そして、その翌日。
娘はお店を休めないので、朝、ツヨシにお別れを言って、寝顔の写メールを撮ってご出勤。
(ハウスウエディングのブライダルエステ専門の仕事で、お客さんの予約が入っているため)
車で出る前に、ご近所の皆さんにお知らせしておいた方がいいだろうかと思い、両隣とお向
いさんに声をかける。そのほかのお宅は、お勤めをしているのでお留守。
お向かいのAさんに、道路から勝手口にむかって「Aさ~ん、そこにいらっしゃいますかぁ」
というと、「はいはい、おりますよ~」とご主人が、派手なシャツ姿でドアを開ける。
私) 実は、昨日、ツヨシが急死しまして…。
ご主人)はっ。ツヨシさんとおっしゃいますと、どちらの・・・?
私) ・・・あ、あのっ、奥様いらっしゃいますか?(あたしゃ、磯が死んだよ)
ご主人)あ、はいっ。少々お待ちください(元が超エリートなだけに、いつも丁寧である。
ちなみに今は社交ダンスの先生。だからシャツが派手派手なの)
で、お集まりの方々に、ひと通りご説明申し上げる。
Yさん)ツヨくん、生きてる時は凶暴だったから近づけなかったけど、もう動かないから、
今のうちに頭でも触っとこーっと。
私) まあ~、ツヨも喜びます、どーぞどーぞ。(あんたは、大阪のおばちゃんかい!)
おかげ様で、このような”人手”をお借りして、ツヨシを難なく車に乗せることができました。
ペット霊園は、人家の少ない小高い山の上にある。途中に合祀の納骨堂があって(大きな
観音様の像の下)、お線香やお水やペット缶を携えた人が、結構来ていらっしゃる。
「火葬の方は一番上まで車で上ってきてください」、と立て看板に書いてある。
上がっていくと、作務衣を着た人が出てきて、お悔やみを言ってあれこれと親切にしてくれ、
頑丈そうなダンボールのお棺を出してきて(たぶん、中型のもの)、そっと入れてくれた。
重量は、13kg強。ご本体は11kg位かと思います。では、こちらへどうぞ。といわれて、安置室
&火葬室に案内される。ここでお別れをして、お花を。といわれ、花籠を渡される。色とりどり
のキレイなお花のアタマだけが入っている。
ツヨの顔の周り、首の周りをお花で飾る。では、よろしいですか?といわれ、ふたを閉め、
火葬の台に乗せて、扉を閉める。たぶん、ここで泣き崩れたり、手間を取らせるような人も
いるに違いない。そんな時も、この作務衣の人は、じっと待っていてくれるような気がする。
決して、心無く急かしたりはしない人のようだった。
お骨になるまで1時間半ほどかかるというので、待合室で待つ。うちの前に火葬が始まっていた
お宅の場合は、1時間ちょっとで、終わった。参考のために(?)、お骨上げを見せてもらう。
1時間半を過ぎても、うちのは終わらない。1時間50分ほど経過して、やっとお知らせが来た。
お骨はすでに、頭部と体部とその他に軽く分けられていた。お箸を渡されて、骨壷に体のほう
から入れてゆく。いちいち、これはどこの骨ですか?と聞くと、答えてくれる。最後に大きな
頭部を入れて、あとは係りの人におまかせする。
山の斜面を切り開いた場所に、隙間なく個別のペットのお墓が並んでいる参道を通って、下の
観音様のところへゆく。これが合同の納骨堂である。鍵を開けてお骨をカロートに落とし込む。
以上で、儀式は終わりです。
その後、おもむろに事務所にもどって、お会計。
体重が10kgまでは、2万円弱だが、少し超えていたので21000円。合同埋葬が10500円。合計
で31500円。合祀だから、今後、その他の一切の料金は発生しない。個別にお墓を立てて埋葬
すると、21万円。管理料等、なんらかの諸経費が発生するのだろう。
このペット霊園は設備や配置、お参りにくる人にも不便のないように、気配りされているよう
である。お掃除や、お庭の整備などもきちんとしている。ゴミもひとつも落ちていない。この
経営母体の会社は、ここから少し離れたところに、人間の方の墓地の分譲もしているという。
こちらは、一坪強で28万円。うむっ、や、安いじゃん。
ただ、そっちは閑散としているので、人間さまの墓地を訪れた人は、このペット霊園に寄って
自販機で飲み物などを買っているという。ここは、キレイでお供え物がいっぱいで、可愛くて
いいですねぇ、と言っているという。
ツヨシの火葬の時間が長かったのを聞くと、思いのほか骨が頑丈だったようだ。便秘だったので
のむヨーグルトを毎日飲ませていたんですが・・・、と言うと、ああ、きっとそのせいもあるかも
知れませんね、と笑っていた。
山の反対側には丁寧に剪定された杉林があり、鳥の巣箱が幾つもかけられている。ホラ、巣箱
からムササビが顔を出していますよ、と教えられ、見ると、いたいた。ノンキそうに寝ている
顔が。
巣箱には鳥が入らず、ムササビばかりだという。夜行性なので、夜になるとマニアがやってきて
写真を撮ったりするらしい。そんな自然の中にツヨシを預けて、よろしくお願いしますと帰る時、
作務衣の人は車が見えなくなるまで頭を下げて、見送ってくれた。
気持ちのいいところに預かってもらえて、本当に良かったものだと、ありがたく思いました。合掌。
娘はお店を休めないので、朝、ツヨシにお別れを言って、寝顔の写メールを撮ってご出勤。
(ハウスウエディングのブライダルエステ専門の仕事で、お客さんの予約が入っているため)
車で出る前に、ご近所の皆さんにお知らせしておいた方がいいだろうかと思い、両隣とお向
いさんに声をかける。そのほかのお宅は、お勤めをしているのでお留守。
お向かいのAさんに、道路から勝手口にむかって「Aさ~ん、そこにいらっしゃいますかぁ」
というと、「はいはい、おりますよ~」とご主人が、派手なシャツ姿でドアを開ける。
私) 実は、昨日、ツヨシが急死しまして…。
ご主人)はっ。ツヨシさんとおっしゃいますと、どちらの・・・?
