクレーンで拾ってまた船に乗せるんですよ。 今だったらヘリコプターがあるのでこんな機械は要らないでしょうけど。」
「駿河さん、私のお祖父さんが戦艦大和と青函トンネル、それと何だったかな、これらは昭和の三大ムダ建造物だと言ってたと思うんですけど本当にそうなんですか?」
「青函トンネルは無意味では無いですよ、新幹線を通していれば。 新潟の人には悪いですけど新潟より札幌行きの路線を最優先して造るべきでしたよね。 政治的な絡みで新潟が優先されたり、最短ルートで造るべきだったのを遠回りのルートに変えられたりしたそうですから。」
「戦艦大和は確かに戦争中にまともな出番は無かった、既に戦艦の時代じゃ無かったと言う人も居ますけど、やり方を変えれば充分活用出来たと思いますよ。 攻撃力があって丈夫だから全艦隊の先頭で戦わせれば自慢の主砲を使う機会も多かったんですよ。 でも頭で考えるのは簡単でも現実には難しいですよね、大和は日本海軍の象徴・旗艦でしたから。 大将が一番前で戦って最初にやられてしまったら全軍がショックを受けますし...」
「まだ回るところがありますし、そろそろ出ましょうか。」
「グッズショップがありますよ。 見て行きましょうよ。」
「そうですね、大丈夫ですよ。」
「海軍さんの制帽まであるんですね。」
「私の祖父は旧海軍の職業軍人だったからこれの”本物”もありましたよ。 形見にもらっておけば良かったかな...」
「じゃあ、隣の『てつのくじら館』に入りますね。」
「潜水艦ってもっと小さいイメージがあったけど実物はこんなに大きいんですね。」
「ここが乗組員の船室ですね。」
「ここに本当に大人が寝ていたんでしょうか?」
「子供でちょうど良いくらいの広さですからね。」
「こんな大きな船なのに人が使う空間はすごく少ないんですね。」
「これが艦長室だそうですね。」
「ドラマとか漫画だと広い個室のイメージだけど現実はこんな感じなんですね...」
「これが操縦室みたいですね。」
「船と言うより飛行機みたいな感じですよね。」
「潜望鏡も見せてもらえるみたいですよ。」
「本当だ、確かに良く見えますね。」
「ガイドさんの話によると潜望鏡を使えるのは艦長さんとかわずか数人、後の乗組員は任務終了まで外の世界を見る事が出来ないそうですよ。」
「格好良く見えて潜水艦乗りも大変な仕事なんですね...」
「帰る前に桟橋を見て行きましょう。 桟橋のところから自衛隊の基地も見えますよ。」
「そうなんですか、じゃあちょっと寄り道しましょうか。」
「ターミナルを通り抜けて...あ、見えた。 あの向こうの方が海上自衛隊の施設です。 今日は護衛艦は停まっていないですね、航海任務に出ているみたいです。」
「あそこに軍艦っぽい船がいますよ。」
「あれも自衛隊のかな? でも軍艦では無くてタグボートです。 狭い湾内で小回りの利かない大型船をあれで誘導するんですよ。」
「そうなんですか、色々な役目の船があるんですね...」
「駿河さん、仕立ですよ。 いつもの神社まで来て下さい。」
「了解です、元締め。」
広島市内の『広島東照宮』...相変わらず境内には誰も居ない。 前は旧広島市民球場に向かうルート上にあった『横川胡子神社』でやっていたのだけどカープが駅前地区に移ったので私もこっちに”移転”して来たと言う訳です。 旧市民球場を建て直して”専用劇場”を造り、サンフレッチェにも早く交通の便が良い市内中心部に移転してもらいたいですね...
「今回の頼み人はカープのプレーオフ進出を最後まで信じるファンの人達。」
「やる相手はスワローズ、監督代行の小川、外野手の青木、飯原、内野手の宮本、田中、捕手の相川。」
「じゃあ、駿河さん、お願いします。」
「はい!お任せ下さい、元締め。」
私はJRに乗ってマツダスタジアムへ向かう。 カープは後半戦に入っても浮上のきっかけを掴めないまま自力でのプレーオフ進出も無くなる厳しい状況、でも最後まで悔いの無い戦いをしないといけませんし、交流戦後の快進撃でプレーオフも見えて来たスワローズにせめてもの意地を見せてやらないと。 そして前回負けてしまった由規投手にも今度こそ土を付けてやらなくては...
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...異常です。