春はお別れの季節です みんな旅立っていくんです
36年ぐらい前、私が、たしかまだ小学生で6年生ぐらいだったころ。6年生をおくる会かなんかで、6年生が在校生にむかって歌をうたうことになる。クラスの女子が、じゃあねを歌いたい、あとは、だれかの卒業っていう曲もリストにあがったかな。その中から、投票で、じゃあねを歌う。
こどものころに歌った曲というのは、よくおぼえているもので、いまでもくちずさめる48歳の私。
ということで、今日は、2023年3月31日。20年ほど勤めた職場を早期退職してきた私。目の見えない私。網膜色素変性症な私デスペア。身体障碍者手帳を取得しようとおもったのが、障碍者採用枠に応募するため。当時はまだ視力は1.0ぐらいあって、視野狭窄が8割ぐらいあったかな。なんとか向上でのアルバイトしていたけど、だんだんミスがおおくなり、この仕事は続けられないなとおもって、見つけたのが、今の職場。
やめる前は、モヤモヤしたり、いかりなども感じたけど、今、やめたあとは、なんかすがすがしいね。この気持ちの変化にはびっくり。最後に、お思いもかけず、職場から花束をもらったせいかもね。
でも、やっぱり、全盲視覚障害者が定年まで働き続けるってことは難しいね。これからの若い人のために、書き残ておこう。
デスペア的視覚障害者が働き続けられない、そのわけのポイント
1、業務システムの不完全アクセシビリティー
かつて、視覚障害者は職域が限定されていた。あんまマッサージ師か、歌手や演奏家ぐらいの時代がながかったね。
でも、現代になって、点字が発明されて、視覚障害者でも自分で文字を書いて、読めるようになった。就職試験でも公務員なら採用試験に点字試験も導入されたね。
でも、点字がよみかきできても、まわりの人はよみかきできないので、そんな点字使用者の視覚障害者はの仕事は、視覚障害者向けの業務がほとんどだった。
それが大きく変わったのが2000年ごろにいっきに普及したパソコンと、インターネット、そして、音声パソコン。音声よみあげソフトを使えば、目の見える人と同じ情報を得られて、そして、目の見える人たちにも読める文字で文章を書くことができるようになった。これはとってもおおきいね。それまで、視覚障害者は、だれかに文書をを作成するとき、自分では文字がかけないので代筆してもらう必要があったけど、音声パソコンの登場で、視覚障害者は自分で文章をつくれるようになった。
これで、すべてハッピーかとおもいきや。世間はそう甘くない。たしかに、ワードやエクセルの操作は、視覚障害者ひとりでも、できて、文章や表をひとりでつくれるようになった。
でも、職場はさらに先をいくね。今度でてきたのが、業務システム。財務会計システムやら、出退勤システムやら、文書管理システムやら、顧客管理システムやら、さまざまな業務システム。
このシステム、いわゆる、パソコンの中で動く、独自のアプリケーションの登場で、また、視覚障害者はひとりではできなくなった。ワードやエクセルなら音声パソコンはよみあげてくれるのだけども、業務システムは、様々なものがあり、ほとんどアクセシビリティーに配慮されていない。なので、視覚障害者は音声パソコンではこの業務ソシステムは使えない。これは、また点字だけをつかっていたころの視覚障害者の時代にあともどりだね。
全盲視覚障害者は活字文書がよめないのとおなじように、現在の全盲視覚障害者は業務システムがつかえない。これが大きいね。
この業務システムがつかえないと、いくらワードやエクセルがつかえても、視覚障害者は一人前にあつかってもらえない。ずっと、えんえんと会議録の文字お越しだけをやらされるはめになるのよね。しかも、この書き起こし作業も、いまやエーアイ会議録システムが登場して、瞬時に書き起こしをおこなってしまう、しかも誤字脱字の率が非常に低い。この私の誤字脱字まじりのブログなんて、比較にならないほどの高精度。そして、そのエーアイ会議録システムは、やっぱり音声パソコンでは操作できないときてる。
