昨日、平成19年版防災白書が閣議決定され、国会に報告された。その概要について内閣府防災のホームページに掲載されている。全文については近日中に公開とのこと。
http://www.bousai.go.jp/hakusho/hakusho.html
http://www.bousai.go.jp/hakusho/h19hakusyo.pdf
白書によると、災害対策基本法第9条第2項の規定(※)に基づく防災に関してとった措置の概要及び平成19年度において実施すべき防災に関する計画について報告を行うものとの位置づけである。
※災害対策基本法第9条抜粋
2 政府は、毎年、政令で定めるところにより、防災に関する計画及び防災に関してとつた措置の概況を国会に報告しなければならない。
自然災害の発生要因とその変化では、①最近の10年間に集中豪雨が著しく増加していること、②「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の作業部会で本年、地球の気候システムに温暖化が起きているとほぼ断定し、大雨の頻度や熱帯低気圧の強度の増加を予測、③昨年は相次ぐ竜巻災害により観測史上例を見ない12 名の死者が発生、④阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、福岡県西方沖地震、能登半島地震など、大規模地震発生の切迫性が指摘されている地域以外で大きな地震発生を指摘している。
生活空間や社会構造の変化では、①都市部の空間高度利用や集積に伴う脆弱性を指摘し、具体的には地階の増加による地下浸水の被害が頻発、超高層ビル、マンションが増加し、地震による家具等の転倒、ライフライン停止等により一層の備えが必要、一人暮らしの高齢者の増加により災害時の避難での支援体制の整備が課題、家族の規模縮小等による家族の防災力の低下が懸念を指摘している。また、地方の過疎・高齢化に伴う課題についても指摘している。
疑問に思った箇所は防災に関する予算が平成19年度が2兆1,792億円と平成17年度の3兆327億円と減っていることである。特に災害予防、科学技術の研究が減っているように思うが、安倍政権は防災に無関心といわざるを得ない。地震活動期に入り大規模地震が心配される中、今の政府は年金問題だけで手一杯な感じがしてならない。政府だけではなく、与党、野党とも今国会は自然災害の減災についての論議が乏しいと感じるのは小生だけであろうか。