チャプター5 東横インのインは、INではなくてINNでNがひとつ多いのね~遠征先のホテル選び~
ハロプロコンサート遠征をする場合、遠征先での宿泊場所の確保が大事。目の見えないわたしにとって、宿泊先を探すことが大変。コンサート会場よりも宿泊先ホテルを見つけるのが大変。コンサート会場は、いろいろなブログを検索すると、こうやって行きますよ、最寄り駅はここですよ、バスで行ったほうがいいですよとか情報はたくさん。
でも、ホテルとなると、なかなかそういう行き方ををくわしく書いたブログなどはすくない。いちから、ホテルを探すのは大変。目の見えない私にとってはとっても大変。いいホテルを見つけたとしても、そのホテルにひとりで行くのはもっと大変。
まだわたしの目が見えていた高校生のころ。大学受験のためにひとりで、大阪のホテルに泊まったことがある。受験日の前日に田舎から大阪にでてきて大阪一番の繁華街梅田のホテルで宿泊。
当時、私の目は、視力は1.2ほどあり、視野狭窄もさほど進行していなかった。ただ、夜盲が進行していて、夕方薄暗くなるともうお手上げ。駅からそれほど遠くないのに、変な路地に入ってしまって、そこをぐるぐる歩き回るわたし。夕方ぐらいの明るさでも、私の目ではもう真っ暗と感じる。見えない。
夕方から夜へ、あたりが暗くなっていくと、どんどんホテルを見つけることができなくなっていく私。
もちろん通行人のひとにホテルの場所を聞くのだけども、その道案内が私にはなかなか理解できない。目が見えている人は、何かのランドマークを指差して、あそこの建物をの裏側ですと教えてくれるも、そのランドマークとなる建物がわたしには見えない。ありがとうございましたと一応言って別れるも、またしばらく歩いて人に尋ねる。あたりが暗くなるともう、お手上げ、人に道を聞いても、もうわからない。そして、梅田にはたくさんホテルがあって、通行人の人はそのホテルを知らないことも多い。
だんだん、さらに暗くなってきて、しかもビルの路地に入ってしまったようで、人もいなくなる。不安になる田舎者の高校三年性男子。当時は携帯電話もないし、誰かに助けを呼ぶことも難しい。オフィスビルの裏側のごみ捨て場が置いてあるような路地に迷い込む。
あたりはもうすっかりまっくら。不安に襲われるわたし。自分が今どこにいるのかもわからなくなる。公衆電話を見つけて、警察に相談しようにも、その公衆電話も見つからない。路地にはいりこんだせいで、コンビニも見当たらない。遠くのほうで聞こえる、車が走る音。大通りにまずは出よう。そこで、また人に聞こう。
大通りに出ようと、夜盲の目で一生懸命、該当の灯りをたよえりに、ゆっくり歩く私。ふと、前方を見ると、青白く輝く大きな看板。その看板が、まさかの、私の宿泊するホテルの看板。
助かった。1時間以上ぐるぐるさまよっていた私。ようやく見つけることができた。あたりがすっかり真っ暗になったおかげで、私の目指すべきホテルの看板に灯りがともって、夜盲の私の目でも見つけることができた。薄暗い夕方だと、見つけられなかったホテルの看板なのに、真っ暗になって見つけられた。不思議。見えなくなって見えるものもあるのね。
受験生のわたしが、はじめてのホテルをさがす時にいちばん大事なのは明るいこと。白く輝くホテルの看板がさまよい続けるわたしを導いてくれた。
ホテルに到着して、きれいな大理石みたいな床、フロントがあり、その右側奥にエレベータが何台もある。当時の、田舎の高校生が大学受験のために、ホテルをさがすには、田舎町の小さな旅行代理店にお願いしないといけない。その代理店のお姉さんのいう宇賀ママにホテルを予約する。えきから近いことが優先されて、値段のことなど気にしない。1泊15000えんぐらいのシティホテル。レストランが1階にあって、落ち着いたホテル。
部屋の鍵をもらって、エレベーターで上にあがろうとするわたし。エレベーターのボタンをおそうとするその時、ガシャガシャガッシャーーんと大きなおとがエレベーターホール、フロントに響き渡る。エレベーターボタンの前におかれていた、灰皿スタンド。直径30センチ、高さ1メートルぐらいの鉄製の円柱の灰皿スタンド。いまでは考えられないけども、いたるところにこういった灰皿スタンドが置いてあた
その灰皿スタンドを蹴飛ばして、中身をぶちまけるわたし。その灰皿スタンドのなかには、たばこの火を消すために、水が入ったさらが組み込まれている。それも全部まきちらすわたし。
シティホテルは、おしゃれで、エントランス、フロント、エレベーターホールもなぜか薄暗い。そして、わたしの目の視野は、したのほうから掛けていた。そのため、灰皿スタンドに気づかず、蹴飛ばしたわたし。
まだ、目が見えていたころのわたしでも、こんなにホテルを見つけるのは大変。目が見えなくなったわたしにとっては、さらに大変な遠征先ホテル探し。
目が見えなくなったわたしにとって、ホテル選びのポイントは、駅やバス停から近いこと、そして、安いこと。ただ、安いといってもカプセルホテルのようなところは選ばない。視覚障害者のわたしにとって、カプセルホテルは持ち物の管理が難しく、また他の人の生活音とかが気になる。まだ目が見えていたころ、カプセルホテルに何度かとまったけど、となりのカプゼルでものをたべている音が聞こえたり、いびきとかがよく聞こえてくる。
近くて、安くて、個室であること、これがわたしの遠征先ホテルの必須ポイント。そして、遠征の荷物を減らすためには、下着や服をこまめに洗濯するひつようがる。特に数泊連泊するときは、この3つのホテル選びのポイントに加えて、コインランドリーが使えること。
