椎名誠は、純情系硬派である。偶然の奇跡が重なって?作家となり、
文学賞の選考委員なども、依頼される事が多くなっていた頃。
取材先から、格式の高い料亭で催される、ある文学賞の選考会に、
そのままのラフな格好で行ってしまった。
気づけば上着は少々汗臭かったし、これはまだいいとして、靴下が
半端なく濡れて、汚れていた。
すでに、靴下を手当てする時間は全くなく、汚れている靴下よりは、
まだ裸足のほうがマシだろうと思い、脱いで料亭の玄関先に立った。
うまくすれば、周囲にバレないかもしれない、と目論んだ。
しかし、トイレか何かで、たまたまそこを通りがかった大先輩の作家に、
チラと足元を見咎められた。
「ほぉ~、若い人は元気でいいねぇ。この季節(冬)に裸足だ。寒く
ないのか?」と言われて。
それでなくとも、ビクビクしていた椎名は、すっかりショ~ンボリとなって、
選考会のあいだ中、終始身を小さくしていたそうだ。
「椎名誠」とは、腕白坊主が、そのままオトナになったような人である。
体力はあるが、繊細さはない。
(切り花/デンドロビウム)
木村 面白い本があるんだよ。これをテーマにしてやらないか。
目黒 なになに。「間違い言葉の辞典」か。PHP研究所から1993年に
出た本だね。お、面白いよ、これは。
木村 だろ。
椎名 どういう内容なんだ?
目黒 だからさ、「うたたね」と「仮眠」はどう違うのか、っていうのよ。
沢野 同じじゃないの?
木 違うからこの本に出ているんだよ(笑)
椎 違うのか!(←椎名のこの発言は、椎名と沢野が同じレベルの人間
であるということを、暗に発露してしまっている)
沢 誰が問題を出すの?解答を見ちゃったら、つまらないよ。
椎 浜本~(←「本の雑誌」編集部デスク)お前が解答係な。本を誰にも
見せるなよ。
浜本 じゃあ、「あと」と「のち」です。
目 いいねぇ。ええと、私の解釈から行っていいですか。
椎 いいよ。その間におれたちも考えようぜ。
目 「のち」というのは、時間的な経過が入っているんですね。で、
「あと」というのは、空間的なものだね。
木 「のち」というのは、時間的な経過にかかわっていそうだけどな。
沢野はどう?
沢 僕はちょっと、保留にします(笑)
目 いいなそれ。
椎 ずっと保留じゃないの(笑)
木 ギブアップだな。
浜本 じゃあ、解答、行きます。「あと」は、現時点に引き続く経過
としての時。「のち」は、ある時点が流れ去ったあとの時点をいう。
・・わかりますか?
椎 わかんねえぞ。
木 たぶんおれたちので、正解だよ。
浜 ・・・次は「維持」と「保存」でどうですか。
目 難しいね。
沢 「保存」は、しまっちゃうんでしょ。「維持」はとっとくの。
だから、干し柿は維持で、漬物は保存なんです。
目 ほぉ。
木 わかりやすい。
椎 でも、どう違うんだよ。
木 何となく、わかったような気はするけど(笑)
椎 あれだな。検死官がくるまでが「維持」で、安置所に入ったのが
「保存」。
目 おお、わかりやすいな。おれは、結婚するまでが「維持」で、結婚
してからが「保存」(笑)
木 なるほどなるほど。
椎 それもいいな。
木 そういうたとえで出すと、賢そうな気がする。
椎 本当は意味を知っていないのにな(笑)
木 財布に金を入れるのが「維持」で、銀行に入れるのが「保存」。
目 ようするに、ある一時の状態が「維持」で、永遠の状態が「保存」
である、と。
椎 これは簡単だな。みんな、正解だろう。
浜 正解はですね、状態や性質などを、現状のまま持続させることが
「維持」で、「保存」は、物品の場合に使用する、とありますけど。
意味はどう違うんですかね・・。
椎 ふーん。ま、いいか(←理解していないことを、無自覚に語っている)
沢 あの、最初に言った「うたたね」と「仮眠」の違いはどうなっているの?
僕、知りたいな。
椎 「うたたね」は布団なしで、「仮眠」は布団あり。
木 似たようなもんだろ。
沢 となると、”会議中の仮眠”はあり得ない。
目 キミは鋭いねぇ。寝ることに関しては知識が豊富だよ(笑)
椎 無意識の睡眠が「うたたね」で、確信犯が「仮眠」。
目 これは正解だな。
沢 次、次に行こうよ。
(↑上記の会話部分は「発作的座談会2/角川文庫」
平成12年8月25日初版発行ーーより抜粋)
目黒孝二氏によれば、この「発作的座談会」という本の、part1が発行さ
れたのは1990年、「本の雑誌」に掲載した座談会を、そのまままとめた
ものだそうである。ということは、登場している方々の年令は、40代後半
頃と推定される。
目黒氏曰く、「冷静に考えてみると、出席者にとっては恥多き座談会な
ので、パートⅠ同様、このパートⅡもひそかに読まれて、他人にはおすす
めにならないようお願いしたい」と、釘を刺されている・・ようである。
ささゆりさんに「著作権問題は?」と指摘されてビビり、たくたくろさんに
文中に出典の注釈を付けるがいいよ、とアドバイスをもらい、このように
書き足しているのでR。いひっ(笑)
しかし、次もこの座談会をとりあげるのだ。それで最後よ~~(←まぁ、
せいぜいガンバルがいいさ!)
(鉢植え・JAの店先で売られていた)
私の方がレベルは上だ~と思った方は、
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シーナは、赤マントひるがえして、焚き火したり、草野球したりして、よく男同士つるんでるね。
ちょっと軽めな感じが受けるのかな。
私は野外派では、ゲージツ家のクマさんが好きです。
たけしの誰でもピカソの坊主の人。
文章もうまいよ。
ところでトーコさんは詞や文を引用しているけど、50年たっていない物の著作権に問題はないの?
読んだことはありません。
似たような言葉はたくさんあります。
最近は否定する言葉が肯定になったりして、ややこしくなっています。
「ぜんぜん」などという言葉はどちらにも使われているようですね。
これからの日本語はどうなるのでしょう。
え?著作権に触れちゃいます?
脅かさないでくださいよ~!私は、気が小さいんですから、頼みますよささゆり様~~!・・あはは
ゲージツ家のクマさんのファンなんですか。意外ね意外ね
「ぜんぜん」は、普通に認められているそうですね。NHKで、言っていました。
こんな話、延々とやっていたら、頭が破裂しそうになりますよ、私なら。。。
山小屋さんならば、バトルロイヤルに残れそうですね
「仮眠」は、しっかりはちべえ。
つまり、うっかりしちゃうのがうたたねで、しっかりととるのが仮眠です。
これでどうだ!(違うか
著作権問題にならないよう、引用をつけるといいですよ。
(○○より抜粋)とか。
「のち」と「あと」
なるほど…時間的な経過と空間的なもの。
雨のち…。雨のあと…。
なるほどなるほど、こう置き換えたらよく分かりました。
うっかりとしっかり、転寝と仮眠、はちべえサンで使い分けましたね。素晴らしい~~
引用は、キチンと書かなくてはいけませんね。手抜きしました(笑)
今日は、元気です
「のち」と「あと」。雨のち…。雨のあと…。
流石ですね、分かりましたか?漢字で書くと同じですけど・・まだ、よく分かりません、この私(笑)