ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「ストロベリーナイト」 誉田哲也読了!

2016年01月15日 13時47分02秒 | 作家 は行
ストロベリーナイト (光文社文庫) 2016.1.14読了。
誉田 哲也 (著)

溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された。警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは?クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。



このところ、女性を主人公とした警察ものを探して読んでいる。
ので、誉田さんとストロベリーナイトシリーズ初読みです。

どっからか、いいとこ取りしてきたような印象。
いきなりのグロい猟奇的な殺人事件や、
主人公に暗い過去とか、刑事になりたいと思った理由とか、
性同一性障害や多重人格などの精神疾患とか
敵対する刑事との確執などなど、どっかで読んだことがあるような。
しかも、わかりやすい真犯人。

また、詰め込みすぎなのか、じっくりと主人公を描けていない。
人物像が薄っぺらく、警部補としての重みがないし、
事件の解決は思いつきに頼る。なんか、リアル感がない。キレがない。
女刑事を主人公に書くには女性の作家さんの方が、
うまく描けるのかもしれないなぁ。

ドラマのような軽いストーリー展開と、
脇役のキャラが良いので、まあ読めた。…5点

「この闇と光」 服部まゆみ 読了!

2016年01月12日 15時37分57秒 | 作家 は行
この闇と光 (角川文庫) 2016.1.12読了。
服部 まゆみ (著)

森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ!




主人公がひたすら求めるのは、虚名とも金銭とも結びつかない。真に己の魂を震わせる「美」であり魂によって選び抜かれた「極上の物」。(本文より引用)

少しでも、ネタバレすると後から読まれる方に失礼ですから、
ホントに書きたいことは書けないのですが…。

最近あまりお目にかかれない耽美な世界観をもつ小説。
しかも、本来のゴシックミステリーとしても傑作。
中盤からのいくつかのどんでん返しがあり、
夢と現世が交錯するような、まさに闇と光で彩られた上質な物語は意外な結末に辿りつく。
しばらく、余韻に浸っていた。
また読み返してみたい。誰にも邪魔されないところでひっそりと。…9.5点。

「変身」 東野圭吾 読了!

2015年11月18日 16時56分45秒 | 作家 は行
変身 (講談社ノベルス)1993/6刊  2015.11.18読了。
東野圭吾(著)

平凡な青年・成瀬純一をある日突然、不慮の事故が襲った。そして彼の頭に世界初の脳移植手術が行われた。それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた純一は、手術後徐々に性格が変わっていくのを、自分ではどうしょうもない。自己崩壊の恐怖に駆られた純一は自分に移植された悩の持主(ドナー)の正体を突き止める。



だんだんと他人になっていく”自分”。これは、怖い。
主人公や恋人の苦しみ、悲しみが読んでいて胸を苦しくさせる。なーんてなまやさしい感想にはなりえない。

ドナーが誰かは早い段階でわかってしまうし、ここからは、脳(人格)をそのドナーに乗っ取られていくんだろうな。と、これからの展開が大体読めてしまう。でも、そこからがやはり作家さんの腕(筆?)の見せ所。たしかにあらすじ的には想像通りかもしれないが、その凡人の想像をはるかに凌駕する中盤から後編へのストーリーの厚み。緊迫感、非痛感をともない、スピードアップしながらクライマックスの数十ページへ。感情が揺さぶられ息が苦しくなる。この最後の数十ページで手を止めることの出来る読者がいるのだろうか?(自分は仕事中に本を読み続けるためトイレに逃げ込んだ)

「君を愛したことを忘れない」
読者の予想を裏切る大どんでん返しでもあればさらに…。と一瞬思ったが、サスペンス小説であり、同時に、純愛小説ともとらえられるこの小説に、大どんでん返しは不要と思い直した。…9点。

「軍靴の響き」 半村 良 2015.10.26読了!

2015年10月27日 16時23分10秒 | 作家 は行
軍靴の響き (角川文庫) 2015.10.26読了
半村 良 (著)

その朝、人妻美子との情事のベッドで目覚めた広告マン室井はニュースに驚愕した。わが国のタンカー撃沈さる。インドネシア海域でゲリラが奇襲―。船長は美子の夫だった。専守防衛を名目に自衛隊は出動を強行、ついに戦後初の海外出兵の道は拓かれた。それが引き金だった。国防省設置、徴兵制復活…、日本は〈いつか来た道〉を一直線に驀進しはじめた。




まず、読んでみて驚いたのは、この小説が40年前に書かれたものなのに、現在の日本の状況と酷似していること。半村さんの先見性に驚愕した。

近未来の日本が軍事国家になっていく過程を描いていますが、国の体制や政治のことより、国がどうかわろうとも、そこにいつも存在するのは、無責任な、自分の利益と目先の事しか考えない一般の大多数の国民。

