誰もいない、お天気の良い日曜日。若い頃のように、目的もなく、
ただ単純に電車に乗ってみたくなった。
近場で、短時間で帰ってこられる鉄道は。。。それは、乗ったこと
のない野岩線(やがんせん)。
かつて栃木県(下野国)と福島県(岩代国)を結んでいたので、
”野岩線”と呼ばれていたのだが、現在は”会津鬼怒川線”という。
個人的には「野岩線」の方が、趣があって良い気がするが、
「会津鬼怒川線」といった方が、知らない人には分かりやすい
だろう気もする。
「龍王峡」まで車で行って、どこまでも広い駐車場に置く。
ここまでの道のりは慣れているし、駐車場の心配が要らないので、
ここから電車に乗ることにした。
観光バスやマイクロバス、マイカーが多い。まだ花も咲かぬ、植物
園さえ開園していないこの時期ながら、ここだけは湧きたつような
人出の賑わいと、春らしい華やかさがあった。
コンビニのおにぎりと水を持って、いそいそと単線2両の電車を待つ。
「会津高原尾瀬口ゆき」各駅停車。むふふ、いよいよだ~!という
子どものような、嬉しい気持ちが交叉する。
電車は空いていた。皆、思い思いの場所に座っても、一人ワンボッ
クス専用、でもまだ余る。切符は、ここがマシだよ!と、窓口の
お姐さんが勧めてくれた駅の往復券。
なのに、電車が動き出すと、「ここは何もないよ」と言われた駅で、
降りてみることに、気持ちは決まっていた。無人駅。名前は「男鹿
高原駅」。
途中の「湯西川温泉駅」で、ほとんどの人が降りてしまった。
動き出した車内で、立ち上がって後ろを振りかえると、先ほどまで、
確かに中年女性の頭が見えていたはずだったのに、人の気配はなく、
前方の車両には、二人の小さい子どもの顔が見えるだけである。
え”、大丈夫なのか?・・この電車・・。
一抹の不安がよぎる。あの、中年女性は、何処に行ってしまったもの
だろう。
もしかしてこれが、銀河鉄道999のように、変身する電車だったら、
どうするのだろうか。まっ、それも面白くていいんだけど。
そして私は、テキトーに面白がる性格のせいで、確信的に乗り越して、
あの駅に降り立ったのだった。
感じの良い(若くて爽やかな?)車掌さんに、余裕で目礼したりして、
一見、さっそうと一人ホームを出れば。。。目の前は、林に面したホコリ
っぽい、ただの狭い道だった。しかも、けっこう寒い。右手の山を見れば、
残雪である。
ひ、ひぇ~!私は、次に電車が来る予定の時刻表を、すぐに出して見た。
1時間以上も、ここで耐え忍ばなくてはならないようだ。
龍王峡の窓口のお姐さんが、「あそこは何もないよ~」と言ったけど、
余りにも、何もなさすぎた。熊が出てきて、挨拶されそうな気がする。
左手は未舗装の林道のようだった。立て看板を見ると、”ここに入って
なンかあっても、誰も知らんかンね”と書いてある。松ぼっくりと、
実った杉花粉しかないやん。しかし一応、写真を撮る。
しかたなく、車1台やっとの、舗装された右手の道を歩き出した。えへっ、
これも一興なり。
変電所を過ぎ、少し広くなった平面に、ヘリポートが降りる場所が
あった。
また少しゆくと、車の走っている道路が、下の方に見えた。121号線。
会津西街道だ。
何処まで行っても、冬景色のなかの、林と笹の道が続く。しかし、
見上げる空は青い。男鹿川の瀬音と、鶯の鳴き声だけが聴こえる。
器用に「ホー、ホケキョゥ♪」と鳴いている。ここの鶯は、なかなか
優秀らしい。
そんな静寂の中、121号線方面から、白い大型の乗用車が上ってきた。
身を寄せてすれ違い、駅の方角に過ぎた。
私は、ひとしきり、怖いほどの静寂を味わったので、そろそろ駅に
帰ろうとして、同じ一本の戻り道を歩き始めた。
すると、しばらく前にすれ違った白い乗用車が、林道の手前に止まって
いるのが、遠くに見えた。
・・その時だ!!!
見知らぬ”おぢさん”が、駅から急ぎ足で出てきて、車に戻る後姿を目撃
したのだ。左手には、デジカメではないカメラを持っていた。
が、服装は普通の家着だった。
顔は見ていない。まるで私の視線を避けるように、車に乗り込んで
しまったからだ。カメラを持っていたということは、写真を撮った、
と容易に想像できる。
はて、あのホームに、何か、興味をそそるようなものがあっただろうか。
私はむしろ、そっちの方に興味が湧いてしまったようだ。
これをあの”おぢさん”は撮ったのか?こちらか?
それとも、気持ちの良いこの青空か・・
ホームから望む、清々しく清明な男鹿川か・・
これも、いちおう証拠として・・^^;
今回は、シーズン前なので、このように閑散としていたが、GWには
ハイカーたちがやってくるに違いない。意外だったのは、中高年オバ
サンが、一人で電車・バスの旅、の頼もしいリュック姿を見かけたことだ。
3、4人のグループもあるが、単独行も思ったよりいらっしゃる。
淋しいけれど、一人で勝手気ままに、も捨てがたいものかもしれない。
まぁ~心強いこと。やっと私に、お一人サマ「こんなンで委員会?」時代
が、追いついてきてくれたのだろうか。。。あはっ!
