かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 57(アフリカ)

2019-02-15 20:20:01 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠7(2008年4月実施)
  【阿弗利加 3 蛇つかひ】『青い夜のことば』(1999年刊)P171~
  参加者:泉可奈、N・I、崎尾廣子、T・S、Y・S、
       藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
  レポーター:T・S      司会とまとめ:鹿取 未放

 
57 蛇つかひ黒い袋に手を入れてくねる心を摑み出したり

     (レポート)
 くねる蛇の心を摑むという詩情と、黒い袋の中に手を入れる悲哀感。取り出す立体感。この微妙な働きをする蛇遣いは、見物人である作者の心まで掴んだ。(T・S)


      (当日意見)
★くねる体、でなく心であるところが上手い。(崎尾)
★T・Sさん、黒い袋の中に手を入れるのは別に悲哀感じゃありません。(藤本)


           (まとめ)
 くねる心、といったところが面白い。くねる体、では当たり前の歌にしかならなかった。もちろん、くねっている蛇体に心は反映されている。黒い袋、もゴミ袋のようなただのビニールかもしれないが、黒という色を出したことで神秘的な効果が出た。(鹿取)

コメント
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