自分の明日の生活に直接被害が起こらなければ、海外派兵だろうが、軍備の拡大だろうが、クーデターだろうが…。何が起ころうと反対することもなく、少数の反戦グループの活動も国民の支持を得られず、潰されていく。

口では戦争反対といいながら、軍事国家の体制に取り入ることで、己の利益を得ようとする。
やっと、わが子が徴兵制にとられてから、泣き喚き、国を罵る。後の祭り。

作者が警鐘をならすのは、軍事国家になるという事そのものよりも、無責任、無関心、利己的な国民にこそ本当の危険が隠れているということなんだ。…6点。

「どれほど脅迫されても書かずには死ねない 日本の真相! 2」 船瀬 俊介 読了!

2015年09月02日 13時11分28秒 | 作家 は行
「どれほど脅迫されても書かずには死ねない 日本の真相! 2」 単行本 船瀬 俊介 (著)  2015.8.22読了 。

「書けない」「言えない」
新聞は怯え、テレビは沈黙。マスコミは死んだ…
警告をふりきり、真実をここに記す!

―無知は罪です。知ろうとしないことは、さらに深い罪です。―
それは、あなた自身を“殺す"だけでなく、結果的にあなたの愛する人も“殺す"ことになるからです。たとえば、ワクチン一つとってみてもそうです。その正体は接種した人を殺す“生物兵器"でした。アメリカでは全国民にマイクロチップを埋め込む法律が成立しました。そこには“用"青酸カリが封入されている恐れすらあります。属国である日本でも強制は時間の問題でしょう。つまり“闇の勢力"は「人類家畜化」計画を公然と始めたのです。あなたは自分自身を、家族を、“家畜"の地位に貶めて平気ですか?そうではないでしょう。
―無知な“家畜"であることを断固、拒否する―
だったら是非、本書のページを開いてみてください。


【目次】
PART 1:報道されない真実──マスコミ100の超タブー
【危険な食品】食べてはいけない! あなたと家族を守るためには
【医学不要論】現代医学の9割が無くなれば、人類は健康で長寿に!
【検診】検査は病人狩りの罠、受けてはいけない!
【市販薬】風邪薬1錠でも死亡する! 買ってはいけない
【がん治療】がん死者の8割が虐殺されている
【がんは治る】心と食と体を改めれば、がんは治っていく
【金儲け医療】病人は金のなる木! 悪化させて、また稼ぐ
【ワクチンの罠】予防接種は、人口削減の生物兵器だった!
【新しい医療】現代医療は大崩壊している、近未来の医療をめざせ!
【安心・安全な生活】ナチュラルでシンプルな暮らしがいちばん安心だ
【陰謀】身近に迫る危機、人口削減と人類家畜化を許すな!
【電磁波と原発】迫る首都直下地震、内陸に緑の森林文明を築こう!

PART 2:いつまでダマされるのか、奴隷民族日本人よ
【ケータイで脳腫瘍5倍! 基地局周辺ではがん10倍! 】
【電子レンジで発がん物質! 食べた全員が健康異常】
【マイクロチップの戦慄! 青酸カリ含有「殺人チップ」も】
【遺伝子組換えトウモロコシで巨大腫瘍! すでに人類〝GMコーン漬け〟の戦慄】
【GHQに〝殺された〟麻(ヘンプ)の復活を! 】

PART 3:金儲け医療・製薬マフィアの魔手
【悪魔のワクチン・ビジネス、「断種計画」「病人製造」の陰謀】
【市販薬の落とし穴、「パブロン」1錠で急死! 】
【STAP細胞騒動で復活! 千島・森下学説】
【「無輸血」手術は世界の流れ! 血液製剤、点滴もいらない! 】

PART 4:マスコミが沈黙する日本の危機
【お笑いオリンピック、お祭り騒ぎに浮かれるな! 】
【「日本病」でなぜ負け続けるのか? 官僚主義ウィルスの恐怖】
【悪夢の秘密保護法案、米属軍として日中戦争へ突入か!? 】
【自然「破壊型」から、自然「創造型」の公共事業へ! 】


ま、実は私この本の「1」も読んでまして、ようは、先入観をすてて、頭をからっぽにして愉しむというのが、この手の本の読み方だと思います。
この本に書いてあることが全部本当だったら、それはそれで大変なことだけど、それならそれで、この本がこうして出版され私の手元にあるというのもなんかおかしな話ですよね。…まあ、ひまつぶしには。

「酒・タバコって本当に悪いの?―ジャパニーズ・パラドックス」 橋内 章 読了!