お口直しの一枚(ツルニチニチソウ)を、ネッ、ネッ
ひとり旅もいいかも~と思った方は、
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女性の一人旅は不審者扱いかと思ったのですが、
そんなでもないので安心しました。
目的は?
つまり、さしたる目的もないブラリ旅だったのですね。
淡々とつづる文章、さすがです。
花の写真を見せて頂きましたが、花の名は何というのでしょうか。
トーコさんのチャレンジ精神の高さには脱帽です。
その白い車の人は、いったい何を撮っていたのでしょうか?
何も無いはずのところには、きっと何かあるのでしょうね。(笑)
トーコさんが撮った写真の中にその答えがあるとすれば、きっと素晴らしい風景なのでしょうね。
山の斜面を切り取られたところに塗られたセメント・・・。
それと周りの風景が重なったものも、なかなか素敵だと私は思いますよ。
実際に現場でみたほうが素敵だとは思いますが。
いい趣味をお持ちです。ポチ。
野岩線に、乗られたことがありましたか!
ほんの少しの時間でしたが、良い気分転換になりました。
結局、早めに来た下り電車に乗り、「会津高原尾瀬口」まで出て、そこで、ホームに待っていた上り電車に乗って、帰って来ました。尾瀬口までの乗り越し料金は、真面目に払いましたよ(笑)
仕事が楽しそうじゃないらしい、メタボ系40代の、ビジネスライクでガマ蛙に似た車掌さんにネ。
これが、最近はこんな人も多いのか、独り者を不審げに見る人はいませんでした。”オバサン”だから、無敵ですわ
花の名?スミレの仲間かもしれません。なかなか、可愛いでしょ!コメント、ありがとうございます
あのあたりを写真に撮ったかもしれない、「おぢさん」。
何が撮りたかったのでしょう?その謎を追求したのは、”空見ろ探偵団・ひとり”サブタイトル、陰日向に咲く、です。
”逆コナン”には、かないませんが・・(笑)
今回の文章は、充分にたくたくろさんを震撼せしめたのではないかと!見方を変えると、パクリ、とも言いますが~。えへ
え?だれが「絶賛反省中」だと?(→おやいさんでしょ)きゃはっ
これだけの楽しい思いをして、費用はたったの運賃1660円。安上がりな女です、この私。ホント、良い趣味をお持ちなんです。
コメント他、ありがとうございます。私はいつも、3倍返ししていますから・・どぞ、お気遣いなく
そこから見た鉄道の鉄橋もネタに撮ったのですけど、日の目を見ず、メモリーにストックされたままデス。
あの時、ひぇ~っと思うほど、雪深いとことだと思いましたけど、まだまだ寒そうですね。
ちなみに、ネタを撮るワタシも、はたから見たら、堂々とした不審者デス(笑)。
自分の思い通りに行動出来るのが魅力ですよね。
不安もあるけれど、気楽でいいものです。
私も遠い所では岩手の娘のところまで!
近くではバスで出かけられる所!
地下鉄で行ける所!
ただ難点は方向音痴です(笑)
電車はいいですね、楽チンで。車は運転に、ケッコウ気を使います。なるせさんは、長距離、大丈夫そうですね。
2月の湯西川、よく行ったなぁ~と感心しておりました。なるせさんは、カッコイイから、不審者には見られませんよー(・・たぶん)
湯西川駅のホームの壁には、平家の公達の絵が描かれてありました。たぶん、ペンキで。なるほどなぁ、と思いましたとさ。
鉄道の鉄橋のお写真、今度アップしてください!コメント他、ありがとうございます
そう、すごいです、岩手まで一人旅。
私も、北海道に行こうと思いつつ、腰が重くて・・
方向音痴なら、”北のまちるださん”にも、負ける気がしません。分かるのは上と下。右と左だけですから。
車で走っていても、カーブの連続だと、方向感覚がありませんので、ナビは必携です。
この前TVで、かずこさんの、お住まいの近くの話題がありました。皆が自転車に乗る地域だと。かずこさんが、パソコン塾に、自転車で通ったというお話を、思い浮かべておりました。
コメントと投票も、いつもありがとうございます
ブログ友だちで、あんぎゅう46さん、という人がいます。ブログ更新、ネタ撮りの合間に、急いで仕事をしていらっしゃるような、珍しいお方です(笑)
昔の古めの歌謡曲や洋物などが、お得意です。現在、「イントロ当てクイズ」などを出して、善良な市民を苦しめています。
50代以上の方で、腕に覚えのある方は、絶賛ご応募してください。これが意外と、分かりません。私は、お情けの55点でした(涙)
せめて、ワンフレーズ、歌声を入れて欲しかった。そして、もっと古くない曲も入れて欲しかった。。。今後に期待をいたす所存ですがっ!
体調の悪い方は止めてください。クセになりますから(笑)左下のブックマーク「仕事の合間に、ちょっと…」から、お入りください。「ブログの合間に、ちょっと…」だと、すぐに判明します
ひとり旅もいいものですね。
僕もひとり旅が好きで、よく行きますよ。
北海道へはほとんどひとり旅です。
気の向くままに移動し、気の向くままに泊まる。
目的のあるような無いような旅が好きです。
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