杉山久子句集『栞』15句抄

2023-09-02 20:08:12 | 野に咲く花はどこへゆく

 

 

 

 

 

 

 

 

杉山久子第五句集「栞」2023/9

 

利かん気の人を遠目に猫じやらし

イワシショー果てて秋思のごときもの

病めるときも健やかなるときも冬木

白南風や流木をもて描く○

汗の手に殺虫剤の「殺」光る

鳥帰るつまづく我を置き去りに

芭蕉吹き揺らしドクターヘリ離陸

水の玉地球と呼ばれゐし朧

蜘蛛黒く太りたる嵌め殺し窓

黒山羊の足首白し夏はじめ

自転車で来て素麺をおかはりす

三日月を栞としたるこの世かな

「特養」の検索履歴かぎろへり

能面に怨の兆せる櫨紅葉

枯れ尽くし絡み尽くせしものに日矢

 

 

杉山氏には日溜まりがよく似合う ような気がする 代表句にも「小鳥来る旅の荷は日にあたたまり」がある 私も彼女の句にずっと触発されてきた経緯があり 過去一番好きだったのは 「肩凝つてをるではないか穀象」 このレベルを目指して今まで俳句を続けてきたのだが…むしろ遠ざかっているのかもしれない ようにも思われる 

 

 

 

 

日矢にひっそりヤマジノホトトギス↑久々の邂逅~

 

 

 

 

 

 


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