2015年07月28日 13時33分05秒 | 作家 は行
「酒・タバコって本当に悪いの?―ジャパニーズ・パラドックス」 単行本 橋内 章 (著)  2015.7.7読了 。


書いているのは医者の人です。

お酒は体に良い。心臓病予防、赤ワイン良いとか、お酒の適量とは。など。

タバコは吸いたければいくらでもよいとか、脳細胞に良いとか、潰瘍性大腸炎はタバコで治るとか、タバコを吸っても良い年齢とはとか、喫煙は寿命を縮めないとか。

ストレス解消に酒とタバコとか、書いてありますが…。


信じるものは救われるの世界。おれは、自分に都合のいいことだけ、とりあえず、信じとくわ…。5点

「アラビアの夜の種族」(1) 古川 日出男 読了!

2015年05月28日 17時05分48秒 | 作家 は行
「アラビアの夜の種族」(1) [角川文庫] 古川 日出男 (著)  2015.5.27読了 。

聖遷暦1213年。偽りの平穏に満ちたエジプト。迫り来るナポレオン艦隊、侵掠の凶兆に、迎え撃つ支配階級奴隷アイユーブの秘策はただひとつ、極上の献上品。それは読む者を破滅に導き、歴史を覆す書物、『災厄の書』―。アイユーブの術計は周到に準備される。権力者を眩惑し滅ぼす奔放な空想。物語は夜、密かにカイロの片隅で譚り書き綴られる。「妖術師アーダムはほんとうに醜い男でございました…」。驚異の物語、第一部。


面白い! いやー、面白いねぇ~とか最初は思ったんだけどなぁ。
雰囲気がいいんだよね。なんとも、本当に中東の夜更けの町に紛れ込んだみたい。
しかし、読んでいるうちにこのなんとも独特の口調が鼻につくというかなんというか。
長ったらしいというか…。まあ、たぶんこれも1巻でおしまいの予感。…6点。

「桃色浄土」 坂東 真砂子 読了!

2014年10月23日 15時01分38秒 | 作家 は行
「桃色浄土」[新潮文庫] 坂東 真砂子 (著)  2014.10.11読了 。

珊瑚の海の向こうには、愛する死者が生き返る伝説の国がある――。
高知の海辺の村に暮らす海女とイタリア人の禁じられた恋。自然の厳粛さと人間の愛憎を描く書下ろし長編伝奇ロマン!
青い空と海の境から突然、現れた白い異国船。平和な高知の月灘村は、その日から欲望にとり憑かれた。桃色に輝く珊瑚は、人の心をもてあそびながら櫻が浦をさまよっていく――。


実際読んでみると、カバーに書いてあるあらすじよりも遥かに奥が深く、深遠な物語だ。(あたりまえか)
大正中期の四国の漁村を背景に、因習、風土が壮大な世界観の中に描かれている。
どの登場人物も個性的で、この人たちがこれからどんな風に物語にかかわっていくのか、主人公達がどのような末路をたどるのか、ページを手繰る手が止められなかった。美しいのも、醜いのもやっぱり人の心ってもんなんですよね。ラストシーンも◎だったな。…8.5点


「路傍」 東山 彰良 読了!

2014年06月30日 14時30分43秒 | 作家 は行
俺、28歳。金もなけりゃ、女もいない。定職にも就いてない。同い年の喜彦とつるんでは行きつけのバーで酒を呑み、泥酔したサラリーマンから財布を奪ったりしてはソープランドへ直行する日々。輝いて見えるものなど何もなかった。人生はタクシーに乗っているようなもので、全然進まなくても金だけはかかってしまう。そんな俺たちに今日も金の臭いがするトラブルが転がり込む。第11回大藪春彦賞受賞作。



第11回大藪春彦賞受賞作ってことだけで読んだ。まあ、どうでもいいちゃぁどーでもいいお話。中身はないんだけど、最後まで飽きずに読めた。暇つぶしに読むんならこういうのもアリかな。で終わっちゃダメなんじゃないの大藪春彦賞受賞作なんだから。…6点。

「曼荼羅道」 坂東 眞砂子 読了!

2014年04月08日 14時47分35秒 | 作家 は行
「曼荼羅道」 [集英社文庫] 坂東 眞砂子 (著) 2014.4.6読了 。

家業の薬売りを手伝うために妻の静佳とともに富山に戻った麻史は、祖父が残した書き付けから「曼荼羅道」の存在を知る。祖父の蓮太郎は戦時中マレイ半島に渡り、部族の娘サヤを現地妻としたのだった。現代を生きる麻史と静佳、戦後を乗り越えてきた蓮太郎とサヤ。二組の男女の人生が、やがて「曼荼羅道」で交錯する。圧倒的な迫力と濃密な筆致で描く家族、愛憎、そして性。第15回柴田錬三郎賞受賞作。


なんか不思議なお話だった。…7点。
いま、ちょうどwindowsXPのサポートが終わろうとしていて、忙しいのよ。本の感想なんて書いてられないわよ。