今日は雛祭り


私は読んだことがなかったのですが、芥川龍之介に『雛』という名作があるそうです。御一新で没落して行く旧家の、なかなか哀切な内容らしいです。与謝蕪村の句を冒頭にして始まるのだとか。
箱を出る顔忘れめや雛二対 蕪村
三月節句に飾った紙雛などを、もともとは川や海に流してしまうのが、古くからの慣わしであった、と柳田国男は書いています。形代(かたしろ)の人形に穢れを移して・・。
折口信夫は、ひな祭りと和歌山県加太の淡島神社とのつながりに注目。三月三日の「淡島様」の雛流しは、つとに有名だそうです。
天仰ぎつづけて雛流れゆく 大橋敦子
(※雛=ひひな(ひいな)と読みます)

(※4日 ’流れ’の写真入れ替えました*^m^*)
お雛様につきものの桃は、梅と同じように中国大陸から渡ってきたようですが、梅や桜ほど数が多くないせいでしょうか、あまり印象が強くないのですね。
観梅とか桜狩といって楽しむ風潮の中で、桃見(ももみ)といのはそれほどでもありません。ひな祭りが終わると、次の桜の話題にとって代わられます。
ですが、中国はさすがに桃の本場だけありまして、<桃源郷>の言葉の発祥地。昔々中国の漁師さんが桃の林の中をさ迷って歩いていた時に、桃源郷に辿り着いたのでした。
昔々日本の漁師さんは、ある日松原の中を歩いていて、<天女の羽衣>を見つけてしまいました。天女は、舞を舞うからと言って羽衣を返してもらうと、すぐそのまま天へ昇って行ってしまったわけで。漁師はただボーッと天を見上げるばかり。。(笑)
その当座空ばかり見る三保の漁夫 (詠み人知らず)
モモのことは、三千世草(みちよぐさ)とか三千歳草(みちとせぐさ)と呼んで、古い歌にも詠まれているそうです。
「成蹊(せいけい)」の言葉も、中国産。蹊は細い道のこと。蹊(みち)を成す。「桃李ものいわざれども、下自ずから蹊を成す」
桃や李(すもも)は何も言わないけれど、花が美しいので自然に人々が見に来ます。それで、桃や李の木の下にはいつしか小路(こみち)が出来てしまった。ここから、人格の立派な人のまわりには、自然に人が集まってくる、というような喩えに使われたのですね。いかにも、中国らしいなぁと思いました。
あらら、お話がまた横道に逸れています*^^* お雛様関連で、私が好きな俳句を一つ。蕪村門の高井几菫(きとう)と言う人の句ですが。
裏店や箪笥の上の雛まつり 几菫
江戸時代のはじめ頃までは、紙で作った雛だけニ、三対を雛屏風に立て掛けて、菱餅や白酒を供えるなどの、ごく簡単なものだったとか。それが元禄時代あたりから内裏雛が売り出され、次第に華美になって行ったらしいです。
夕方から雪がまた、霏々(ひひ)として降ってきています。「なごり雪」でしょうか。今回は平原綾香さんのカバーで、一曲聴いてみませんか。なごり雪は、俳句では<名残の雪、雪の別れ、別れ雪、忘れ雪、涅槃雪、雪の果>などと形容されます。
いずれも’最後の雪’を詠嘆する言葉です。これで最後になってくれれば良いのですが。
平原綾香-なごり雪-(作詞・作曲 伊勢正三)

君のくちびるが さようならと 動くことが こわくて下をむいてた
君が去った ホームにのこり 落ちてはとける 雪を見ていた






胸の辺りが、マガモより茶の模様が若干多いのと、大きさがアヒルくらいだそうです(←コレ、あの絵からはよく分りませんでしたね (*o☆)\バキッ!)推理してくださった方々、おことうさんどした~


