『相続土地国庫帰属制度』
頭の悪い役人と国会議員どもが考えることは、どれだけ愚策だらけか、この制度でよくわかります。
この制度は、相続人が、山林など土地を相続したが、持て余してしまい放置状態になっている土地を、国が国庫として引き取ろうという制度です。
1、相続人が、土地を相続したが、不要な土地である
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2、相続人は土地を売ろうと売却に出すが、欲深く価格が高すぎて売れなかった
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3、相続人は「固定資産税や、管理費がかかるので、土地を手放したい」と持て余していた
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4、国が、条件をクリアした土地だけ、有料で引き取る(相続土地国庫帰属制度)
この制度を利用する相続人は、どんな土地を所有しているのでしょうか?
『山林など、所有していても、管理や手間がかかるだけの、ゴミみたいな土地』
『廃墟みたいな別荘地の、値打ちのない土地』
などです。
決して、駅チカの便利な土地、高級住宅街の価値ある土地なんかではありません。
相続人は、一旦は、市場で売却に出してみるのですが、欲深く、高い値段で売却しようとするので、買い手などつきません。
このままでは、固定資産税だけ、払い続けることに…
そこで、ちょうど良かった!
相続土地国庫帰属制度です。
しかし、この制度、利用できる条件の一つに、『境界に争いがないこと』とあります。
ここで、この制度の実例をご紹介します。
知人が、別荘地に土地を所有しています。
突然、神戸地方法務局から、書面が郵送で届きました。
その書面には、別荘地の中の、ある区画の土地の所有者から、この相続土地国庫帰属制度を利用して、土地を手放したいと申請があったと書かれていました。
従って、神戸地方法務局は「境界に問題がないか、確認しろ」と、土地の境界あたりの画像がついた書面を同封してきました。
画像は、草と土がアップで写った地面らしきもので、どこの部分の画像なのか、わかりにくい写真でした。
こんな画像が何枚もあり「この境界で問題ないか」「もし意見があれば、同封の書類に書いて、返送しろ」と、切手が貼られた返信用封筒が同封されていました。
神戸地方法務局が添付してきた画像の写真から判断し、この境界で良いのか、良ければ同意しろと言うのです。
境界というのは、とても重要です。
地積測量図があったとしても、現地に打ってあるプラスチック杭は、きちんと測量されて打たれたものか、わからないのです。
誰かが勝手に入れたプラスチック杭かもしれないからです。
知人の土地の境界標も、誰が入れたのか、不明なものでした。
よく、不動産屋が、適当に、勝手に境界標を入れることがあるのです。
「ほら、この土地は境界がわかっている優良土地です!」と言って、物件を売ろうとします。
境界の杭は、勝手に入れたり、勝手に抜いたりしてはいけません。
必ず、所有権者たちの了承が必要です。
境界標は、周囲の土地所有者たちがきちんと立ち会って、第三者が測量して、みんなで了承した上で、打たれた境界杭なのかが、重要なのです。
神戸地方法務局が送りつけてきたわかりにくい画像の境界杭を見ただけで、「はい、ここが境界で間違いありません」なんて、言えるか、バカ。
今回、神戸地方法務局は、「所有権界について、争いがない土地か、確認しろ」と言ってきました。
所有権界とは、私法上の境界のことです。
私法上の境界とは、土地の所有者同士で決めた境界です。
土地Aの所有者と、その隣地の土地B所有者で、「ここを境界にしておこう」と決めて定まった境界を、私法上の境界と言います。
そして、公法上の境界というのもあります。
これは、第三者が測量をして、所有者たちが立ち会い、所有者たちが同意した上で決まった境界を言います。
これが地積測量図となり、これを基にして、14条地図が作られます。
ここで計算された面積が、登記簿にも記載されています。
従いまして、本来、14条地図がある土地には、“私法上の境界”はあり得ないのです。
知人の別荘地の土地には、地積測量図と14条地図(不動産登記法)があります。
このことは、法務局の職員なら、わかっているはずです。
それなのに、神戸地方法務局は、「所有権界で確認しろ」と言ってきたのです。
いかにも、ぐうたらな役人のやり方です。
神戸地方法務局の役人は、「仕事をしたくない」「面倒臭い」というやる気のなさです。
こんな出来の悪い役人のために、国民は、バカ高い税金を納めているのです。
では今回、知人の別荘地の土地の一画の土地所有者が、相続土地国庫帰属制度を利用する場合、神戸地方法務局は、どう仕事をすべきなのでしょうか?
① 別荘地全ての土地の地積測量図があるので、まず全ての土地の地積測量図を同封して示すこと
② 法務局には測量ができる職員もいるので、法務局側できちんと測量すること
③ 法務局側できちんと測量した上で、『画像にある境界標の位置が、間違っていなかった』と書面で記すこと
④ 「以上、今回の申請にあたり、法務局側で、調査・測量・確認をしましたが、まだ他に、ご意見や異議はありますか?」と、尋ねる書面を送って来い‼
これら全てやるのが、常識だと思います。
神戸地方法務局の登記官など職員は、仕事をしたくないので、現地にある適当な境界標(私法上の境界杭)を画像で示して、「境界は、この位置で間違いないよね?」と聞いてきました。
誰が入れた境界杭なのか知りませんが、この怪しい境界標を見て、「はい、正しい位置です、間違いありません」など、言えるでしょうか?
このいい加減な仕事しかできないのが、日本の公務員のレベルです。
実は、法務局の登記官は、職権で、測量ができ、登記もできます。
もし間違っていたら、正しい筆界に戻すこともできます。
でも、仕事したくないから、やーらない。
今回、知人は、神戸地方法務局に異議を申し立てしました。
理由も、きちんと述べました。
すると、神戸地方法務局の担当者は、返す言葉がありませんでした。
知人から正論を言われて、反論できなかったわけです。
ただ、一言、神戸地方法務局の担当者は、苦し紛れに言いました。
「あなたのおっしゃる異議のことは、申請者に伝えておきます」
と、ぶっきらぼうに言いました。
まるで、知人が揉めさせている犯人であるという対応をしました。
「お前がすんなり同意したら、この件はスムーズにすすみ、土地は国庫に帰属されるんだよ」
「同意しないお前のせいだ」
「申請者に、言いつけてやる」
という対応です。
この対応は、はっきり言いますと、
「今回、申請が下りないのであれば、お前のせいだからな」
と、神戸地方法務局が知人を脅していることになります。
法務局の公務員が、正論を言って異議を立てた国民を脅す。
法務局は、裁判官、検察官、弁護士など、法務省の管轄です。
法務局は、一応、法務省の格下ではありますが、法務省に属します。
今回、神戸地方法務局の職員のレベルの低さに、愕然としました。
もっと賢い人たちと思っていましたが、勘違いしてたみたいです。
そしてその後、数ヶ月経っても、神戸地方法務局から、何も連絡もなし、書面が送付されてくることもありません。
申請された土地は、国庫へ帰属となったのか、それとも却下されたのか、その報告はありません。
こんな相続土地国庫帰属制度では、申請土地の隣地所有者たちは、みんな異議を申し立てるに決まってます。
法務局が示す境界は、超適当すぎて、あ然としました。
山林や別荘地では、境界が曖昧な土地が多いです。
きっと日本中の法務局が、神戸地方法務局と同じ手段で、適当な対応しているのでしょう。
相続土地国庫帰属制度でわかった重要なことは、
『法務局の職員は、仕事ができないアホだった』
『この制度を作った国会議員と役人も、やっぱりアホだった』
『アホたちがタッグを組んで、役に立たない制度を作った』
ということでした。