どんどん、視覚障害者ができる事務仕事ってなくなったよね。かなしいね。
2、すすまないデジタル化
業務システムのアクセシビリティーがどうのこうのいうまえに、そもそも、職場によっては、いまだに紙の文書がメインのところも多い。特に、総務や人事などの内向きの仕事ではなく、外向けの仕事などではその傾向がつよい。
電話受付記録にしても、紙にプリントあうとして、それをファイリングする。商品や貸し会議室の管理もいまだに紙の台帳だったり。こんな紙中心の職場だと、全盲視覚障害者はお手上げ。こうなると、全盲視覚障害者は、その所奥歯にいたとしても、電話版だけの仕事しかないのよね。電話がかかってきて、自分で処理するのではなく、担当者に、その電話をまわすという業務だけになってしまうのよね。
3、見た目重視のワード文書とエクセルシート
先ほど、ワードやエクセルは視覚障害者でも音声パソコンで操作、作成できると書いたが、できないものもある。それは、あらかじめ書式、様式がきまっているワード文書やエクセルシシートに文字を入力していく作業。ワード文書で、たとえば、なにかの申込書の空欄に必要事項を書き込んでいこうとしたら、これがなかなかむずかしい。
たとえば、氏名と書いてある項目のどこに、名前を書いたらいいのかわからない。指名の文字の右よこに書いたらいいのか、それとも、氏名の文字のすぐ下にかいたらいいのかわからない。これは、その申込書ワード文書が、印刷された状態を想定してつくられているせい。デジタル化がすすんでも、なぜか、ワードもエクセルもいまだに、プリントアウトしたときの見た目のワードエクセル文書。
申込書に欲しいのは、単なる指名の文字データであって、その使命の文字をどこに書き込むかは本来いらない作業のはずだけど、見た目重視だので、書き込む場所がきまっているのよね。こうなると、視覚障害者はひとりではきれいな文書をつくれない。
なので、こういったワード文書やエクセルシートは単純にすべきだね。エクセルで、見た目重視で、セルを結合するなんてもってのほかだね。
4、セクショナリズム、たてわり
その職場に視覚障害者が配属されたら、その職場の上司はこまる。さて、どの仕事をまかせればいいのか。上司は、自分の権限の範囲内、テリトリーの中の業務を洗い出し、なんとか視覚障害者にやらせようとなる。
そして、だいたい、みつけるのが、電話番と、会議録の書き起こし作業。
こうなると、視覚障害者のキャリアアップなどみこめないね。
上司にもとめられることは、自分の部署だけでなく、ほかの部署からも仕事をみつけだしてくることだけど、セクショナリズムの組織の場合、それができないのよね。
いろいろ、書いてきたけど、全盲視覚障害者がデスクワーク、事務職にむいていないかといえば、現時点では向いていないね。でもあと、10年もすれば、点字から音声パソコンへきりかわったように、業務システムのアクセシビリティーが飛躍的に改善されるとおもう。なので、これから事務職としてはたらく、視覚障害者の人は、決して悲観的になる必要はない。今は過渡期であるということを意識してほしいね。
さて、無職になったことだし、これからの遠征は、高速バスをおもに利用しよっと。大阪東京、新幹線だと障碍者わりびきで10000円。でもこれが、夜行バスや昼行きバスだと、障碍者割引で、3000円ぐらいでいけるのよね。ただし、新幹線だと2時間30分のところ。バスだと8時間以上かかるけどね。まぁ、時間に余裕ができるのでそれはそれでよいか。あとは体力だね。毎日のジム通い復活しなきゃ。
PS
ということで、長らく続けてきたこのブログも、4月からはすこしリニューアルしようとおもいます。タイトルもすこしかえるかも?
