車通勤をしていると、
たまに事故渋滞なんかに引っかかることがある。
年に1度くらいは遅刻となることもあるので、
それを見越して家を早く出ている。
とはいっても、
元来早起きなので、
そんなには苦にはしていない。
渋滞もなく、
スムーズに流れると、
仕事が9時始まりなのに対して、
8時過ぎにつくこともある。
そんなときは、
これまで職場近くの喫茶店で
雑誌などを読みながら、
ゆっくり寛いでから出勤していたが、
半年くらい前からその店に、
以前から顔見知りの
口うるさいクレーマーが
よく出入りするようになった。
その人は、
どこの部署でも噛み付いているらしいので、
これまでわが社の社員でにぎわっていた朝のその店に、
ぱったりと社員が寄り付かなくなった。
店長にしてみれば、
大変な厄病客であるが、
来るなとも言えず不遇をかこっている。
僕も、
そんな寄り付かなくなった客の一人で、
他の店をさがすにも近くにはないため、
最近はもっぱら職場の手前のコンビニに車をとめ、
時間を過ごすようになった。
飲み物を買って、
車で本を読んだり、
家のスポーツ新聞を広げたりしている。
店の人ともぼちぼち顔なじみになってきたが、
以前のように
家族構成や犬の名前までばれるような間柄ではない。
ここで面白いのは、
店員よりも客のほうだ。
ちょくちょく寄っていると、
こいつは常連客やなという女子高生やおじさん、
おばさんなどいろんな人がいる。
ま、向こうから見れば、
わしも常連のおじさんに見えるんやろうけど。
今日はそんな常連客をいくつか紹介しよう。
一人目はアル中の源さんだ。
毎朝コンビニにやってきては、
ワンカップのお酒を1つ買い、
店を出たところでグイッと一気に飲み干すのだ。
何故アル中かというと、
きたときの
チャリンコのスタンドを立てるのももどかしげに
一直線にお酒売り場へ向かう様と
お酒を飲み干して、
満足そうに悠々と帰っていく様がまるで別人のようだから、
勝手に決め付けた。
名前の「源さん」も聞いたわけではいが、
夏のステテコとシャツ姿、
冬のキルティングのオーバーズボンと
襟に毛がついたジャンバーといったいでたちは、
どう見ても「源さん」なのだ。
いや「源さん」以外にはあり得ないなあ。
ずぇ~たい、シュンスケとかヒデキなんて名前じゃない。
100歩譲ってゴロー、
200歩ゆずってトメさん
といったところやろな。
今朝もその源さんは
機嫌よくワンカップを飲み干してはりましたわ。
そしてもう一人は、
女子高生のマミちゃん。
実はこの名前も僕が勝手につけた。
毎朝、けだるそうにガムをくちゃくちゃ食べながら
コンビニへやってきて、
お茶を買っていきよる。
まつげは異様に長く、
高級万年筆の一本くらいなら
十分乗せられるくらいだ。
コンビニ袋と
教科書が入っていそうもない
薄っぺらいカバンを振り回しながら、
靴のかかとを踏んで去っていく姿を見ていると、
世の中の人々は
何のために苦労してるんやろって
思ってしまいますわい。
他にも、
毎朝作業に向かう土木作業員の若者達が、
缶コーヒーをすすり、
たばこをふかしながら待ち合わせをしていたり、
コンビニ入口の灰皿のところで、
たばこを吸いながら井戸端会議をしている
アン子
ポン子
タン子
の三人組(これも勝手に命名)もいる。
この三人は話をしながらも
コンビニに入ろうとする客を、
じろっとヒトにらみし、
出てきたらきたで
何を買ったのか探るようにコンビニ袋を凝視している。
怪しげな本でも買っていようもんなら
去っていく後姿を見送られながら
何を言われるか分かったものではない。
現に、
噂話のネタになっているであろう
お兄さんやお姉さんを
僕は車のフロント越しに何人も見ているのだ。
信号待ち読書とあわせて、
コンビニでの人間観察。
これも味気ない通勤時間の中の
楽しみの一つになってきている。
しかし、それにしても
あのクレイマーは腹立つ!
これから
団塊の世代が
社会からリタイアしていって
文句ばっかり言う
クレーマーの数も
きっと増えてくるんやろな。
年寄りは
若者が働くおかげで
その恩恵を受けているんやと
感謝の気持ちを
抱かんとあかんよなあ。
これまで、ワシらが年寄りを支えてきたんやから
年寄りとなったからには
若いもんに支えられて当たり前やというのと
年を取ったら
若い人に感謝しながら生きる
というのと
その感情の連鎖は
180度異なる。
感謝は感謝を生むんやということに
何で年寄り連中は
わからんのやろ。
だてに年取ってないやろになあ。
あれ、途中からグチになってしまった。
今日はここまで!