鷹もどる修司生誕八十年 青萄
「俳句界」2月号 佐藤麻積選 特選
(選者評)寺山修司は前衛芸術家として多方面にその名を残した。歌集や詩文集もあるが、俳句も例外ではない。1935年生まれで昨年生誕八十年となった。鷹のごとくに強靭に彼が戻って来たらと願うのは作者ばかりではないだろう。
<枯野ゆく棺のわれふと目覚めずや> 修司
※鷹は冬に渡るもの、戻るはないだろう。…確かに。しかし宮坂静生先生によれば、少ないがあるにはある、との「鷹戻る」という季語も。
寺山修司という個性は強烈?なので、好き嫌いがあると思います。私はどちらでもないけれど、彼の俳句は確実に後世に残るし、それは誰にも止められない事実。
あの「鷹」の句は強烈です。寺山を意識せずに鷹の句は語れません。彼は今も高みからわれらを睥睨し、挑発し続けているはず、まさに鷹のような寺山修司の眼力を感じつつ…。
春になると土佐辺りまで戻って来る鷹も一部に?