2024年度版 渡辺松男研究35(16年2月実施)
【ポケットベル】『寒気氾濫』(1997年)118頁~
参加者:S・I、泉真帆、M・S、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:S・I 司会と記録:鹿取 未放
283 テーブルのテーブルかけを外しつつ内閣のまた支持率下がる
(レポート)
内閣支持率が下がっているという、やがて総理も変わるだろう、この国のトップはすぐ変わる、まるでテーブルかけを外すように簡単で容易なことだ。テーブルかけを外すという行為によって、「内閣支持率が下が」っている事象を想起された。テーブルかけをつけたり外したりすることは日常的な反復行為で、また明日になれば新しいテーブルかけを付け、宴会や会議が始まるだろう、そこで国の政策や方向が決まるのかもしれない。人は束の間に現れては退場する、が、恒久的なものはなにもない。ニーチェの永劫回帰を思わせる。(S・I)
(当日発言)
★レポートでは「テーブルかけを外すように」とおっしゃってるけど、「外しつつ」だ
からちょっと違う。この歌集は1997年の刊行だから、細川さんから村山さんに
替わった頃かな。(藤本)
★2枚目の用紙が余ったので安倍内閣とオバマの支持率の表を載せました。(S・I)
★この図は関係ないですね。時代が違うから。(藤本)
★いや、いつ作られた歌か分からなかったものですから。(S・I)
★この歌集は1997年の刊行だから、作られた時代は見当が付くと思いますが。
(藤本)
★まあ、この歌は別にどの内閣の時のという具体的な話でなくていいと思うけど。「テ
ーブルのテーブルかけを外しつつ」って変わった表現ですね。普通はテーブルかけは
テーブルのテーブルかけを外しつつ」って変わった表現ですね。普通はテーブルかけ
はテーブルに掛けてある訳で、短い短歌にわざわざ「テーブルの」って言わないと思
うのですが。まあ、それはおいて、〈われ〉が「テーブルかけを外しつつ」テレビか
何かでまた内閣の支持率が下がったというニュースでも見ているのかと 思いまし
た。なるほど、宴会のホテルのテーブルかけという設定は、内閣の支持率とよく繋
がるけど、作者の意図は違うような気がする。レポートの「テーブルかけを外すよ
うに」総理がすぐに変わるというのは現実にはそうかもしれないけど、歌はあくま
で支持率が下がる話です。テーブル掛けを掛け替えるように次々トップが変わる話
ではないです。(鹿取)
★「テーブルかけを外」すのは作者の行為ですが、テーブルかけを外すことによって、
いつか聞いた内閣の支持率が下がっているということを想起した。プルーストがマ
ドレーヌを食べながら昔のことを思い出したようにです。(S・I)
★なるほどね、今テレビを見てるより思い出した方が自然かもしれないですね。
(鹿取)
★「テーブルかけを外」すのと同じような感じで政治を見ている。飲食と同じです。日
常茶飯のことでたいしたことではない、作者は政治にたいした関心を持っていない。
(慧子)
★いや、私はむしろ飲食と同じように政治も大事だと思いますし、「作者は政治にたい
した関心を持っていない」とは思いません。(鹿取)
★支持率が下がるという今のことを言っているから、作者が政治に関心があるとかない
とか、あまり深い意味はないと思うけど。(藤本)
★そうですかね、霞が関に叱られに行く、という歌もありましたが、作者は実生活上は
官僚の一端にいるわけです。次からの謀反を許さないとか、組織の一部とかいう歌に
続くわけで、内閣の支持率と仕事はけっこう直結しているから、嫌でも気になるわけ
ですよ。(鹿取)
★内面的な関連が必要です。ただ事象だけを詠んでいるわけではないので。(S・I)
★テーブルというのは組閣などのことで、まとまっているものがやがて崩れてきたりし
てみんながバラバラになる。そんなことかなと読んだのですが。内閣がテーブルかけ
を外すのではなく、やっぱり作者なのかなあ。(真帆)
★「テーブルかけを外」すという行為は下句と関連性があるようにうたわれている訳
で、そうでないと 解釈ができないです。こじつけ的な解釈かもしれないけど。浮き
世の上がったり下がったりを冷ややかにみていらっしゃるのかな。(S・I)