この4つの条件を満たすのが、東横イン(トウヨコイン)。全国にたくさんあるホテルチェーンの東横イン。
1泊料金は、5000えんから8000えんぐらい。ほとんどの東横インは駅から近い。そしてもちろんシングル個室がたくさんある。ホテルのなかにはシングルがないホテルもあるのね。ツインかダブルしかないホテルは遠征には向かないね。
そして、東横インには、コインランドリーは必ずあり、さらにうれしいことに、朝食無料バイキングもついている。10泊とまると1泊無料宿泊券がもらえるのもうれしいね。あとそうそう、ツインの部屋でも、シングルで宿泊する場合は、ツインを2人で宿泊するよりお値段が安いのもいいね。実に遠征向きなホテル。それが東横イン。ちなみに、このインとは、辞書で引くと、田舎にある小さな旅館という意味なのね。
以下、全盲、視覚障害者にとっての東横インのよいポイントを述べていきたい。
全盲視覚障害者にとっての東横イン(トウヨコイン)の好きなポイント合計4つ。
その1
東横インの公式ホームページからの予約が簡単
最近は昔と違って、旅行代理店でホテルを予約することはほとんどない。今は、ネット予約が主流。ホテル予約サイトはいろいろあるけども、東横インの公式ホーmジュページが一番、視覚障害者にとって使いやすい。全盲の視覚障害者は、パソコンやスマホの画面をアプリでよみみあげさせて、そして何月何日、どこどこのホテルに空室があるか調べてネットで予約する。
他の予約サイトだと、いろいろな宿泊プランがたくさん羅列されていたり、いろいろな情報がどばーっと予約ページに表示されてしまって、視覚障害者はなかなか、希望の部屋タイプなどを見つけられない。
その点、東横インの公式ホームページの予約サイトは、とってもシンプル。実際目が見ている人が見てどうなのかはわからないけども、視覚障害者から見るととってもシンプル、必要な情報しかない。宿泊のしたい都道府県から、その都道府県にある東横インホテルを選んで、何月何日何泊とまりたいと入力する。この入力ができないホテル予約サイトもある。この入力も2020/12/01というふうに日にちを直接入力できるのもいいね。ほかのホテルネット予約だと、カレンダーがべろーーんと表示されて、3か月ぐらいの日にちの中から希望する日を探し出さないといけない。この100以上ある日から選ぶのは視覚障害者はとっても大変。その点東横インは日付の直接入力ができるのがいいね。
シングルの部屋、禁煙の部屋も簡単に選べる。そして空室があれば、そこから予約できる。
クレジットカード支払い、チェックイン予定時間の入力などすべて視覚障害者一人でできる。うれしいのは、キャンセルも簡単にできて、予約一覧画面から、宿泊ホテルを選んで、キャンセルすればよい
とってもシンプル。
ハロプロ遠征先のホテルを予約するには、ハロプロのコンサート日程が発表されてすぐに予約することが必要。視覚障害者はこういった早い者勝ちはとっても苦手、ネットでの予約だとどうしても時間がかかってしまう。でも東横インの予約はとっても簡単なので、全盲視覚障害者でもいち早く予約できる。そこがうれしいね。
あそうそう、東横インの会員(無料)になれば、一般だと3か月前からしか予約ができないけど、会員になるとなんと6か月前から予約できる。これもありがたいね。
ひとつ、東横インの公式ホームページの予約画面で改善してもらいたい点を言うと。空室のありなし。空室があまだあるときは、その日付は丸とかよみあげてくえるけど、空室なしのときは、この表示がなく、空室かどうかわからない。いうなれば、視覚障害者にとっては、空室のある日だけしか表示されないように見える。ぜひ、空室がない日にはバツ印をいれてほしいね。
その2
部屋のレイアウトが同じ
視覚障害者がはじめてのホテルで困るのは、部屋のレイアウト、部屋を入ってどこにカードキーを差し込めばいいのか。どこにハンガーがあって、どこに窓があるのか、どこにコンセントがあるのか、っどこにスイッチがあるのか。それがわからない。でも東横インはどこの東横インもほぼ同じ設備とほぼ同じレイアウト。
どこに、メッシュのスリッパがあるのか、それは入口はいって、何歩か歩いた壁の側面、足元のところにひっかけてある。このメッシュスリッパいいのよね。シャワーをあびたあとでも、スリッパがべちゃべちゃぬるぬるにならないんだよな。ぜひこのメッシュスリッパ売ってほしいくらい。
どこに、机があるのか、それは必ず、ベッドと並行な壁側にある。この机もとっても幅広で、タブレットPCとかおいてキーボードもおいてしっかりブログもかける。ホテルによってはこの机がないあるいはちっちゃい直径20センチぐらいのちっちゃい机しかないところもある。コンセントはその机の壁側にかならず2個はある。そして、机の天板の下には必ず引き出しあるいは引き出しではない場合は物入スペースがあるここに財布とかメガネとかまとめて入れておけるのもいいね。
トイレはユニットバスだけども、必ずウォシュレットがついている。全盲視覚障害者は、自分でちゃんと代弁をふきとれたか、トイレットペーパーを見て確認できない。どうしても、ウォシュレットが必要。精神衛生上必要。
フェイスタオルとバスタオルは、そのトイレの便座のすぐよこの壁の天井のところの棚にかけてある。
そして、視覚障害者がホテルで一番こまるのは、ボディソープとシャンプー、こんでぃしょなーの判別。同じようなボトルに入っていてどれがどれだかわからない。ただ、東横インにはこのボトルの法則がある。
