小説家、反ワク医師、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、反ワク医師、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

芥川賞

2012-01-22 05:12:39 | Weblog
石原慎太郎が芥川賞の選考委員をやめるそうだ。私は、芥川賞、という賞が、どのような賞なのか、わからない。なので、あとで、ウィキペディアで調べてみよう。単純に、芥川賞に選ばれる作品は、純文学で、文学的価値が高い作品、と捉えている。しかし、これは何回か聞いたことだが、今では「芥川賞」より「直木賞」の受賞作の方が、文章も内容もいい、ということを、何回か聞いた。もっとも、面白い作品が、文学的価値が高いとは言えない。

さて。私は純文学も、大衆小説も、かなり読んできている。作品の文学的価値を正しく評価する能力も多少はあると思っている。私は、けっして自分の好みの作品だけしか読まないわけではない。しかし、もし私が、文学選考委員を、やらないか、と言われたら私は絶対、辞退する。それは、他人に対する嫉妬なんて低レベルな問題ではない。私は、文学的価値のある作品は後世に残ればいいし、それがない作品は評価されなければいいと思っている。その態度は私自身についても、全く同様で、一生懸命、書いた作品でも、面白くない、とか、文学的価値がないと評価された作品は残らなくてもいいと思ってる。もっとも、それでも私は書き続けるが。

私は、芥川賞受賞作には、ほとんど無関心である。なかには真っ先に読む人も多いのだろうが。私は、作品の価値を正当に評価する自信がないからである。世間でベストセラーとか、いい作品と言われているものでも、私には、その価値がわからない作品が、かなりあるのである。その逆に、世間では評価されてなくても、素晴らしいと感じる作品も多いのである。

たとえば、南条あや、の「卒業式まで死にません」は、文才があって、いい文章で、内容も良く、ベストセラーだが、私には、いい文章とも思えないし、内容もない雑文、としか感じられない。

飯島愛の「プラトニック・セックス」もミリオンセラーだが、私も、読んで割りと気に入ったが、そんなに世界各国で翻訳されて読まれるほど、価値のある作品とは思えない。似たような作品は他にもあるように感じる。彼女が人気タレントだったことが、かなり影響しているだろう。

さらには、三島由紀夫の「奔馬」も私は、面白いけど、文学的価値は、疑問に思っている。梶原一騎の漫画の方が、ずっと作品としての価値があると思っている。

その理由は、「奔馬」の主人公の青年は、精神は崇高である。しかし、カッコよく死にたい、ということに絶対的にこだわっているからである。カッコよく死にたい、というのは、崇高な思想でもないし、自分の低レベルなエゴな思想だと思うからである。一方、梶原一騎の漫画の主人公は、精神も崇高だが、徹底的にカッコ悪くブザマに生きる。その方が本当の人間の生き方ではないか、と思うからである。

もっとも、文学賞選考委員でも、作品の評価は人によって、わかれ、ある作品を、ある人は高く評価するが、別の人は、酷評する人もいる。というのは、よくあることである。

そもそも、芥川龍之介のデビュー作で、「羅生門」はとにかくとして、「鼻」や「芋粥」などは、文章は美しくてストーリーも面白いけど、はたして、あれが芥川賞を受賞できるほど文学的価値があるとは思えない。

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