新型インフルエンザに対し、政府は国内発生早期と判断する第二段階に突入したことを宣言した。
神戸で起こっているいることが国内全地域へどれくらいのスピードで広まるかを見極めたいところ。
国民、企業ともこれからの生活行動に大きな影を落とすことは間違いない。
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国内感染が初めて確認された新型インフルエンザ。幸いにして今回の新型インフルエンザは弱毒性とされ、猛毒性の鳥インフルエンザのように多数の死者をだす新型インフルエンザではないようである。
これまで各企業では新型インフルエンザのBCMを策定するにあたり、いち早い復興・事業継続を視点にした地震リスク対策とは違い、新型インフルエンザが国内感染した段階から不要不急の事業を停止あるいは事業縮小を考えているところが多かったことであろう。
今回の予想外の弱毒性を受けて、新型インフルエンザ対策シミュレーションの多様性を知り、変更を余儀なくされることであろう。しかし、今回は「幸いにして弱毒性」の出来事であり、「本来の強毒性」に備えた準備は今まで通り必要だ。
地震リスクについても同様のことが言える。これまで震度6弱以上の大地震被害想定では多くの建物が倒壊し、火災が発生するとされてきたが、幸いにして震度6弱程度の地震でも耐震性の低い建物、地盤条件の悪い建物以外での被害や地震による火災の発生は予想よりも少ない結果となっている。この結果を受けて、大地震でも被害は少なくてすみそうとの神話がまん延することが危険だ。
新型インフルエンザ、大地震とこれまで経験したことがない未知のリスクに備え、研究と経験を積み重ねることが精度の高いシミュレーションを作り上げることになるであろう。
将来発生が懸念される大地震に備え、個人、企業、自治体は被害を軽減する対策等のあらゆる措置を講じている。
住宅・事務所の耐震補強や工場移転等のリスク軽減策とリスク回避策はある程度限界があり、完全に大地震リスクを除去することは不可能だが、何よりも経済的損失を抑える効果があり、大震災後の事業継続を可能とする。
リスク軽減策とリスク回避策は大地震発生前の対策、いわゆる防災投資であり、震災後の不利な資金調達手段での再建・復興と比較すると有効な初期投資ではないだろうか。
一方、何時来るかわからない大地震に、いまどれだけの防災投資が必要なのかを判断することは容易ではない。少なくとも地震リスクを定量的に評価することが必要だ。
具体的な評価の方法として、発生する可能性のあるすべての地震を網羅し、その発生確率を算出すること。さらにその地震による予想損失額を求め、予測誤差を調整する手法。それをあらわした曲線がリスクカーブだ。
リスクカーブは縦軸に年超過確率(0.01なら100年に1回以上、1なら1年に1回以上)、横軸に予想損失額(さらに予想される最大損失額(横軸の右端)をPMLという。)で表現される。年超過確率が低いほど大きな損失額、いわゆる低頻度をあらわす。
低頻度の予想最大損失額(PML)が自己資金でカバーできれば大地震対策は万全。そうでなければ、どの損失まで自己資金でカバーできるかを見極め、自己資金でカバーしきれない損失をリスクファイナンスでカバーする等の対策が必要だ。
リスクファイナンスには融資型のコミットメントライン、コンティンジェントデッドや従来型の保険商品(再保険、ファイナイト保険、キャプティブ)、資本市場にリスク移転を求めた証券化商品(CATBOND、保険デリバティブ)、地震時返還債券等の広く選択肢がある。
予想損失額を把握し、リスクファイナンス、防災投資とうまく組合わせることにより万全の防災対策を実施し、公表することによりその企業価値はますます高まることであろう。
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現在、噴火警報を発している火山は8か所。日本は地震国であるとともに火山国でもある。
<気象庁 火山>
http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/volcano.html#leveltable