ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「カンナ 飛鳥の光臨」 高田崇史読了!

2017年09月20日 20時41分34秒 | 作家 た行
カンナ 飛鳥の光臨 (講談社文庫) 2017.9.20読了。
高田崇史 (著)

伊賀忍者の末裔にして、出賀茂(いずかも)神社のお気楽跡取り・鴨志田甲斐(かもしだかい)。しかし、その平穏は、秘密の社伝『蘇我大臣馬子傳暦(そがのおおおみうまこでんりゃく)』の盗難によって破られる。謎を追って、現役東大生のアルバイト巫女・貴湖(たかこ)と飛鳥へ向かった甲斐は、そこで密室殺人事件に巻き込まれ……。



なんか読んだ感じ、「QED」のライト版という感じ。
「歴史は覚えるものではなくて、考えるもの」。このメッセージから新シリーズが始まる。でもなんか物足りないんだよなー。それに「QED」の方がキャラがたってるかな。…6点。

「QED 鬼の城伝説」 高田崇史読了!

2017年09月15日 22時05分05秒 | 作家 た行
QED 鬼の城伝説 (講談社文庫) 2017.9.15読了。
高田 崇史 (著)

桃太郎の鬼退治は、曇りなき善行だったのか?岡山・吉備津神社に今も伝わる鳴釜神事では、大和朝廷によって退治された鬼神「温羅(うら)」が、釜を唸らせて吉凶を告げるという。一方、桑原崇(タタル)は、旅の途中、鳴ると凶――主が死ぬという大釜に遭遇。事実、土蔵に長男の生首が。事件の核心“桃太郎伝説”の騙りとは?


なんと、QEDシリーズお初です。伝奇ミステリーでしょうかねとか思ってはいたのですが、もう少しミステリー色(探偵物)が強いのかと思って読んでなかったのですが、自分はいい意味で裏切られました。いちお、殺人事件は起こります。しかも連続ですが、ほぼその殺人事件なんて、そっちにおいといて、桃太郎伝説とはいったい何だったのか?ということに大半のページをもってかれます。中央政権に侵略された吉備の民衆の話が、都合のいいように勝者の伝承として1500年も語り継がれることにより嘘も本当のような話になっていったんだという真実がタタルにより明らかにされていく。うーーん。面白い。現代に起きた殺人事件そっちのけな所が実にいい。…7.5点。

「鬼神伝 龍の巻」 高田崇史読了!

2017年09月13日 17時56分48秒 | 作家 た行
鬼神伝 龍の巻 (講談社文庫) 2017.9.13読了。
高田 崇史 (著)

高校生になった天童純は、鎌倉・長谷寺で、死んだはずの水葉に似た少女に遭遇。追いかけるも気を失ってしまう。一方、時を遡って鎌倉時代、刀鍛冶を志す十五歳の王仁丸は、仲間を刑場から救い出しにきた鬼の少女と、その手に携えられた大太刀「鉄丸」を見て、何かとんでもないことが起きる予感に襲われる。


「鬼神伝」3作目。
こちらは、ノベルスを文庫化したもの。一般向けにかかれたもので、やはり、ストーリーの厚みは増しているが、その分、スピード感や、爽快感に欠けているのかも。もうちょっと、いちゃいちゃしてほしい。…6点。

「鬼神伝 神の巻」 高田 崇史読了!

2017年09月13日 15時41分50秒 | 作家 た行
鬼神伝 神の巻 (講談社文庫) 2017.9.11読了。
高田 崇史 (著)

再び平安時代に飛ばされた天童純は、鬼の少女・水葉らと再会する。一方、貴族は、鬼神たちを封じ込めるため、三種の神器の一つ、純の持つ草薙剣を奪おうと画策、さらには破壊仏までも召喚しようとする。「鬼」と「人」との激しい戦いの中、大事な仲間を失った純は、自分の命よりも大切なものがあると気づくのだが。


「鬼神伝 鬼の巻」の続編。
やはり、元が同じく児童書なので、読みやすい。
前回の話よりも、各登場人物に感情移入しやすく、親しみが持てた、ゆえに最後のオロチと水葉を失うラストは悲しい。…7点。

「鬼神伝 鬼の巻」 高田 崇史読了!

2017年09月13日 15時34分01秒 | 作家 た行
鬼神伝 鬼の巻 (講談社文庫)  2017.9.10読了。
高田 崇史 (著)

京都の中学生・天童純は、密教僧・源雲の法力によって時空を超え平安の都に飛ばされてしまう。そこは、「鬼」と貴族たち「人」が憎みあい、争う世界だった。選ばれし者として雄龍霊を復活させた純は、鬼退治に向かうも、その最中に出会った鬼の少女・水葉から、鬼こそが大和の神々の子孫であると聞かされる。


初出が児童書であることもあり、内容がやや薄い。
しかし、それゆえ、読みやすくスピード感がある。
自分たちが、歴史として認識している事が実は、客観的な事実かどうかはわからないというテーマで書かれている。…6点。

「減速して自由に生きる: ダウンシフターズ」 髙坂 勝読了!

