人形の悦びと苦悩
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また、めれんげさんの詩ですね?デンマンさんは、あたしよりもめれんげさんをずっと、ずっと、もっともっと愛していますわぁ~。
やだなあああ。。。また、そうやってレンゲさんは僻(ひが)むのですかぁ~?
僻んでいませんわ。
だったら、ヤキモチを妬(や)いているのですね?
ちがいますってばあああぁ~。。。最近、デンマンさんは、めれんげさんにこだわりすぎていますわぁ。
だってねぇ。パソコンは不正アクセスされるわぁ~、ヴァイアグラ馬鹿にはエロいスパムコメントを書き殴られるわぁ~。。。とにかく踏んだり蹴られたりで、可哀想ですよゥ~~。
だから、上の詩を持ち出してきたのですか?
ちがいますよ。
だったら、どうして、何度も何度もめれんげさんの詩を持ち出してくるのですか?
めれんげさんの詩を読むとね、レンゲさんの思いが分かって来るような。。。そんな気がするのですよ。
なぜですの?あたしとめれんげさんは全くの別人ですわ。
確かにそうですよ。でもね、レンゲさんもめれんげさんも境界性人格障害を患っている。かなり克服してきたとはいえ、やはり後遺症のようなものを僕は感じますよ。
それで、めれんげさんが書いた上の詩にその後遺症の断片が見えるのですか?
そうですよ。
つまり、あたしも同じような後遺症を持っていると、デンマンさんはおっしゃるのですか?
そうですよ。
どういうところがですの?
自分の世界に閉じこもろうとする傾向がレンゲさんにも、めれんげさんにもありますよ。上の詩では、めれんげさんは自分の世界から外へ出ようとした。そして恋をした。しかし、また自分の世界に舞い戻ってきてしまった。その苦悩が詩からにじみ出てきますよ。レンゲさんも、そう思いませんか?
そうでしょうか?
その悲しみを詠(うた)ったのが、僕が一昨日引用した次の詩ですよ。
感情の窒息死 ![]() 2006/10/17 ああ。可哀そうなあなた。 その背中には血まみれの翼 流せなかった涙は乾くことなく 深海へと溺れていく 静かすぎる雑音は止むことなく あなたの耳をふさいでいる 見ることを拒否する目に 浮かぶ涙の空虚な感情 何物をも受け入れず 何物にも拒絶され その呼吸だけが あなたが人間であることの証し あなたの世界には あなただけが存在する その感情も感覚も あなたには苦痛でしかないのに 生まれてきたことを 否定できないことが あなたの悲劇 by めれんげ 『極 私 的 詩 集』より |
めれんげさんは愛を信じようとして愛を求めて自分の世界から外へでてゆく。でも、いつも現実に失望してしまう。そうやって、また自分の白と黒の世界へ舞い戻ってきてしまう。
あたしもそうだと、デンマンさんはおっしゃるのですか?
そうですよ。レンゲさんはかつて次のような手記を書いていましたよ。
ますます寂しさが つのってくる。 ![]() 2004-09-03 21:39 わたしは拒否なんてしてない。 でも、わたしの世界の中で、 わたしは拒否されている。 悔やまれることばかり。 でも、自分がやらかしたこと。 ごめんなさい。 わたしが迷惑を かけてしまった人。 ごめんなさい。 不思議なことに、 希死念慮はわいてきていない。 それだけが不思議。 というよりは、逃げ道がない。 明日が来ませんように。 by レンゲ 『レンゲさん、早く元気になってね』より ![]() シロとクロの世界 ![]() 2004-09-08 11:45 わたしは精神障害者です。 しかも、誰もが関わりたがらない 境界性人格障害者です。 時に、感情の爆発という 発作も起こります。 愛憎にあやつられる人生です。 わたしの世界には、 シロかクロしかありません。 誰かに愛着をかんじすぎると、 怖いのです。 見捨てられ感、迫害妄想で、 全面的に愛していた人のことを、 全面的に否定してしまうのです。 そのうえ、わたしはある人に対して、 “ほれこむ”ということも、 よくあります。 でも、その場合でも、 相手から見れば全く理不尽な 理由で、ほれこんでいた人のことを、 全否定してしまうのです。 これらは、精神の発達が 未熟であるのはもちろん、 幼少時の体験によって 「見捨てられる恐怖」が、 頭にこびりついていて、 見捨てられる つらさを味わうくらいなら、 こっちから先に、 相手との関係を絶つ、という 逃げの行動なのです。 わたしは、この障害で 苦しんでいます。 わたしに関わったことで、 理不尽な気持ちで去ってゆく “被害者”の方々も、 多いと思います。 治せるものなら治したい。 でも、幼い頃の心の傷が、 真人間になることを、 かたくなに拒み続けます。 二度と傷つきたくないから、 防衛するのです。 この硬い殻を、 どうすればこわせるのか・・・ 治療はうけていますが、 今は目先の“うつ” の治療が主です。 それも、最近容態が悪いようで、 心理テストなどばかり受けています。 長々と書いてしまいましたが、 こんな迷惑な人間も いるのだということを、 書き連ね、より自虐的に、 とことんどんぞこまで 落ち込み、自分への罰と したいとおもいます。 by レンゲ 『未熟者であることに甘えていることがすべての問題を生んでいる』より |
レンゲさんが上の手記で言ってますよね。“わたしは拒否なんてしてない。でも、わたしの世界の中で、わたしは拒否されている”と。。。
ええ、そう書きましたわ。それがどうかしましたか?
僕は、上の手記を読むたびに、この箇所にいつも引っかかるんですよ。
どうしてですか?
つまりね、レンゲさんの世界を知るためには、この部分を理解しなければならないと思うわけですよ。
あたしは、それほど難しいことを書いているとは思いませんけれど。。。
でもね、さらっと読み飛ばせないような、ちょっと矛盾したことを言っていますよ。レンゲさんは拒否していないにもかかわらず、レンゲさんの世界の中でレンゲさんは拒否されていると。。。
そうですわ。あたしはそのように感じていたのです。今でも、実際、そのように感じることは多いのですわ。
でもね、単純に考えれば、レンゲさんは拒否していないのだから、レンゲさんが拒否されることは可笑しいことですよね。
そうでしょうか?
そうですよ。常識的に考えれば、可笑しいでしょう。“わたしは嫌ってなんていない。でも、わたしの世界の中で、わたしは嫌われている”。。。分かりやすく言えばこういうことですよね。
そうなりますか?
なりますよ。このように解釈できますよ。つまり、レンゲさんの世界の中でレンゲさんは嫌われている。要するに、嫌われているのではなく、レンゲさん自身が自分を嫌っているわけですよ。レンゲさんの世界の中で。。。とわざわざ書いているのですからね。。。
デンマンさんは、そのように解釈するのですか?
そうですよ。つきつめれば、レンゲさんだけにしか分からない世界ですよ。そういうことでしょう?僕は何度も何度も読み返して、結局、その下の手記を読んで、なんとなく納得できましたよ。
どういうことですか?