では、これからの私。目の見えない私。網膜色素変性症の私デスペアのこれからにもぜひ注目してくださいね。
盲人ウエカジからのたいせつなお知らせ 盲人ウエカジ仕事やめました48歳の早期退職 これから就職する若い視覚障害者のみなさんへのメッセージ
毎週土曜8時 ライブおはなし配信 全盲視覚障害者が仕事を続けていくためには何が必要かを考えてみる 前半30分は危険な点字ブロックなどのおはなし雑談です
36年ぐらい前、私が、たしかまだ小学生で6年生ぐらいだったころ。6年生をおくる会かなんかで、6年生が在校生にむかって歌をうたうことになる。クラスの女子が、じゃあねを歌いたい、あとは、だれかの卒業っていう曲もリストにあがったかな。その中から、投票で、じゃあねを歌う。
こどものころに歌った曲というのは、よくおぼえているもので、いまでもくちずさめる48歳の私。
ということで、今日は、2023年3月31日。20年ほど勤めた職場を早期退職してきた私。目の見えない私。網膜色素変性症な私デスペア。身体障碍者手帳を取得しようとおもったのが、障碍者採用枠に応募するため。当時はまだ視力は1.0ぐらいあって、視野狭窄が8割ぐらいあったかな。なんとか向上でのアルバイトしていたけど、だんだんミスがおおくなり、この仕事は続けられないなとおもって、見つけたのが、今の職場。
やめる前は、モヤモヤしたり、いかりなども感じたけど、今、やめたあとは、なんかすがすがしいね。この気持ちの変化にはびっくり。最後に、お思いもかけず、職場から花束をもらったせいかもね。
でも、やっぱり、全盲視覚障害者が定年まで働き続けるってことは難しいね。これからの若い人のために、書き残ておこう。
デスペア的視覚障害者が働き続けられない、そのわけのポイント
1、業務システムの不完全アクセシビリティー
かつて、視覚障害者は職域が限定されていた。あんまマッサージ師か、歌手や演奏家ぐらいの時代がながかったね。
でも、現代になって、点字が発明されて、視覚障害者でも自分で文字を書いて、読めるようになった。就職試験でも公務員なら採用試験に点字試験も導入されたね。
でも、点字がよみかきできても、まわりの人はよみかきできないので、そんな点字使用者の視覚障害者はの仕事は、視覚障害者向けの業務がほとんどだった。
それが大きく変わったのが2000年ごろにいっきに普及したパソコンと、インターネット、そして、音声パソコン。音声よみあげソフトを使えば、目の見える人と同じ情報を得られて、そして、目の見える人たちにも読める文字で文章を書くことができるようになった。これはとってもおおきいね。それまで、視覚障害者は、だれかに文書をを作成するとき、自分では文字がかけないので代筆してもらう必要があったけど、音声パソコンの登場で、視覚障害者は自分で文章をつくれるようになった。
これで、すべてハッピーかとおもいきや。世間はそう甘くない。たしかに、ワードやエクセルの操作は、視覚障害者ひとりでも、できて、文章や表をひとりでつくれるようになった。
でも、職場はさらに先をいくね。今度でてきたのが、業務システム。財務会計システムやら、出退勤システムやら、文書管理システムやら、顧客管理システムやら、さまざまな業務システム。
このシステム、いわゆる、パソコンの中で動く、独自のアプリケーションの登場で、また、視覚障害者はひとりではできなくなった。ワードやエクセルなら音声パソコンはよみあげてくれるのだけども、業務システムは、様々なものがあり、ほとんどアクセシビリティーに配慮されていない。なので、視覚障害者は音声パソコンではこの業務ソシステムは使えない。これは、また点字だけをつかっていたころの視覚障害者の時代にあともどりだね。
全盲視覚障害者は活字文書がよめないのとおなじように、現在の全盲視覚障害者は業務システムがつかえない。これが大きいね。
この業務システムがつかえないと、いくらワードやエクセルがつかえても、視覚障害者は一人前にあつかってもらえない。ずっと、えんえんと会議録の文字お越しだけをやらされるはめになるのよね。しかも、この書き起こし作業も、いまやエーアイ会議録システムが登場して、瞬時に書き起こしをおこなってしまう、しかも誤字脱字の率が非常に低い。この私の誤字脱字まじりのブログなんて、比較にならないほどの高精度。そして、そのエーアイ会議録システムは、やっぱり音声パソコンでは操作できないときてる。