私) ・・・あ、あのっ、奥様いらっしゃいますか?(あたしゃ、磯が死んだよ)
ご主人)あ、はいっ。少々お待ちください(元が超エリートなだけに、いつも丁寧である。
ちなみに今は社交ダンスの先生。だからシャツが派手派手なの)
で、お集まりの方々に、ひと通りご説明申し上げる。
Yさん)ツヨくん、生きてる時は凶暴だったから近づけなかったけど、もう動かないから、
今のうちに頭でも触っとこーっと。
私) まあ~、ツヨも喜びます、どーぞどーぞ。(あんたは、大阪のおばちゃんかい!)
おかげ様で、このような”人手”をお借りして、ツヨシを難なく車に乗せることができました。
ペット霊園は、人家の少ない小高い山の上にある。途中に合祀の納骨堂があって(大きな
観音様の像の下)、お線香やお水やペット缶を携えた人が、結構来ていらっしゃる。
「火葬の方は一番上まで車で上ってきてください」、と立て看板に書いてある。
上がっていくと、作務衣を着た人が出てきて、お悔やみを言ってあれこれと親切にしてくれ、
頑丈そうなダンボールのお棺を出してきて(たぶん、中型のもの)、そっと入れてくれた。
重量は、13kg強。ご本体は11kg位かと思います。では、こちらへどうぞ。といわれて、安置室
&火葬室に案内される。ここでお別れをして、お花を。といわれ、花籠を渡される。色とりどり
のキレイなお花のアタマだけが入っている。
ツヨの顔の周り、首の周りをお花で飾る。では、よろしいですか?といわれ、ふたを閉め、
火葬の台に乗せて、扉を閉める。たぶん、ここで泣き崩れたり、手間を取らせるような人も
いるに違いない。そんな時も、この作務衣の人は、じっと待っていてくれるような気がする。
決して、心無く急かしたりはしない人のようだった。
お骨になるまで1時間半ほどかかるというので、待合室で待つ。うちの前に火葬が始まっていた
お宅の場合は、1時間ちょっとで、終わった。参考のために(?)、お骨上げを見せてもらう。
1時間半を過ぎても、うちのは終わらない。1時間50分ほど経過して、やっとお知らせが来た。
お骨はすでに、頭部と体部とその他に軽く分けられていた。お箸を渡されて、骨壷に体のほう
から入れてゆく。いちいち、これはどこの骨ですか?と聞くと、答えてくれる。最後に大きな
頭部を入れて、あとは係りの人におまかせする。
山の斜面を切り開いた場所に、隙間なく個別のペットのお墓が並んでいる参道を通って、下の
観音様のところへゆく。これが合同の納骨堂である。鍵を開けてお骨をカロートに落とし込む。
以上で、儀式は終わりです。
その後、おもむろに事務所にもどって、お会計。
体重が10kgまでは、2万円弱だが、少し超えていたので21000円。合同埋葬が10500円。合計
で31500円。合祀だから、今後、その他の一切の料金は発生しない。個別にお墓を立てて埋葬
すると、21万円。管理料等、なんらかの諸経費が発生するのだろう。
このペット霊園は設備や配置、お参りにくる人にも不便のないように、気配りされているよう
である。お掃除や、お庭の整備などもきちんとしている。ゴミもひとつも落ちていない。この
経営母体の会社は、ここから少し離れたところに、人間の方の墓地の分譲もしているという。
こちらは、一坪強で28万円。うむっ、や、安いじゃん。
ただ、そっちは閑散としているので、人間さまの墓地を訪れた人は、このペット霊園に寄って
自販機で飲み物などを買っているという。ここは、キレイでお供え物がいっぱいで、可愛くて
いいですねぇ、と言っているという。
ツヨシの火葬の時間が長かったのを聞くと、思いのほか骨が頑丈だったようだ。便秘だったので
のむヨーグルトを毎日飲ませていたんですが・・・、と言うと、ああ、きっとそのせいもあるかも
知れませんね、と笑っていた。
山の反対側には丁寧に剪定された杉林があり、鳥の巣箱が幾つもかけられている。ホラ、巣箱
からムササビが顔を出していますよ、と教えられ、見ると、いたいた。ノンキそうに寝ている
顔が。
巣箱には鳥が入らず、ムササビばかりだという。夜行性なので、夜になるとマニアがやってきて
写真を撮ったりするらしい。そんな自然の中にツヨシを預けて、よろしくお願いしますと帰る時、
作務衣の人は車が見えなくなるまで頭を下げて、見送ってくれた。
気持ちのいいところに預かってもらえて、本当に良かったものだと、ありがたく思いました。合掌。
坪単価高い場所に住む?