ユニットバスのバスタブのシャワーフックの下にの壁に3つのボトルが壁にくっつけられている。3つのボトル。手触りではどれがどれだかわからない。だけど、私にはわかる。ボディソープと、シャンプー、コンディショナーの3つの区別のしかた。
まず、ボディソープ。これは、実はハンドソープの役目も果たしている。ということで、このボディソープのすぐ隣が洗面台になっている。これは法則。洗面台で手を洗う時に、すぐ隣にハンドソープのかわりにもなるボディソープのボトルが必ずある。洗面台とボディソープはワンセットと覚えておけばよい。
そして、そのボディソープの隣、3つある真ん中のボトルはコンディショナー、そして一番反対側がシャンプーと決まっている。基準はボディソープ。この並びは、私の自宅でも同じ並びにしている。コンディショナーはないので、ボデイソープとシャンプーは東横インの法則にしたがって並べている。この気息性はとっても視覚障害者にとってありがたいね。
なお、ほかのホテルだと、私はシャンプーに輪ゴムをくくりつけたりもしていたけど、シャンプとボディソープを私は、左がボディソープ、右がシャンプーと決めているので、、その並びに置き換えることが多いね。
設備でうれしいのは、ハンガーが3つあること、これも便利。
もちろん、部屋では無料のWi-Fiファイファイも使えるのもうれしいね。
それと、これは共同利用だけども、フロントの横らへんに、必ずコインランドリーがあるのもいいね。コインランドリーは早朝はすいていて、フロントのスタッフも手がすいているので、その時間帯に一緒に、コインランドリーの操作方法をおしえてもらう。ついでに乾燥機の使い方、どこにコインをいれるか、100円で何分かおしえてもらう。不思議なことに、東横インに破格ホテルによって100円10分のところもあれば、100円30分のところもある。これが不思議。
ひとつ改善点というか視覚障害者にとっては必要のないものについて言うと、あの机の3分の1以上をしめている大型液晶テレビはいらないね。あれがなかったらもっと机の上を有効活用できる。私は東横インにとまって一度もあの大型テレビで番組を見たことはない。
あと法則といえば、カーテン。東横インの客室にはいると、その客室の窓のカーテンは必ず開いている。正確には、レースのぺらぺらのカーテンだけで窓を隠している。これが視覚障害者は気になる。向こうのビルから私の部屋はまる見えじゃないの?レースのカーテンって丸見えじゃないの?目の見える人なら、このレースカーテンなら、まぶしい朝の太陽の光がレースカーテンごしに差し込んでくるのだろうけど、全盲の私にはそのまぶしい光はとどかない。私は必ず、レースのカーテンだけでなく、遮光カーテンも必ずきっちり閉める。これ大事。
その3
無料朝食バイキング
東横インは、1泊5000円から8000絵円ぐらいの宿泊料の中に、無料朝食バイキングもふくまれている。これが結構おいしいね。昔、私がまだ弱視だったころ、このバイキングといううものは苦手、というかさけてきた。目が悪いと、一人で皿をもって、、料理を取り分けて、そして自分のテーブルにもどって食べる。この動作ができない。人ごみの中をかきわけて、あるいは、人ごみの流れにしたがって、料理を順番にとっていくことができない。視野狭窄の弱視のころは、ホテルにとまってもこのバイキングは利用しなかった私。ホテルやほかのお客に迷惑をかける可能性大だな、お皿をひっくりかえす可能性大だな。やめとこう。
こういった、列にならんで、すこしずつ進むということができない。マクドナルドも大好きだったけど、レジ前の列に並べなくなって、、前の並んでいる客に突進することとかあって、それ以来、列ならびから逃げていた私。当然、東横インの朝食バイキングも回避。実にもったいないね。
でもある日、私がまだ弱視だったころ、全盲の人に手引きされて、京都河原町駅の改札を捜し歩いたことがあった。普通なら弱視の私が、道案内すべきだけども、その全盲の人がここはまかせてくださいと言うので、私がその人の両肩をうしろからもって、電車でゴーの形でついていく。
改札のほうまで、点字ブロックにしたがってあるく。そして改札の音が聞こえてきたら、すいませーんと大きな声で、でもやさしい声で、駅員さんにお願いする。駅員さんからは遠くて、別の通行人がその声にはんのうしてくれた。その通行人の人にお願いして、駅員さんのいる改札までつれていってもらった私たち。
そうか、お願いすればいいんだ。声をあげればいいんだと、はじめて知った私。これはコペルニクス的大転換だった。そして無事電車にのれた後、マクドナルドの列にならぶことができなくなったので、もうマクドナルドはずいぶん行ってませんというと、そんなとき私は、入口入ったら、すこし大きな声で、レジのほうにむかって、すいませーん。視覚障害者なんですけども、レジあいてますか?と私は言っていますよ。ひとりでよくマクド行きますよとの答え。
そうか、お願いすればいいのね声をあげればいいのね。。このお願いすることを知ってから、私は、東横インの朝食バイキングもお願いすることにした。チェックインの時に、フロントスタッフに明日バイキングたべたいんです。バイキング開始時間すこし前にきますので、配膳をおねがいしたいのですとお願いすると。
わかりました、朝食担当者は別なので、そのスタッフに伝えておきますとすんなり答えてくれる。
翌朝、浅井一番、7時からのバイキングスタート。私は10分ぐらい前に行って、テーブル席に案内してもらってそこで待つことにしている。そして7時になると、朝食スタッフが私のために、おかずをとりわけて、あったかいごはん、あったかい味噌汁、そして、オレンジジュースかホットコーヒーをもってきてくれる。
