昭和33年の作品を見た。もちろん私はまだ生まれていない。紅一点の上原美佐がかわいい。(同姓同名の女優がいる)監督は黒澤明である。やはり三船敏郎は貫禄がある。姫が合戦で敵方に敗れて、家臣と、足軽二人をつれて、村人の格好をして逃げるという話である。頼朝に追われて山伏の身なりをして逃げる義経の「勧進帳」がヒントになっているような気がする。それとオードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」とも似通うところがあるような気がする。しかし私は、足軽二人が、寝ている姫にエッチな心を出す所が面白かった。
黒澤明は、
「シナリオを書くとき、結末がわかっていて書くのはつまらないという考えである。だいたいのストーリーはあっても、書いゆくうちに作中人物が生命を得て行動しはじめ、予定とは違う方向に行きはじめたりする。そうであってこそ作品が生きる。だから明日のことはわからないほうがいい」
と言っている。
新聞とか雑誌に連載している小説は、ほとんどこうなのではなかろうか。安倍公房も、この方針で小説を書いている。
一方、三島由紀夫の小説は、ラストがビシッと決まっている。三島由紀夫はラストがまず思いついてから、書くタイプの作家なのではなかろうか。菊池寛もラストがビシッと決まっている。面白い小説を書くには、ラストから考えてストーリーを作るべきだ、と主張する人もいる。その是非は、ともかくとして、菊池寛はラストがビシッと決まっているのに、素晴らしい、面白い作品がほとんどである。
黒澤明は、
「シナリオを書くとき、結末がわかっていて書くのはつまらないという考えである。だいたいのストーリーはあっても、書いゆくうちに作中人物が生命を得て行動しはじめ、予定とは違う方向に行きはじめたりする。そうであってこそ作品が生きる。だから明日のことはわからないほうがいい」
と言っている。
新聞とか雑誌に連載している小説は、ほとんどこうなのではなかろうか。安倍公房も、この方針で小説を書いている。
一方、三島由紀夫の小説は、ラストがビシッと決まっている。三島由紀夫はラストがまず思いついてから、書くタイプの作家なのではなかろうか。菊池寛もラストがビシッと決まっている。面白い小説を書くには、ラストから考えてストーリーを作るべきだ、と主張する人もいる。その是非は、ともかくとして、菊池寛はラストがビシッと決まっているのに、素晴らしい、面白い作品がほとんどである。