【ポケットベル】『寒気氾濫』(1997年)118頁~
参加者:S・I、泉真帆、M・S、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:S・I 司会と記録:鹿取 未放
283 テーブルのテーブルかけを外しつつ内閣のまた支持率下がる
(レポート)
内閣支持率が下がっているという、やがて総理も変わるだろう、この国のトップはすぐ変わる、まるでテーブルかけを外すように簡単で容易なことだ。テーブルかけを外すという行為によって、「内閣支持率が下が」っている事象を想起された。テーブルかけをつけたり外したりすることは日常的な反復行為で、また明日になれば新しいテーブルかけを付け、宴会や会議が始まるだろう、そこで国の政策や方向が決まるのかもしれない。人は束の間に現れては退場する、が、恒久的なものはなにもない。ニーチェの永劫回帰を思わせる。(S・I)
(当日発言)
★レポートでは「テーブルかけを外すように」とおっしゃってるけど、「外しつつ」だ
からちょっと違う。この歌集は1997年の刊行だから、細川さんから村山さんに
替わった頃かな。(藤本)
★2枚目の用紙が余ったので安倍内閣とオバマの支持率の表を載せました。(S・I)
★この図は関係ないですね。時代が違うから。(藤本)
★いや、いつ作られた歌か分からなかったものですから。(S・I)
★この歌集は1997年の刊行だから、作られた時代は見当が付くと思いますが。
(藤本)
★まあ、この歌は別にどの内閣の時のという具体的な話でなくていいと思うけど。「テ
ーブルのテーブルかけを外しつつ」って変わった表現ですね。普通はテーブルかけは
テーブルのテーブルかけを外しつつ」って変わった表現ですね。普通はテーブルかけ
はテーブルに掛けてある訳で、短い短歌にわざわざ「テーブルの」って言わないと思
うのですが。まあ、それはおいて、〈われ〉が「テーブルかけを外しつつ」テレビか
何かでまた内閣の支持率が下がったというニュースでも見ているのかと 思いまし
た。なるほど、宴会のホテルのテーブルかけという設定は、内閣の支持率とよく繋
がるけど、作者の意図は違うような気がする。レポートの「テーブルかけを外すよ
うに」総理がすぐに変わるというのは現実にはそうかもしれないけど、歌はあくま
で支持率が下がる話です。テーブル掛けを掛け替えるように次々トップが変わる話
ではないです。(鹿取)
★「テーブルかけを外」すのは作者の行為ですが、テーブルかけを外すことによって、
いつか聞いた内閣の支持率が下がっているということを想起した。プルーストがマ
ドレーヌを食べながら昔のことを思い出したようにです。(S・I)
★なるほどね、今テレビを見てるより思い出した方が自然かもしれないですね。
(鹿取)
★「テーブルかけを外」すのと同じような感じで政治を見ている。飲食と同じです。日
常茶飯のことでたいしたことではない、作者は政治にたいした関心を持っていない。
(慧子)
★いや、私はむしろ飲食と同じように政治も大事だと思いますし、「作者は政治にたい
した関心を持っていない」とは思いません。(鹿取)
★支持率が下がるという今のことを言っているから、作者が政治に関心があるとかない
とか、あまり深い意味はないと思うけど。(藤本)
★そうですかね、霞が関に叱られに行く、という歌もありましたが、作者は実生活上は
官僚の一端にいるわけです。次からの謀反を許さないとか、組織の一部とかいう歌に
続くわけで、内閣の支持率と仕事はけっこう直結しているから、嫌でも気になるわけ
ですよ。(鹿取)
★内面的な関連が必要です。ただ事象だけを詠んでいるわけではないので。(S・I)
★テーブルというのは組閣などのことで、まとまっているものがやがて崩れてきたりし
てみんながバラバラになる。そんなことかなと読んだのですが。内閣がテーブルかけ
を外すのではなく、やっぱり作者なのかなあ。(真帆)
★「テーブルかけを外」すという行為は下句と関連性があるようにうたわれている訳
で、そうでないと 解釈ができないです。こじつけ的な解釈かもしれないけど。浮き
世の上がったり下がったりを冷ややかにみていらっしゃるのかな。(S・I)
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