私は、全種類のおかずをちょっとずつたべたいです。サラダにはドレッシングはいりません。ウインナーは大目にしてくださいとおお願いする。
うれしいね。ごはんをおかわりしたいときも、ハロプロコンサートで推しメンの名前をコンサート会場で大声で叫ぶときの10分の1ぐらいの声で、ごはんおかわりおねがいしまーすというと、はーいと声がかえってくる。うれしいね。
東横インの朝食バイキングがうれしいのは、そのご当地の食材がすこしでてくる。福岡なら辛子明太子がでてくる、山梨だとほうとう味噌汁がでてくる。特に福岡の博多の辛子明太子はほんとおいしいね。ごはん3杯ぐらい食べれるね。
たった一言、すいません!私は視覚障害者なので、バイキングを取り分けてもらえませんか?たったその一言が言えるかどうか、たったこの一言で、あつあつのお味噌汁、あったかいごはん、そして、ぴりからの辛子明太子がいくらでも食べらられる。どうして、たった一言が私には言えなかったのか、今ではとっても不思議。全盲でも、弱視でも、スタッフからみれば、同じ目の悪い人、弱視のころのほうが、動きや歩き方が不自然なのにね。弱視だと、私が目が悪いってことは見破られてないって視覚障害者本人は思っているけど、思いたいけど、十分、動きがおかしいですからね。おなじ変なら、お願いしないのは損なのにね。
その4
点字ブロックと点字シール
東横インを私がはじめて知ったのはずいぶん昔のニュース。まだ私が東横インを使ったことも、名前も聞いたことがなかったころ。ニュースで、東横インの社長が謝罪会見をしていて、その記者会見の態度が横柄だといろいろたたかれていたような記憶。たしか、バリアフリー客室を勝手に改造して駐車場とかに転用していたということだった。
そのことがあってからか、、東横インは視覚障害者にとってやさしい。まずホテルの入口まで、歩道から点字ブロックがのびている。正確には、歩道の上は東横インは勝手に点字ブロックを敷設できないので、歩道と東横インの敷地のその敷地部分から点字ブロックがホテル入口まで敷設されている。これはうれしいね。ホテルの入口ってなぜか奥まったところにあったり、間口が小さかったりする。そんなときにこの点字ブロックを見つけるとうれしくなるね。
あと、エレベーターのボタンの点字シールと音声案内。東横インはだいたいひとつのホテルに2基のエレベーターがある。そのどちらかは、必ず音声案内があって階数ボタンには点字シールがはりつけてある。これがほんとありがたい。
よく、目の見える人は、点字をボタンにつけとけば、それで十分だろうと思うけどそうではない。点字がボタンにうってあっても、フロアに到着して、エレベーターの扉が開いて、はたしてそこが私の部屋がある12階だとはかぎらない。その途中に、人がのってくるかもしれないし、だれものってこなくても、エレベーターが私の部屋のフロアにとまったとは限らない。必ず音声案内が必要。12階に到着しました。扉が開きます。この音声案内があるのがうれしい。
改善点を言うと、点字をうってほしいところが2つある。まずは部屋番号の数字をぜひ、ドアにうってほしいね。たしか、数字についていえば、おそらく点字は、数字は全世界共通、すくなくとも、日本語と英語の数字は点字でも共通。ぜひ、ドアの表面に、1201とドアノブのすこし上ぐらいのところにうってほしいね。
あとは、ワイファイのパスワード。客室内で使える無料ワイファイのパスワードの数字8ケタをぜひ、客室のあのでっかい液晶テレビのどこかはしっこにでも貼り付けてほしいね。目の見える人は、まず東横インの部屋にはいると、この液晶テレビの電源をオンにして、そこに表示される、この部屋のワイファイパスワードを見て、自分のスマホに登録する。この2つの数字をぜひ点字でうってほしいね。そうすれば、私はフロントスタッフに部屋まで案内してもらわないですむ。本来東横インは客を客室までは案しないことになっている。それは、東横インのスタッフのほとんどが女性であり、また数少ないスタッフで客対応をしているため。ぜひ点字をうってほしいね。
と言いつつ、点字がなくても、だれか私の目のかわりになってくれて、ドアの数字と、パスワードを読み上げてくれればいい。そんな便利な無料アプリもすでにある。私の目になって!!。BE MY EYES(ビーマイアイズ)というアプリ。全世界の見ず知らずのボランティアさんにスマホを通じて私のスマホが見ている映像を読み上げてもらえるアプリ。そんなボランティアさんと視覚障害者を結び付けてくれる無料アプリがある。これを使えば、東横インのスタッフに一切手助けを借りることなく宿泊できるね。だれかのひとりに大きな負担をかけるより、たくさんの人にちょっとずつわずか数分間、私の目になってもらうほうが負担が少ないね。ビーマイアイズを知っていれば、あの時、あの名古屋の東横インで、私は意地を張る必要はなかったのにね。
こちらでは、お客様をお部屋まで案内するサービスは行っておりません。申し訳ございません。お客様は目が不自由なのですね。うーーん・・・。では、仕方ありません。今回だけですよ。特別ですよ。少々そこでお待ちください。
私は、このフロントスタッフの言葉に、どうして、傷ついて、くゃしくて、腹を立ててしまったのだろう。視覚障害者って実に繊細。大の大人でも、生まれたての泣いている赤子のように、泣きじゃくって、フロント前でヤダヤダヤダーって言えたらどんなによかっただろう?
