『日本の富国強兵、近代化路線から、奈良ホテルは誕生した!』
皆さんは、「奈良ホテル」をご存知でしょうか?
和洋折衷のそのホテルは、長い歴史を重ねています。
最近では、「秋篠宮」が、ご宿泊されるので有名です。
今回は、この「奈良ホテル」の鑑賞の壷を、書かせて頂きます。
…まず、外観から…
外観は、如何にも日本建築と言う感じなのですが、外側に見える木造
の柱等は、「建築構造に関係無い」ツケ柱です。
つまり、見かけだけの柱です!
ロビーの外側にある、突き出した、ポーチも独特です。
如何にも、和風な感じがします。
戦後、アメリカ軍に接収されて居た頃は、この入り口付近に、「大砲」
が二門置かれて居たそうです。
アメリカ軍が接収直後に、建物全てを、米兵が「白ペンキ」で塗ろうとした
のを、当時の支配人が、「土下座」して、必死にとめた逸話も残って居ます。
…中に入ってみましょう…
そこには、二階まで吹き抜けになった、「ロビー」があります。
よく見ると、「昔、使われて居た暖炉」までありますが、どこか、変なのです。
デザインが、神社の鳥居をイメージした、「何とも奇妙な意匠」です。
…入って右手には、ちょっと、広い部屋があります…
そこは、旅人が休憩したり、一旦、身支度する為の部屋です。
この辺りも、如何にもヨーロッパの文化を先取りした感じがします。
その、部屋の、壁際に置かれた、一台の「アップライトピアノ」に注目して
ください。
そのピアノは、何と、あの「アインシュタイン博士」が、モーツアルトの
ピアノ曲を演奏したピアノです。
本当は、触ってはいけないのですが…
どうしても、アインシュタイン先生が演奏したピアノに触れたくて、ホテルの
従業員が誰も居ないのを、確認してから、触っちゃいました^^
…さて、「アインシュタインのピアノ」の真後ろの「窓」にご注目下さい…
「窓ガラス」から見える外の景色が、「ユラユラ」と見えませんか?
これ、「昔のガラス」です!
昔は、平らなガラスを作れなくて、表面が微妙に凸凹なのです。
このガラスを通してみる「サクラの花」は、美しいそうです!
…吹き抜けの中にある「階段」を上ってみましょう…
そこには、大きなサイズの「日本画」が沢山かけられています。
ちょっとした、「美術館」みたいです。
椅子やテーブルもありますから、ここで、ぼーっと、絵を眺めるのも
良いかもしれません。
…ここからは、客室で、宿泊客以外は、入れませんが…
奥には、客室が並んで居ます。
廊下には、「つるはし」が常備してあります。
これは、火災等の時に、ドアや、壁を壊して、「お客様を救出」する
為のものですが、今まで使った事は、無いそうです。
さて、いよいよ、天皇陛下もご宿泊される「ロイヤルスウィート」に入って
みます。
御部屋は、決して、広くはありません。
中に入ると、「暖炉」がありますが、現在は使われていません。
大正天皇が、この「奈良ホテル」にお泊まりになる時に、お体の弱い天皇が
呼吸器を痛められない様に、「スチーム暖房」に変更したと聞きます。
その為、御部屋には、「スチーム」の放熱器が、むき出しになっています。
この形が、何ともクラシックで、趣があります!
実は、この「ロイヤルスウィート」は、一般の人でも、宿泊可能です。
是非、皆さんも、一度、『日本のクラシックホテル』を堪能してください!