かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男『寒気氾濫』の一首鑑賞 18

2023-03-29 13:50:33 | 短歌の鑑賞
    2023年度版 渡辺松男研究3
      (13年3月)【地下に還せり】
      『寒気氾濫』(1997年)12~
       参加者:崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
       司会と記録:鹿取 未放


18 冬の日のあたたかにして老木は吾に緘黙を宥してくれる

      (当日意見)
★冬の日の暖かさが老木をつつみ、その老木が私のだんまりを宥し
 てくれる。冬の日の中になにもかもが宥されてるという感じ。
  (慧子)
★はい、大好きな歌です。もっとももう少し先の「寒気氾濫」の一
 連には次のような歌があります。
  寒気団ヒマラヤ杉の上にあり同士討ちなり緘黙者とは
 この歌で同士討ちをしている緘黙者同士とは何と何を指している
 のでしょうね。直接的には、居座っている寒気団と動くことの不
 可能なヒマラヤ杉が寒さにじっと耐えて対峙している様子でしょ
うか。この歌での〈われ〉はヒマラヤ杉にかなり同化しているの
かもしれません。(鹿取)

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