視覚障害者って繊細 ありがたい感謝の気持ちを忘れちゃいけない。 - 獲得された絶望感2019年10月28日はこちら
東横インに何回泊まっただろう何回キスしただろう - 獲得された絶望感2019年5月19日はこちら
モーニング娘。 『みかん』 (MV)
ハロプロコンサート遠征をする場合、遠征先での宿泊場所の確保が大事。目の見えないわたしにとって、宿泊先を探すことが大変。コンサート会場よりも宿泊先ホテルを見つけるのが大変。コンサート会場は、いろいろなブログを検索すると、こうやって行きますよ、最寄り駅はここですよ、バスで行ったほうがいいですよとか情報はたくさん。
でも、ホテルとなると、なかなかそういう行き方ををくわしく書いたブログなどはすくない。いちから、ホテルを探すのは大変。目の見えない私にとってはとっても大変。いいホテルを見つけたとしても、そのホテルにひとりで行くのはもっと大変。
まだわたしの目が見えていた高校生のころ。大学受験のためにひとりで、大阪のホテルに泊まったことがある。受験日の前日に田舎から大阪にでてきて大阪一番の繁華街梅田のホテルで宿泊。
当時、私の目は、視力は1.2ほどあり、視野狭窄もさほど進行していなかった。ただ、夜盲が進行していて、夕方薄暗くなるともうお手上げ。駅からそれほど遠くないのに、変な路地に入ってしまって、そこをぐるぐる歩き回るわたし。夕方ぐらいの明るさでも、私の目ではもう真っ暗と感じる。見えない。
夕方から夜へ、あたりが暗くなっていくと、どんどんホテルを見つけることができなくなっていく私。
もちろん通行人のひとにホテルの場所を聞くのだけども、その道案内が私にはなかなか理解できない。目が見えている人は、何かのランドマークを指差して、あそこの建物をの裏側ですと教えてくれるも、そのランドマークとなる建物がわたしには見えない。ありがとうございましたと一応言って別れるも、またしばらく歩いて人に尋ねる。あたりが暗くなるともう、お手上げ、人に道を聞いても、もうわからない。そして、梅田にはたくさんホテルがあって、通行人の人はそのホテルを知らないことも多い。
だんだん、さらに暗くなってきて、しかもビルの路地に入ってしまったようで、人もいなくなる。不安になる田舎者の高校三年性男子。当時は携帯電話もないし、誰かに助けを呼ぶことも難しい。オフィスビルの裏側のごみ捨て場が置いてあるような路地に迷い込む。
あたりはもうすっかりまっくら。不安に襲われるわたし。自分が今どこにいるのかもわからなくなる。公衆電話を見つけて、警察に相談しようにも、その公衆電話も見つからない。路地にはいりこんだせいで、コンビニも見当たらない。遠くのほうで聞こえる、車が走る音。大通りにまずは出よう。そこで、また人に聞こう。
大通りに出ようと、夜盲の目で一生懸命、該当の灯りをたよえりに、ゆっくり歩く私。ふと、前方を見ると、青白く輝く大きな看板。その看板が、まさかの、私の宿泊するホテルの看板。
助かった。1時間以上ぐるぐるさまよっていた私。ようやく見つけることができた。あたりがすっかり真っ暗になったおかげで、私の目指すべきホテルの看板に灯りがともって、夜盲の私の目でも見つけることができた。薄暗い夕方だと、見つけられなかったホテルの看板なのに、真っ暗になって見つけられた。不思議。見えなくなって見えるものもあるのね。
受験生のわたしが、はじめてのホテルをさがす時にいちばん大事なのは明るいこと。白く輝くホテルの看板がさまよい続けるわたしを導いてくれた。
ホテルに到着して、きれいな大理石みたいな床、フロントがあり、その右側奥にエレベータが何台もある。当時の、田舎の高校生が大学受験のために、ホテルをさがすには、田舎町の小さな旅行代理店にお願いしないといけない。その代理店のお姉さんのいう宇賀ママにホテルを予約する。えきから近いことが優先されて、値段のことなど気にしない。1泊15000えんぐらいのシティホテル。レストランが1階にあって、落ち着いたホテル。
部屋の鍵をもらって、エレベーターで上にあがろうとするわたし。エレベーターのボタンをおそうとするその時、ガシャガシャガッシャーーんと大きなおとがエレベーターホール、フロントに響き渡る。エレベーターボタンの前におかれていた、灰皿スタンド。直径30センチ、高さ1メートルぐらいの鉄製の円柱の灰皿スタンド。いまでは考えられないけども、いたるところにこういった灰皿スタンドが置いてあた
その灰皿スタンドを蹴飛ばして、中身をぶちまけるわたし。その灰皿スタンドのなかには、たばこの火を消すために、水が入ったさらが組み込まれている。それも全部まきちらすわたし。
シティホテルは、おしゃれで、エントランス、フロント、エレベーターホールもなぜか薄暗い。そして、わたしの目の視野は、したのほうから掛けていた。そのため、灰皿スタンドに気づかず、蹴飛ばしたわたし。
まだ、目が見えていたころのわたしでも、こんなにホテルを見つけるのは大変。目が見えなくなったわたしにとっては、さらに大変な遠征先ホテル探し。
目が見えなくなったわたしにとって、ホテル選びのポイントは、駅やバス停から近いこと、そして、安いこと。ただ、安いといってもカプセルホテルのようなところは選ばない。視覚障害者のわたしにとって、カプセルホテルは持ち物の管理が難しく、また他の人の生活音とかが気になる。まだ目が見えていたころ、カプセルホテルに何度かとまったけど、となりのカプゼルでものをたべている音が聞こえたり、いびきとかがよく聞こえてくる。
近くて、安くて、個室であること、これがわたしの遠征先ホテルの必須ポイント。そして、遠征の荷物を減らすためには、下着や服をこまめに洗濯するひつようがる。特に数泊連泊するときは、この3つのホテル選びのポイントに加えて、コインランドリーが使えること。
