不倫したいわけではありません
Subj: レンゲさんは私の代理として
貴方の様子をお伺いに行きます
Date: 26/02/2006 5:21:32 PM
Pacific Daylight Time
From: naomi112@chan.co.jp
To: barclay1720@aol.com
前略
連絡が遅れて申し訳ありませんでした。
現在、アパレル関連の仕事はそれ程忙しくないのですが、
華道会の展示会などに追われて、ついつい連絡が遅れてしまいました。
レンゲさんが休みを取ってバンクーバーへ行きたいと言ってきたので、
私も貴方のことが気にかかっていた事でもあり、休暇をあげる事にしました。
本来ならば私が行って貴方の身の回りの事などをお世話して、
健康状態などをチェックしなければいけないところですが、
3月の下旬にはアパレル協会の参事会、それに引き続いて
総会、慰労会などがあって、とても2週間も仕事から手を離すわけには参りません。
レンゲさんが留守の間は、店員の美佐子さんに店長代理になってもらう事でその場はしのげそうです。
“にっぱち”の例に漏れず、2月8月はアパレル業界も仕事は暇になる時だけに、
3月中ならば、レンゲさんが抜けてもそれ程の支障は無いと思い、休暇を与えた次第です。
年末年始にはレンゲさんは、ほとんど休まずに働いてくれ
熊谷店は例年に無く業績を伸ばしました。
その感謝の気持ちを込めて、今回の休暇はご褒美のつもりです。
貴方には何の相談も無く私一存で決めてしまった事ですが、
どうかレンゲさんに対しては叱責などなさらないようにお願いいたします。
私の代理として貴方の様子をお伺いに行くのだという事をくれぐれもご理解ください。
勝手なことばかり申し上げました。
末筆ながら、お体を大切になさってください。
レンゲさんとの再会が、貴方にとっても楽しいものであるように祈っております。
早々
直美
デンマンさん。。。、分かっていただけたでしょうか?あたしはちゃんと奥様に許可をもらっているのですわ。
うん、うん、うん。。。事情が事情だからね。。。僕がここでカッカァして喚(わめ)いたところでどうにもならないでしょう。レンゲさんもすっかりその気になっているのですからね。。。
では、あたしを受け入れてくださるのですね?
ん?受け入れる。。。?
そうですわ。デンマンさんと2週間、一つ屋根の下で過ごすのですわ。
ちょっと待ってくださいよ。。。そういう事は上のメールには書いてありませんよ。
書かなくても当然分かる事だから書いてないのですわ。奥様ははっきりと書いていますわ。“私の代理として貴方の様子をお伺いに行くのだという事をくれぐれもご理解ください”と。。。
うん、うん、うん。。。確かに、そう書いてありますよ。でもね、だからといって僕とレンゲさんが一つ屋根の下で一緒に過ごすという事を直美が認めているわけではないのですよ。
認めていますわ。だって。。。だって。。。あたしは奥様の代理としてデンマンさんのご様子をお伺いに行くのですよ。一つ屋根の下で過ごさない限りデンマンさんの様子は分かりませんわ。それに、奥様はこうも書いていますわ。“本来ならば私が行って貴方の身の回りの事などをお世話して、健康状態などをチェックしなければいけないところですが。。。” このように書いてありますわ。
確かに、そう書いてありますよ。でも、レンゲさんは僕の食事の世話から、掃除洗濯までして、それから僕の健康状態をチェックする。。。まさか、それを全部やるつもりではないでしょうね?
だって、奥様の代理とはっきりと書いてありますわ。
ちょっと待ってくださいよ。いくら“代理”と書いてあるからって、“代理妻”という意味ではないのですよ。
では、あたしは一体どなたの代理なんですの?
だから、社交辞令ですよ。
社交辞令。。。?一体どういう事ですか?
とぼけないで下さいよ。聡明なレンゲさんが知らないわけが無いでしょう?日本で暮らしている人ならば、社交辞令と聞いてすぐに納得出来ますよ。つまり、直美が“私の代理ですから”と書けば、僕を説得しやすいから書いたまでの事ですよ。一存で決めたのも、わざと僕に相談しないで決めたのですよ。
どうしてですか?
相談すれば、僕に断られると思ったからですよ。
でも、奥様が断られたからって、何も奥様が心配するほどのことではないですわ。
直美がもし僕から断られると、直美はレンゲさんからかんぐられることが心配なわけですよ。
どうしてですか?
