パレートの法則(PART 1)
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デンマンさん。。。 どういうわけで急に パレートの法則を持ち出してきたのですか?
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実は、バンクーバー市立図書館で借りていた本を読んでいたら次の箇所に出くわしたのですよ。。。
重要なデータを表示しない
政府統計の検索エンジン
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「政府統計の総合窓口(e-Stat)」というウェブサイトがあります。
ここは、日本の全府省が作成・公表している統計データを一つにまとめて提供する窓口です。
ところが、このサイトは、「2:8法則(パレートの法則)」をまったく無視した構造になっています。
たとえば、日本の総人口を調べたいとしましょう。
キーワードを「人口」として検索すると、表示される統計の1番目は、「国家公務員死因調査」です。
そして2番目は、「退職公務員生活状況調査」、
3番目は「情報化社会と青少年に関する調査」です。
キーワードで「人口」と入力した人の大部分は、日本の総人口を知りたいのでしょう。
しかし、そうした要請には応えてくれません。
昔の検索エンジンは、どれもこのようなものでした。
入力したキーワードとは直接関係なさそうなサイトが、多数表示されるのです。(略)
しかし、それは、1990年代のことです。
私が「これではインターネットは使えない!」と嘆いた直後に、グーグルの革命的な検索エンジンが登場し、多くの人が見出したいサイトをトップに表示してくれるようになりました。
政府統計の総合窓口は、いまだにグーグル以前の状態です。
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(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
59-60ページ 『「超」集中法』
著者: 野口悠紀雄
2015年9月20日 第1刷発行
発行所: 株式会社講談社
でも、上の小文には「パレートの法則」の説明がありませんわねぇ~?
もちろん、本の他の箇所で説明しているのですよ。。。 ウィキペディアにも簡潔な説明があるので読んでください。。。
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パレートの法則
パレートの法則(パレートのほうそく)は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則(べきじょうそく)。
経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。
80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれる。
概要
パレートの法則は、働きアリの法則と同じ意味合いで使用されることが多く、組織全体の2割程の要人が大部分の利益をもたらしており、そしてその2割の要人が間引かれると、残り8割の中の2割がまた大部分の利益をもたらすようになるというものである。
経済以外にも自然現象や社会現象など、さまざまな事例に当て嵌められることが多い。
ただし、パレートの法則の多くは、法則と言うよりもいわゆる経験則の類である。
自然現象や社会現象は決して平均的ではなく、ばらつきや偏りが存在し、それを集約すると一部が全体に大きな影響を持っていることが多い、というごく当たり前の現象をパレートの法則の名を借りて補強している場合が少なくない。
例
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現代でよくパレートの法則が用いられる事象ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している。
よって売上を伸ばすには顧客全員を対象としたサービスを行うよりも、2割の顧客に的を絞ったサービスを行う方が効率的である。
商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している。→ロングテール
売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している。
仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している。
故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある。
住民税の8割は、全住民のうち2割の富裕層が担っている。
プログラムの処理にかかる時間の80%はコード全体の20%の部分が占める。
全体の20%が優れた設計ならば実用上80%の状況で優れた能力を発揮する。
出典: 「パレートの法則」
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
なるほどォ~。。。 つまり、本の著者は「政府統計の総合窓口(e-Stat)」というウェブサイトで「人口」と入れて検索したら、80%のネット市民は日本の総人口を知りたいと思っているのだろうから、検索結果の上位に日本の総人口が表示されるようにすべきだと言っているのですわねぇ~。。。
でもねぇ~、それは上の本の著者の個人的な意見ですよ。。。 なぜなら、僕は たまたまそのように検索したら、次のような検索結果をゲットした。
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■『実際のページ』
確かに、検索してみると著者が言うように「国家公務員死因調査」が出てくる。。。
それで、デンマンさんもムカついたのですか?
いや。。。 ムカつきませんでした。。。
どうして、ムカつかなかったのですか?