この4つの条件を満たすのが、東横イン(トウヨコイン)。全国にたくさんあるホテルチェーンの東横イン。
1泊料金は、5000えんから8000えんぐらい。ほとんどの東横インは駅から近い。そしてもちろんシングル個室がたくさんある。ホテルのなかにはシングルがないホテルもあるのね。ツインかダブルしかないホテルは遠征には向かないね。
そして、東横インには、コインランドリーは必ずあり、さらにうれしいことに、朝食無料バイキングもついている。10泊とまると1泊無料宿泊券がもらえるのもうれしいね。あとそうそう、ツインの部屋でも、シングルで宿泊する場合は、ツインを2人で宿泊するよりお値段が安いのもいいね。実に遠征向きなホテル。それが東横イン。ちなみに、このインとは、辞書で引くと、田舎にある小さな旅館という意味なのね。
以下、全盲、視覚障害者にとっての東横インのよいポイントを述べていきたい。
全盲視覚障害者にとっての東横イン(トウヨコイン)の好きなポイント合計4つ。
その1
東横インの公式ホームページからの予約が簡単
最近は昔と違って、旅行代理店でホテルを予約することはほとんどない。今は、ネット予約が主流。ホテル予約サイトはいろいろあるけども、東横インの公式ホーmジュページが一番、視覚障害者にとって使いやすい。全盲の視覚障害者は、パソコンやスマホの画面をアプリでよみみあげさせて、そして何月何日、どこどこのホテルに空室があるか調べてネットで予約する。
他の予約サイトだと、いろいろな宿泊プランがたくさん羅列されていたり、いろいろな情報がどばーっと予約ページに表示されてしまって、視覚障害者はなかなか、希望の部屋タイプなどを見つけられない。
その点、東横インの公式ホームページの予約サイトは、とってもシンプル。実際目が見ている人が見てどうなのかはわからないけども、視覚障害者から見るととってもシンプル、必要な情報しかない。宿泊のしたい都道府県から、その都道府県にある東横インホテルを選んで、何月何日何泊とまりたいと入力する。この入力ができないホテル予約サイトもある。この入力も2020/12/01というふうに日にちを直接入力できるのもいいね。ほかのホテルネット予約だと、カレンダーがべろーーんと表示されて、3か月ぐらいの日にちの中から希望する日を探し出さないといけない。この100以上ある日から選ぶのは視覚障害者はとっても大変。その点東横インは日付の直接入力ができるのがいいね。
シングルの部屋、禁煙の部屋も簡単に選べる。そして空室があれば、そこから予約できる。
クレジットカード支払い、チェックイン予定時間の入力などすべて視覚障害者一人でできる。うれしいのは、キャンセルも簡単にできて、予約一覧画面から、宿泊ホテルを選んで、キャンセルすればよい
とってもシンプル。
ハロプロ遠征先のホテルを予約するには、ハロプロのコンサート日程が発表されてすぐに予約することが必要。視覚障害者はこういった早い者勝ちはとっても苦手、ネットでの予約だとどうしても時間がかかってしまう。でも東横インの予約はとっても簡単なので、全盲視覚障害者でもいち早く予約できる。そこがうれしいね。
あそうそう、東横インの会員(無料)になれば、一般だと3か月前からしか予約ができないけど、会員になるとなんと6か月前から予約できる。これもありがたいね。
ひとつ、東横インの公式ホームページの予約画面で改善してもらいたい点を言うと。空室のありなし。空室があまだあるときは、その日付は丸とかよみあげてくえるけど、空室なしのときは、この表示がなく、空室かどうかわからない。いうなれば、視覚障害者にとっては、空室のある日だけしか表示されないように見える。ぜひ、空室がない日にはバツ印をいれてほしいね。
その2
部屋のレイアウトが同じ
視覚障害者がはじめてのホテルで困るのは、部屋のレイアウト、部屋を入ってどこにカードキーを差し込めばいいのか。どこにハンガーがあって、どこに窓があるのか、どこにコンセントがあるのか、っどこにスイッチがあるのか。それがわからない。でも東横インはどこの東横インもほぼ同じ設備とほぼ同じレイアウト。
どこに、メッシュのスリッパがあるのか、それは入口はいって、何歩か歩いた壁の側面、足元のところにひっかけてある。このメッシュスリッパいいのよね。シャワーをあびたあとでも、スリッパがべちゃべちゃぬるぬるにならないんだよな。ぜひこのメッシュスリッパ売ってほしいくらい。
どこに、机があるのか、それは必ず、ベッドと並行な壁側にある。この机もとっても幅広で、タブレットPCとかおいてキーボードもおいてしっかりブログもかける。ホテルによってはこの机がないあるいはちっちゃい直径20センチぐらいのちっちゃい机しかないところもある。コンセントはその机の壁側にかならず2個はある。そして、机の天板の下には必ず引き出しあるいは引き出しではない場合は物入スペースがあるここに財布とかメガネとかまとめて入れておけるのもいいね。
トイレはユニットバスだけども、必ずウォシュレットがついている。全盲視覚障害者は、自分でちゃんと代弁をふきとれたか、トイレットペーパーを見て確認できない。どうしても、ウォシュレットが必要。精神衛生上必要。
フェイスタオルとバスタオルは、そのトイレの便座のすぐよこの壁の天井のところの棚にかけてある。
そして、視覚障害者がホテルで一番こまるのは、ボディソープとシャンプー、こんでぃしょなーの判別。同じようなボトルに入っていてどれがどれだかわからない。ただ、東横インにはこのボトルの法則がある。