どんどん、視覚障害者ができる事務仕事ってなくなったよね。かなしいね。
2、すすまないデジタル化
業務システムのアクセシビリティーがどうのこうのいうまえに、そもそも、職場によっては、いまだに紙の文書がメインのところも多い。特に、総務や人事などの内向きの仕事ではなく、外向けの仕事などではその傾向がつよい。
電話受付記録にしても、紙にプリントあうとして、それをファイリングする。商品や貸し会議室の管理もいまだに紙の台帳だったり。こんな紙中心の職場だと、全盲視覚障害者はお手上げ。こうなると、全盲視覚障害者は、その所奥歯にいたとしても、電話版だけの仕事しかないのよね。電話がかかってきて、自分で処理するのではなく、担当者に、その電話をまわすという業務だけになってしまうのよね。
3、見た目重視のワード文書とエクセルシート
先ほど、ワードやエクセルは視覚障害者でも音声パソコンで操作、作成できると書いたが、できないものもある。それは、あらかじめ書式、様式がきまっているワード文書やエクセルシシートに文字を入力していく作業。ワード文書で、たとえば、なにかの申込書の空欄に必要事項を書き込んでいこうとしたら、これがなかなかむずかしい。
たとえば、氏名と書いてある項目のどこに、名前を書いたらいいのかわからない。指名の文字の右よこに書いたらいいのか、それとも、氏名の文字のすぐ下にかいたらいいのかわからない。これは、その申込書ワード文書が、印刷された状態を想定してつくられているせい。デジタル化がすすんでも、なぜか、ワードもエクセルもいまだに、プリントアウトしたときの見た目のワードエクセル文書。
申込書に欲しいのは、単なる指名の文字データであって、その使命の文字をどこに書き込むかは本来いらない作業のはずだけど、見た目重視だので、書き込む場所がきまっているのよね。こうなると、視覚障害者はひとりではきれいな文書をつくれない。
なので、こういったワード文書やエクセルシートは単純にすべきだね。エクセルで、見た目重視で、セルを結合するなんてもってのほかだね。
4、セクショナリズム、たてわり
その職場に視覚障害者が配属されたら、その職場の上司はこまる。さて、どの仕事をまかせればいいのか。上司は、自分の権限の範囲内、テリトリーの中の業務を洗い出し、なんとか視覚障害者にやらせようとなる。
そして、だいたい、みつけるのが、電話番と、会議録の書き起こし作業。
こうなると、視覚障害者のキャリアアップなどみこめないね。
上司にもとめられることは、自分の部署だけでなく、ほかの部署からも仕事をみつけだしてくることだけど、セクショナリズムの組織の場合、それができないのよね。
いろいろ、書いてきたけど、全盲視覚障害者がデスクワーク、事務職にむいていないかといえば、現時点では向いていないね。でもあと、10年もすれば、点字から音声パソコンへきりかわったように、業務システムのアクセシビリティーが飛躍的に改善されるとおもう。なので、これから事務職としてはたらく、視覚障害者の人は、決して悲観的になる必要はない。今は過渡期であるということを意識してほしいね。
さて、無職になったことだし、これからの遠征は、高速バスをおもに利用しよっと。大阪東京、新幹線だと障碍者わりびきで10000円。でもこれが、夜行バスや昼行きバスだと、障碍者割引で、3000円ぐらいでいけるのよね。ただし、新幹線だと2時間30分のところ。バスだと8時間以上かかるけどね。まぁ、時間に余裕ができるのでそれはそれでよいか。あとは体力だね。毎日のジム通い復活しなきゃ。
PS
ということで、長らく続けてきたこのブログも、4月からはすこしリニューアルしようとおもいます。タイトルもすこしかえるかも?
では、これからの私。目の見えない私。網膜色素変性症の私デスペアのこれからにもぜひ注目してくださいね。
盲人ウエカジからのたいせつなお知らせ 盲人ウエカジ仕事やめました48歳の早期退職 これから就職する若い視覚障害者のみなさんへのメッセージ
毎週土曜8時 ライブおはなし配信 全盲視覚障害者が仕事を続けていくためには何が必要かを考えてみる 前半30分は危険な点字ブロックなどのおはなし雑談です