僕とレンゲさんはすでに、これまでにも3度ほど一緒に暮らした事がある。だから、僕が断る事は無いだろうとレンゲさんは思って居る。それで、今回もレンゲさんは僕に前もって相談も無く直美から休暇をもらう事だけを大きな目標としたわけですよね。つまり、レンゲさんの“野心”ですよ。こうと決めたら目的を達成するために異常なほどの努力をする。僕を説得する事はたやすい。でも、直美から休暇をもらう事は大変だと考えたわけですよ。
それで、奥様がかんぐられるとはどういう事ですか?
だから、もし直美が“ごめんなさいね、うちの人がイヤだと言ったのよ”と言えば、僕が断ったのではなく、僕とレンゲさんが不倫するのではないかと直美が心配して、僕にそう言わせたのだとレンゲさんがかんぐってしまうわけですよ。それが直美には京女として耐えられない。
それは、デンマンさんの考えすぎですわ。
決して考えすぎではありません。僕は直美の心をレンゲさん以上に良く知っていますからね。直美は京女の心意気として、そのように思われる事が死んでもイヤな女ですよ。とにかく20年以上の付き合いですからね。僕には、直美の考える事が手に取るように分かりますよ。
分かりましたわ。でも、どうしてそんな手の込んだ事までしてあたしに休暇を下さったのですか?
レンゲさんに辞められては困るからですよ。レンゲさんは現在、平均的な店長二人分の売り上げを上げているのですよ。レンゲさんが辞めては会社の売り上げに大きな穴が開いてしまう。分かるでしょう?。。。僕の言おうとしている事が。。。
つまり、会社の業績を保つために、嫌々ながらあたしに休暇をくださった、と言う事ですか?
そう言ってしまっては身も蓋(ふた)もないですよ。直美は損得尽(そんとくづ)くめだけで考えているわけではありません。レンゲさんを人間的にも評価していますよ。だから、会社のためばかりではなく、直美は知己(ちき)としてのレンゲさんを失いたくないという気持ちもありますよ。
つまり、休暇がもらえなかったら、会社を辞めてでもあたしはデンマンさんに会いに行くと奥様は思って居るわけですの?
そうですよ。僕のブログをほとんど読んでいるし、個人的にもレンゲさんの事は良く知っている。
投稿日時: 2004-9-8 16:55
レンゲなら、こういう下着で
勝負しますよ
ずばり!Dを選びます!
意外ですか?思ったとおりですか?
それはそうと、上記の会話には
なかなかリアリティがあると思いました。
かわす言葉もそうですが、
わたしは、寂しがりやのくせに、
束縛やしがらみを
死ぬほど嫌っています。
一匹狼ですよね?
野心家というのも、大当たりです。
ひとたび、野心が芽生えたら、
自分を満足させるために、
異常なほどの努力をします。
なので、これまでの
仕事上での評価は、
おおむね高かったと、感じています。
今は、何もかもが過ぎ去って、
廃人のような生活をしていますが。
結局何事においても、
極端から極端へ走ってしまうんです。
グレーゾーンのない人間なのです。
by レンゲ
『不倫の苦悩にもめげずに頑張ろうとしているレンゲさん』より
つまり、レンゲさんの、このような極端な性格も直美は良く知っている。だからこそ、直美はレンゲさんをブティック・フェニックスの熊谷店の店長に抜擢したんですよ。
デンマンさんが推薦したからでしょう?
僕は口を聞いただけで、実際の決定権は直美にありますからね。レンゲさんの経歴だとか性格をじっくり考えた末で直美はレンゲさんを採用したんですよ。
そうだったのですか?
実際、直美の判断は正しかったわけですよ。レンゲさんは半年もたたないうちに他の店長をごぼう抜きにして15店中でトップの売り上げを出した。
それ以来、レンゲさんはトップの座を保ち続けている。だから、直美としてもレンゲさんを失いたくないわけですよ。
そのために、今回もあたしがバンクーバーに行く事を許してくださったのですか?
そうですよ。でもね、“代理”と言ったのはあくまでも僕を説得するために使ったまでで、けっして“代理妻”としてレンゲさんを送り出すつもりではありませんよ。
そうでしょうか?
そうでしょうかって。。。常識で考えてみてくださいよ。どこの世界に、不倫するかもしれない女を夫の元に送り込む妻がいますか?
居ますわ。
まさかァ~~?
まさかって。。。デンマンさんが話してくださったのですわ。
僕がそのような事を話しましたか?
話しましたわ。阿部定さんのことですわよ。デンマンさんは次のような話をあたしに聞かせてくれたのですわ。