かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

清見糺の一首鑑賞  1の30

2020-07-07 16:54:07 | 短歌の鑑賞
     ブログ版  清見糺研究     百年の恋&たのしみは 
                       かりん鎌倉支部     


30 口あけて眠るを見ればこの恋はきっちり百年つづくと思う
                 「かりん」94年10月号

作者は多作で、歌を楽しんで作る人だった。この歌も鼻歌まじりにつくったのだろう。ただ「きっちり百年」には機知もあるが意外に切ない希求の本音が見えるようでもある。
 夏目漱石の「夢十夜」の中に女が死に際に百年待ってくれと言ったので、墓のそばで男が百年待つ話がある。騙されたのかもしれないと思い始めた時、百合の花が男の鼻先で開く。男は百年たったことを知る、という話だ。



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