たまたま僕が書いている記事に都合のいいデータが「棚ボタ」で出てきたと思い、赤枠で囲んだ箇所をクリックして2017年の「国家公務員死因調査」の表を次の記事で使ったのですよ。。。
政府と役人と嘘
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森友改ざん職員自殺「労災」
財務省認定、心身とも「過重な公務」
2019年8月8日 朝刊
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学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、決裁文書改ざんを強要されたとのメモを残して昨年三月に自殺した近畿財務局の男性職員=当時(54)=について、近畿財務局が公務員の労災に当たる「公務災害」と認定していたことが、政府関係者への取材で分かった。
認定は昨年冬。肉体、精神面での過重な公務との因果関係があったと判断したとみられる。
財務省は調査報告書で、文書改ざんは当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)元国税庁長官(61)が方向付け、本省が財務局に指示したと明記していた。
今回の認定は本省幹部が遺族を訪ねて報告、謝罪したといい、不正を再び起こさない取り組みが問われる。
財務省理財局は、国有地の大幅な値引きが報道で知れ渡った後の2017年2月下旬~4月、近畿財務局に指示し、決裁文書から安倍昭恵首相夫人に関する記述や政治家秘書らの働き掛けを示す部分を削除した。
この時期に男性職員は担当の管財部に所属していた。
毎月百時間に及ぶ残業実態を親族に漏らしていたとされ、2017年夏ごろから体調を崩し休職。
改ざんが発覚した直後の2018年3月7日、神戸市の自宅で自ら命を絶った。
『中日新聞 ウェブニュース』より
上役からのそれとないプレッシャーを感じて、どうしようもなくなって自殺しているのですよ。。。
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政府の高官、つまり、局長や長官が嘘をつくと その下の役人がプレッシャーを感じて、責任を追わされる感じで自殺するのですよ。。。 そういう構造が日本政府にはできている!
悪しき慣習が出来上がってしまっているのねぇ~。。。
そういうことですよ。。。 財務省の自殺した役人を含めて、国家公務員がどれぐらい自殺していると思いますか?
そうねぇ~。。。 1年間に 5人ぐらいじゃないのォ~?
もっと多いのですよ。。。 次の統計を見てください。。。
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■『実際のページ』
 
2017年の最新の統計で、国家公務員の災害死と自殺者が 49人。。。 死亡率で17.8%。。。 普通の国民の死亡率が 18.6%だから、災害死を含めた自殺者は、国家公務員も普通の国民もほぼ変わらないのですよ。。。
。。。ということは、悩んでいる人は普通の人にも、国家公務員にも同じような割合で存在しているということねぇ~。。。
そうなのです。。。 国家公務員といえば、一応エリートと思われているけれど、真面目で、誠実な正直者ほど、プレッシャーを感じ、責任を感じて自殺してしまう。。。
つまり、真面目で、誠実な正直者ほど馬鹿を見る世の中なのねぇ~。。。
そういうことです。。。 悪者たちは、そういう人たちを踏み台にして、のさばって生きているのですよ。。。
『政府と役人と嘘』より
(2019年9月1日)
もちろん、人口を調べるつもりだったのだけれど、たまたま「国家公務員死因調査」の表が出てきたので、記事の参考資料に使えると思って書き加えたのですよ。。。
つまり、上の表を見たのは想定外だったのですねぇ~。。。
そういうことですよ。。。 で、人口を調べるために「日本の総人口」を入れてみたのです。。。 その結果を見てください。。。
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■『拡大する』
■『実際のページ』
あらっ。。。 「日本の総人口」を入れて検索したのに、日本政府の総人口を示すデータが無いという結果ですねぇ~。。。
つまり、このサイトを構築した技官に能力が欠如しているので、こういうお粗末なシステムを構築してしまったのですよ。。。 仕方が無いのでGOOGLEで「日本の総人口」と入れて検索してみました。
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■『現時点での検索結果』
あらっ。。。 ちゃんと2017年現在の日本の総人口が出てますねぇ~。。。
当然ですよ! それに緑の枠で囲んだ箇所に注目してください。。。 総務省統計局でちゃんと記録を取ってあるのですよ。。。 クリックすると次のデータが表示されます。。。
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■『拡大する』
■『実際のページ』
つまり、総務省統計局でちゃんと記録が取ってあるにもかかわらず、「政府統計の総合窓口(e-Stat)」のウェブサイトでは、このデータが含まれてないのですねぇ~。。。
そういうことになります。。。 つまり、政府の人材にも パレートの法則 が当てはまるのですよ。。。
どういうことですか?
要するに、重要な部署には20%の優秀な人材が配置されているわけです。。。 「政府統計の総合窓口(e-Stat)」を担当している人物は残りの80%の優秀でない人材なのですよ。。。 だから、こういう基本的な総務省統計局のデータを見落としてサイトに含めてない。
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(すぐ下のページへ続く)
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