2017年03月07日 21時40分15秒 | 作家 た行
減速して自由に生きる: ダウンシフターズ (ちくま文庫)2017.3.7読了。
髙坂 勝 (著)

システムから降りて好きなことをしても大丈夫!そこには楽しい人生が開けている。経済成長を追い求める企業でストレスを抱え自分の時間もなく働く人生よりも、小さく自営し、人と交流し、やりたいことをしたい。そう考えた著者の、開業までの道のりと、開業の様々な具体的なコツと考え方、生き方を伝える。文庫化にあたり15の方法を1章分追記。



これはこれでおいそれとはサラリーマンをやめられませんね。楽しそうだとは思うけど、この方は、大工、左官、調理、執筆、農業など色々な能力を持っている。それにこの対人能力、とても人嫌いの私にはできそうにない。二日酔いでもタイムカードさえおせばなんとかお金もらえちゃうサラリーマンの方が楽かもしれない。まっ、どっちが楽かで語られているわけではないんですがね。半農+生業が生活の基盤になるのはわかるが、そこまでの決断力と行動力がどうも伴わない。しかも、米を自給できるとも現段階ではとても思えない。とりあえず、家庭菜園で野菜でも育ててみよっか?…5点。

「地を這う虫」 高村 薫読了!

2016年03月16日 17時11分09秒 | 作家 た行
地を這う虫 (文春文庫) 2016.3.16読了。
高村 薫(著)

「人生の大きさは悔しさの大きさで計るんだ」。拍手は遠い。喝采とも無縁だ。めざすは密やかな達成感。克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にありながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語です。深い余韻をご堪能ください。


「愁訴の花」、「巡り逢う人びと」、「父が来た道」、「地を這う虫」の四編からなる短編集。主人公はそれぞれ元刑事だが、今は他の職業に就き漠然とした虚無感を抱いている。ふとしたことをきっかけとして、元刑事の過去が目覚め、それにより普段は人に見せないプライドみたいなものが垣間見られる。しかし目前の事象を受け入れ地道に生きていくしかない現実の前には、そのプライドも一瞬のまぼろしでしかない。地味な短編集だが、一編一編が鈍く光るような重みを持つ。「地を這う虫」のラストが特にいい。…6.5点。

「13階段」 高野和明読了!

2016年02月17日 16時11分05秒 | 作家 た行
13階段 (文春文庫) 2016.2.17読了。
高野 和明 (著)

無実の死刑囚を救い出すために与えられた期限は三ヶ月、報酬は一千万円だった。不可能とも思える仕事を引き受けた二人の男に待ち受けていた運命とは―手に汗握る展開と、胸を打つ驚愕の結末。現代社会の罪と罰を問い、圧倒的なサスペンスで読書界を震撼させた江戸川乱歩賞受賞作。『十年ぶりの後書き』収録。




ストーリーも面白くひきずりこまれたし、最後のどんでん返しもイイ。
しかも、この小説には「死刑制度」という重いテーマがあり、人が人を裁き、そして、死に至らしめるとはどういうことか、考えながら読みすすめていくことになる。
そして、あまり脚光をあびない刑務官を主人公にしたことで、その仕事内容や、制度など興味深い事柄も多い。薬丸岳さんを小説執筆に導いた本らしい。面白いはずだ。ただどうしてもバイク事故の説明が不十分であると言っておくけど。…8点。

「ジェノサイド」 上・下  高野和明読了!

2016年02月02日 21時44分06秒 | 作家 た行
ジェノサイド 上・下 (角川文庫) 2016.2.2読了。
高野 和明 (著)

イラクで戦うアメリカ人傭兵と、日本で薬学を専攻する大学院生。まったく無関係だった二人の運命が交錯する時、全世界を舞台にした大冒険の幕が開く。アメリカの情報機関が察知した人類絶滅の危機とは何か。そして合衆国大統領が発動させた機密作戦の行方は―人類の未来を賭けた戦いを、緻密なリアリティと圧倒的なスケールで描き切り、その衝撃的なストーリーで出版界を震撼させた超弩級エンタテインメント、堂々の文庫化!




人の進化、創薬、湾岸戦争の背景、軍需産業とアメリカの政治、米国国家安全保障局のはなし、エシュロンのこと、子ども兵のはなし、日本人の人種差別に至るまで、いろんな話を織り込み、壮大なスケールで書かれたエンタテインメント小説。
いったいどれ程の取材や、資料を読まれて書いたのか? こんな小説、そうそう書けるもんじゃないよな。
エンタテインメント小説として最高に面白い、だが単に面白いだけでなく、その背後には、人間はなぜ互いに殺戮しあう? はたして人間は存続に値する生き物なのだろうか? 
本書は読者に投げかけてくるのだ。
すごいもん、読んじゃったー。最高に面白く、そして、心に残る傑作。…9.5点。

「孤独の歌声」 天童 荒太 読了! 

2015年10月06日 16時23分54秒 | 作家 た行
孤独の歌声 (新潮文庫) 2015.10.5読了
天童 荒太 (著)

凄惨な殺人事件が続発する。独り暮らしの女性たちが監禁され、全身を刺されたかたちで発見されたのだ。被害者の一人が通っていたコンビニエンス・ストアの強盗事件を担当した女性刑事は、現場に居合わせた不審な男を追うが、突然、彼女の友人が行方不明に。孤独を抱える男と女のせつない愛、噴き上がる暴力――。『家族狩り』『永遠の仔』につながる、天童荒太のまさに出発点。



女刑事の風希と歌手を目指してるコンビニ店員潤平と連続殺人犯人。
形は違うがそれぞれ3人とも「人間の孤独」を抱えている。
これがこの天童さん独特な感じかな。
なんか、やっぱ全体的にせつねえんです。
ただのミステリーとかサイコものではないんですよ。
でも、ミステリーとしてもよく出来ていて、
プロット、伏線、上々です。
一気読みでしたよ。…8点。