それより千の風になりたい
…ご無沙汰しておりました。
気持ちのいい場所でよかったですね。
僕は「お墓」の事は考えた事がありませんでした。(すでに父が他界して墓がありますので)
先日親類の葬儀があり、いわゆる「セレモニーホール」での葬式はつつがなく行われ、
お寺と違い椅子で楽(?!)でした。
遺影はなんとモニターで表示されて、式の前は生前の故人のスナップ写真が編集されて映し出されてました。
火葬場にも行きましたがが、ここは幼いときから何かとくる機会があり
(ないにこしたことはないのですが)あまりのかわらなさにおどろきました。
以前飼っていた猫2匹が死んだ時は、庭の隅に埋めたんですが、その家を売り払ってしまいそのまんまです。
自宅の庭と言っても引っ越すこともあるかもしれないし、ペット霊園の方が何かと安心ですね。
ありがとうございます。
へぇ~、最近のセレモニーホールの葬儀は、どんどんとハイテクに進化しているのですね。
ペット霊園の火葬場は大丈夫でしたが、私は人間の火葬場は怖いのです。知り合いの葬儀などは、ほとんど夫に頼んで行ってもらいます。私もお通夜には行きますが、火葬場は辛いです。
コメント、ありがとうございます。
いえ、猫ちゃんくらいなら、庭に埋めてもいいのではないでしょうか?ただ、埋める場所のない人や、さすがに10kg前後以上のワンちゃんになると、考えてしまいますよね。
元ちゃんは、まだまだお元気なのですから、大丈夫ですよ。
人間の場合ですが、日本では火葬が主流ですが、その他の国ではほとんどが土葬だそうです。日本だけが特別珍しいのだとか。
色々リサーチしてあるよ。
本当に値段も待遇も色々だね。
でんちゃんも、寂しくないように合祀で考えてる。
ツヨちゃんは良いところが見つかってよかったね。
でも、1時間半って人とおなじくらい。
ちょっとびっくり
そうそう、アメリカってファーストフード大国で
そして土葬でしょ。
土葬って、時間がたつと一度掘りあげるんだって。
過去の経験から、このくらいの時期には土に返って
骨だけになってるって頃掘っても、遺体が腐ってないんだって。
何でだと思う?
食べ物に含まれてる防腐剤のせいなんだってさ。
てなことにならないで欲しいんですが…。
勉強になりましたっ!と、言っておきます(笑)
サバンがもし死んだら?
ず~っと、家にお骨が居座ることになるでしょう。
だって、娘が嫁に行くときに「持っていく!」って、言ってますから。
花嫁道具に「犬のお骨」って…。
「バカ犬、闘病中VOL.3」に顔出し写真をアップしました。新製品もあり!
もしかしたら、期間限定かもよ!
大変、失礼いたしました…。
え、えぇっ。防腐剤で遺体が腐らないっての?
う~む、そこまで行ったか、防腐剤。
だいたい、イスラム教、キリスト教、神道は土葬で、仏教は火葬なのね。あと共産圏の国も火葬。これは、「宗教はアヘン」だという思想からですが、現在は共産圏国家は軒並み崩壊していますから、そんな所では、徐々に土葬が復活してきているそうです。
日本は共産圏でもないのに、95%以上が自主的に火葬にしています。これには、「輪廻」という考え方が関係しています。
江戸時代までの天皇の埋葬法をみると、仏教に帰依した天皇だけが、火葬になっているそうですよ。
ありがとね!
ツヨ、喜んでいるかな?うん、お友達いっぱいで、きっと、喜んでるだろうね