読む日々

テーマばらばらの読書日記

連鶴

2016-04-12 | 
梶よう子「連鶴」



幕末の桑名藩士兄弟を通し、混乱の中、何が正義なのか、何を守ればいいのかを描いた物語。

兄は嫡男ゆえ、本当は世界に興味がありつつも藩へ忠誠を誓う立場で、幼馴染と結婚し息子もいる。
弟は兄より武術が優れていながら、時代を見越した父の考えもあり、大店の婿養子になる予定。

そのお店が薩摩と通じていたせいで弟と主人一家は薩摩藩士にたぶらかされる。弟にしてみれば幕府についていても勝ち目はない、新しい時代を掴める側に、との、考えから。

兄は坂本龍馬と手合わせした経験もあり、その時に坂本と相通ずる物を感じたりして、実は自由に生きたいと思いながらも、武士として生き抜く覚悟。

桑名藩には連鶴折が遊びではなく伝わっており兄弟の祖母は名手!兄はその血を引きとても上手く、坂本龍馬へもプレゼントしていた。

高須4兄弟の絆に翻弄されつつも、最後は兄弟の幼馴染でもある家老の英断で前藩主の息子を藩主に据えて新政府へ恭順し生き残った桑名藩。戦いの末、生き延び共に手を携えて生きる決意をした兄弟。

混沌とした現代にも通じるものを感じ、感慨深いな。

それにしても薩摩はどうも嫌だなぁ。

満足度90


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