二の鳥居の先で細殿の前に、
2つの砂の山があります。
この砂山も、ただ単なる飾りではなく
意味があります。
名前は「立て砂」といいます。
「立て」というのが「神」を
指しているそうです。
通常の説明では、この砂山は
この社の北側にある「神山」を
模したものであり、
ここに神が降臨してくるもの
と説明されています。
でもなぜ二つあるのでしょう。
その辺から考えると、
この砂山にはちょっとここには
書ききれないほどの深い意味が
含まれています。
二つあるのはこの砂山が
左右で陰と陽を表しているもの
という意味を持っています。
陰陽説とでも申しましょうか。
社に向かって左が「陰」で、
右が「陽」であるといわれています。
このことは、京都とこの社の位置関係など、
いろんな面での関係を
表しているそうです。
その説明は難しく、
わかりにくいのでdoironも書けません。
まあ、それはそれとしておきましょう。
でもここに行ったら、
砂山の一番先っちょを見ておきましょう。
右の山、すなわち「陽」の山には
日本の二本の松葉が刺されていますが、
左の「陰」の山には
三本場の松が差されています。
まあ、これも陰陽的に
意味があるそうなんですが、
実はこの3本の松葉というのが、
一つの三本葉松の葉なんです。
この寺のどこかに3本葉の
松が植わっており
それをここにさしているそうです。
通常松葉は二本というのが普通です。
でも三本葉の松というのもあるんです。
例えば、山好きの人なら
知っているかと思いますが、
高山の山頂付近に生える
「ハイマツ」は五本葉の松なんです。
で、その三本松葉が
「奇数」ということで良く
「陰」の松に刺してある
といわれています。
この上賀茂神社に来た人は
一度その三本松葉の木を
探してみるのも面白いかもしれませんね。
ただ、いま日本にある三本松は
もともと日本にあったものが絶滅しており、
アメリカ原産の松が多いんだそうです。
砂の盛り方が高いというのは、
安息角が大きいといいます。
doironの大学卒論は
この辺と関係しています。
安息角が大きいというのは
粘着性の高い砂のことを表します。
この上賀茂の砂は鬼門にまく
清めの砂として使われることが
多いということです。
それにしても、この安息角の大きな見事な
砂山を作るのはむつかしくないのでしょうか。
いくら粘土が高い砂でも
ここまで高い安息角に
仕上げるのには技術がいるでしょうねえ。
砂の粒をそろえる、
ごみをしっかりと取り除く
なども絶対必要だと思います。
まさか、固めるのに
「ボンド」を使ったりは
していないでしょうねえ。
一度作り上げているのを
見てみたい気がします。
そんな砂山を眺めて、
さらに境内を回りましょう。
ここが貴殿を流れる川にかかる
重要文化財の「玉橋」。
この境内を流れる川で、
「玉依日売」という女神が
川で矢を広いそれを
寝室に置いたところで生まれたのが、
この神社の祭神である
「賀茂別雷大神」だといわれています。
なんだかいろんなことを
想像してしまういわれですねえ。
ほかにも、様々な人を祭神とする
他社もいろいろと合祀をしています。
その加茂別雷大神の母である
玉依日売を祭神とする「片岡社」
もこの境内にあります。
ここは、縁結びに良いとされています。
そうですねえ。
ひろった矢で子供を作った
日売ですからねえ。
そういう神社ということで、
さすがにここは古社。
この片岡神宮には、
あの源氏物語の作者である
紫式部も縁結びで
お参りをしているそうだ。
新古今和歌集には
「ほととぎす 声まつほどは 片岡の
もりのしづくに 立ちやぬれまし」
が載っています。
紫式部がお参りした熱~い神社です。
と、続く。