ユニットバスのバスタブのシャワーフックの下にの壁に3つのボトルが壁にくっつけられている。3つのボトル。手触りではどれがどれだかわからない。だけど、私にはわかる。ボディソープと、シャンプー、コンディショナーの3つの区別のしかた。
まず、ボディソープ。これは、実はハンドソープの役目も果たしている。ということで、このボディソープのすぐ隣が洗面台になっている。これは法則。洗面台で手を洗う時に、すぐ隣にハンドソープのかわりにもなるボディソープのボトルが必ずある。洗面台とボディソープはワンセットと覚えておけばよい。
そして、そのボディソープの隣、3つある真ん中のボトルはコンディショナー、そして一番反対側がシャンプーと決まっている。基準はボディソープ。この並びは、私の自宅でも同じ並びにしている。コンディショナーはないので、ボデイソープとシャンプーは東横インの法則にしたがって並べている。この気息性はとっても視覚障害者にとってありがたいね。
なお、ほかのホテルだと、私はシャンプーに輪ゴムをくくりつけたりもしていたけど、シャンプとボディソープを私は、左がボディソープ、右がシャンプーと決めているので、、その並びに置き換えることが多いね。
設備でうれしいのは、ハンガーが3つあること、これも便利。
もちろん、部屋では無料のWi-Fiファイファイも使えるのもうれしいね。
それと、これは共同利用だけども、フロントの横らへんに、必ずコインランドリーがあるのもいいね。コインランドリーは早朝はすいていて、フロントのスタッフも手がすいているので、その時間帯に一緒に、コインランドリーの操作方法をおしえてもらう。ついでに乾燥機の使い方、どこにコインをいれるか、100円で何分かおしえてもらう。不思議なことに、東横インに破格ホテルによって100円10分のところもあれば、100円30分のところもある。これが不思議。
ひとつ改善点というか視覚障害者にとっては必要のないものについて言うと、あの机の3分の1以上をしめている大型液晶テレビはいらないね。あれがなかったらもっと机の上を有効活用できる。私は東横インにとまって一度もあの大型テレビで番組を見たことはない。
あと法則といえば、カーテン。東横インの客室にはいると、その客室の窓のカーテンは必ず開いている。正確には、レースのぺらぺらのカーテンだけで窓を隠している。これが視覚障害者は気になる。向こうのビルから私の部屋はまる見えじゃないの?レースのカーテンって丸見えじゃないの?目の見える人なら、このレースカーテンなら、まぶしい朝の太陽の光がレースカーテンごしに差し込んでくるのだろうけど、全盲の私にはそのまぶしい光はとどかない。私は必ず、レースのカーテンだけでなく、遮光カーテンも必ずきっちり閉める。これ大事。
その3
無料朝食バイキング
東横インは、1泊5000円から8000絵円ぐらいの宿泊料の中に、無料朝食バイキングもふくまれている。これが結構おいしいね。昔、私がまだ弱視だったころ、このバイキングといううものは苦手、というかさけてきた。目が悪いと、一人で皿をもって、、料理を取り分けて、そして自分のテーブルにもどって食べる。この動作ができない。人ごみの中をかきわけて、あるいは、人ごみの流れにしたがって、料理を順番にとっていくことができない。視野狭窄の弱視のころは、ホテルにとまってもこのバイキングは利用しなかった私。ホテルやほかのお客に迷惑をかける可能性大だな、お皿をひっくりかえす可能性大だな。やめとこう。
こういった、列にならんで、すこしずつ進むということができない。マクドナルドも大好きだったけど、レジ前の列に並べなくなって、、前の並んでいる客に突進することとかあって、それ以来、列ならびから逃げていた私。当然、東横インの朝食バイキングも回避。実にもったいないね。
でもある日、私がまだ弱視だったころ、全盲の人に手引きされて、京都河原町駅の改札を捜し歩いたことがあった。普通なら弱視の私が、道案内すべきだけども、その全盲の人がここはまかせてくださいと言うので、私がその人の両肩をうしろからもって、電車でゴーの形でついていく。
改札のほうまで、点字ブロックにしたがってあるく。そして改札の音が聞こえてきたら、すいませーんと大きな声で、でもやさしい声で、駅員さんにお願いする。駅員さんからは遠くて、別の通行人がその声にはんのうしてくれた。その通行人の人にお願いして、駅員さんのいる改札までつれていってもらった私たち。
そうか、お願いすればいいんだ。声をあげればいいんだと、はじめて知った私。これはコペルニクス的大転換だった。そして無事電車にのれた後、マクドナルドの列にならぶことができなくなったので、もうマクドナルドはずいぶん行ってませんというと、そんなとき私は、入口入ったら、すこし大きな声で、レジのほうにむかって、すいませーん。視覚障害者なんですけども、レジあいてますか?と私は言っていますよ。ひとりでよくマクド行きますよとの答え。
そうか、お願いすればいいのね声をあげればいいのね。。このお願いすることを知ってから、私は、東横インの朝食バイキングもお願いすることにした。チェックインの時に、フロントスタッフに明日バイキングたべたいんです。バイキング開始時間すこし前にきますので、配膳をおねがいしたいのですとお願いすると。
わかりました、朝食担当者は別なので、そのスタッフに伝えておきますとすんなり答えてくれる。
翌朝、浅井一番、7時からのバイキングスタート。私は10分ぐらい前に行って、テーブル席に案内してもらってそこで待つことにしている。そして7時になると、朝食スタッフが私のために、おかずをとりわけて、あったかいごはん、あったかい味噌汁、そして、オレンジジュースかホットコーヒーをもってきてくれる。