アヒルはいりませんが、アオクビダイコンがありましたら、送ってください。
ブリダイコンを作ります。(笑)
春恋し 空を見れば なごり雪 山小屋
空見さんのところも降ってきましたか?
こちらはやっと雨が降り出しました。
これから雪になるようです。
「なごり雪」は「いるか」の歌ですね。
昔よく聴きました。
好きな歌の一つです。
雛から桃、雪とすてきな話しでした。
昨日は古い雛を見てきました。
大切にされてきた
雛は矢張りいいですね。
特に江戸の享保雛はすてきでした。
あれ空見さんの句は???
こちらも雪になりました。
山裾の人さんも知っていますし、
別にわかってもいい名前なのですが・・・
もう少し、そっとしておきましょうか。
また雪ですね~、明日は何とかなるでしょうか?
>春恋し空見あぐればなごり雪 山小屋
<なごり雪早咲けしものを如何せん 空見
鰤大根ですか~、味がしみると美味しいですね。よろしければ、件名<アオクビダイコン>でメールしてみてください(笑)鴨と葱のセットは送れませんヨ~
>裏店や箪笥の上の雛まつり 几菫
ワタクシも好きな句です♪
無理しなくていい・・庶民の身の丈に合った親心
祝う気持ちこそ大事ですね。
現代で言えば、`テレビの上の雛祭り`と言ったところで
しょうが、最近はみんな薄型なので置く場所がない?笑
因みに、ウチは置けますけどね
几菫は蕪村門下、・・あっそうそう
蕪村の好んだ「俳画」は、フォト五七五の`原点`ですね♪
最近は’吊るし雛’が人気のようですね*^^*
物を作るって、楽しみでもありましょうね。私の句は、雪のために?一休みです(笑)
メールいただきました、ありがとうございます。後日また~^0^/
>優しげな祖母の面影雛に似る オコジョ
<雛に似る姉のおもかげ日向ぼこ 空見
これから貴ブログの方にお邪魔しますヨ~
>蕪村の好んだ「俳画」は、フォト五七五の`原点`ですね♪
ははぁ~なるほど。今でいえばそんな風になるのですね(o^-')b
わが家も、TVにはぜんぜん興味がなくて、ずっとアナログ。誰もTVをどうにかしようなんて、考えてもいないみたいでゞ(≧ε≦o)TVの上には猫が寝ている・・かも
>裏店や箪笥の上の雛まつり 几菫
このような↑句を見ると、ホッとします。あまりに立派なお雛様などは、ワタクシとても緊張してしまって(;^_^A アセアセ・・
いつもご教示ありがとうございます。今日は俳句を休んでいます、頭が働かなくてデス
ぽっかりと落とし穴のように、知識も体験も欠落しています。
クイズ面白かったです、でも残念でした。
今日は、お雛祭りの日でした。
お雛様にちなんでこれほどのお話、読ませていただきました。
観梅、桜狩そして、桃見まで、お勉強になります。
先日拝見いたしましたつるし雛などを思いだしたおりました。
>裏店や箪笥の上の雛まつり 几菫
しみじみといい句と思います。
先日拝見したつるし飾りとダブりました。
お雛様の原点のような気がいたします。
なごり雪、いい歌ですね、いるかさんもいいですね。
ランキング、1位です。いつも素晴らしいです。
いつもありがとうございます。
つかず離れずでGOODな取り合わせです♪
「川は流れる」のお写真、いいですね♪
浮かんで流れている紅葉?が素晴らしい雰囲気です。
「なごり雪」、よく脳内ミュージックになっちゃうの。
そうそ、空見さんお勧めの一茶の本、姉から届きました♪
あとね、田辺聖子の「ひねくれ一茶」も。
面白そうです!
そうなんですよね!食べる桃は大人気なのに、桃の花となると。。ちょっと大柄の紅梅と見分けがつかなくて(笑)お花屋さんで見ると、さすがに分りますが*^^*
やはりモモに関しては中国が大先達ですね、歴史が違います