ニュージーランドは日本と同じ地震国。ニュージーランド政府は日本よりいち早く1945年に地震委員会(EQC)を設立し、国民のための住宅・財物に対する国営地震保険をスタートさせた。ニュージーランドで大地震が発生すれば、支払いは海外の再保険、ニュージーランド政府の支払保証によりEQCを通じて保険金が国民へ安心・確実に支払われる仕組みが作られている。
今回のカンタベリー大地震では過去最大の件数、金額が保険金として支払われており、一方、並存する民間の地震保険も同様にオーストラリア民間保険会社は比較的大きな支払いとなり保険会社はダメージを受けた模様だ。
特筆すべきは、日本と違いニュージーランドは地震関連情報がオープンで迅速に公開している。地震発生後、一早く、地震情報・被害情報をホームページに掲載し、また連動して国営地震保険での事故受付情報を掲載している。さらに受付件数を日ごと更新し公開している。日本では考えられないわかりやすいオープンでシンプルな仕組みだ。
一方、日本を見ると、地震情報は気象庁、地震対策は内閣府防災担当や国土交通省、被災者生活再建支援は都道府県の組織、地震保険は民間会社と財務省などバラバラで複雑な体系であり、国民には分かりにくい。以前選挙時に民主党が主張していた一体的な防災省などの組織必要性が組織誕生までには至っていない。非常に残念だ。
日本国民のためにもニュージーランド政府の体制を参考に地震国日本の防災体制を確立してほしい。来る南海トラフ大地震に備え、日本に防災省を設立し、防災計画、減災計画、資金面、住宅、生活補償面の復興計画を防災省に一元化することが、現行の各省庁の既得権益を優先した体系を壊し、効率的なわかり易い防災・減災対策が実施できるのではないだろうか。