私は、全種類のおかずをちょっとずつたべたいです。サラダにはドレッシングはいりません。ウインナーは大目にしてくださいとおお願いする。
うれしいね。ごはんをおかわりしたいときも、ハロプロコンサートで推しメンの名前をコンサート会場で大声で叫ぶときの10分の1ぐらいの声で、ごはんおかわりおねがいしまーすというと、はーいと声がかえってくる。うれしいね。
東横インの朝食バイキングがうれしいのは、そのご当地の食材がすこしでてくる。福岡なら辛子明太子がでてくる、山梨だとほうとう味噌汁がでてくる。特に福岡の博多の辛子明太子はほんとおいしいね。ごはん3杯ぐらい食べれるね。
たった一言、すいません!私は視覚障害者なので、バイキングを取り分けてもらえませんか?たったその一言が言えるかどうか、たったこの一言で、あつあつのお味噌汁、あったかいごはん、そして、ぴりからの辛子明太子がいくらでも食べらられる。どうして、たった一言が私には言えなかったのか、今ではとっても不思議。全盲でも、弱視でも、スタッフからみれば、同じ目の悪い人、弱視のころのほうが、動きや歩き方が不自然なのにね。弱視だと、私が目が悪いってことは見破られてないって視覚障害者本人は思っているけど、思いたいけど、十分、動きがおかしいですからね。おなじ変なら、お願いしないのは損なのにね。
その4
点字ブロックと点字シール
東横インを私がはじめて知ったのはずいぶん昔のニュース。まだ私が東横インを使ったことも、名前も聞いたことがなかったころ。ニュースで、東横インの社長が謝罪会見をしていて、その記者会見の態度が横柄だといろいろたたかれていたような記憶。たしか、バリアフリー客室を勝手に改造して駐車場とかに転用していたということだった。
そのことがあってからか、、東横インは視覚障害者にとってやさしい。まずホテルの入口まで、歩道から点字ブロックがのびている。正確には、歩道の上は東横インは勝手に点字ブロックを敷設できないので、歩道と東横インの敷地のその敷地部分から点字ブロックがホテル入口まで敷設されている。これはうれしいね。ホテルの入口ってなぜか奥まったところにあったり、間口が小さかったりする。そんなときにこの点字ブロックを見つけるとうれしくなるね。
あと、エレベーターのボタンの点字シールと音声案内。東横インはだいたいひとつのホテルに2基のエレベーターがある。そのどちらかは、必ず音声案内があって階数ボタンには点字シールがはりつけてある。これがほんとありがたい。
よく、目の見える人は、点字をボタンにつけとけば、それで十分だろうと思うけどそうではない。点字がボタンにうってあっても、フロアに到着して、エレベーターの扉が開いて、はたしてそこが私の部屋がある12階だとはかぎらない。その途中に、人がのってくるかもしれないし、だれものってこなくても、エレベーターが私の部屋のフロアにとまったとは限らない。必ず音声案内が必要。12階に到着しました。扉が開きます。この音声案内があるのがうれしい。
改善点を言うと、点字をうってほしいところが2つある。まずは部屋番号の数字をぜひ、ドアにうってほしいね。たしか、数字についていえば、おそらく点字は、数字は全世界共通、すくなくとも、日本語と英語の数字は点字でも共通。ぜひ、ドアの表面に、1201とドアノブのすこし上ぐらいのところにうってほしいね。
あとは、ワイファイのパスワード。客室内で使える無料ワイファイのパスワードの数字8ケタをぜひ、客室のあのでっかい液晶テレビのどこかはしっこにでも貼り付けてほしいね。目の見える人は、まず東横インの部屋にはいると、この液晶テレビの電源をオンにして、そこに表示される、この部屋のワイファイパスワードを見て、自分のスマホに登録する。この2つの数字をぜひ点字でうってほしいね。そうすれば、私はフロントスタッフに部屋まで案内してもらわないですむ。本来東横インは客を客室までは案しないことになっている。それは、東横インのスタッフのほとんどが女性であり、また数少ないスタッフで客対応をしているため。ぜひ点字をうってほしいね。
と言いつつ、点字がなくても、だれか私の目のかわりになってくれて、ドアの数字と、パスワードを読み上げてくれればいい。そんな便利な無料アプリもすでにある。私の目になって!!。BE MY EYES(ビーマイアイズ)というアプリ。全世界の見ず知らずのボランティアさんにスマホを通じて私のスマホが見ている映像を読み上げてもらえるアプリ。そんなボランティアさんと視覚障害者を結び付けてくれる無料アプリがある。これを使えば、東横インのスタッフに一切手助けを借りることなく宿泊できるね。だれかのひとりに大きな負担をかけるより、たくさんの人にちょっとずつわずか数分間、私の目になってもらうほうが負担が少ないね。ビーマイアイズを知っていれば、あの時、あの名古屋の東横インで、私は意地を張る必要はなかったのにね。
こちらでは、お客様をお部屋まで案内するサービスは行っておりません。申し訳ございません。お客様は目が不自由なのですね。うーーん・・・。では、仕方ありません。今回だけですよ。特別ですよ。少々そこでお待ちください。
私は、このフロントスタッフの言葉に、どうして、傷ついて、くゃしくて、腹を立ててしまったのだろう。視覚障害者って実に繊細。大の大人でも、生まれたての泣いている赤子のように、泣きじゃくって、フロント前でヤダヤダヤダーって言えたらどんなによかっただろう?
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モーニング娘。 『みかん』 (MV)