ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「ユリゴコロ」 沼田まほかる 読了!

2015年11月30日 10時38分28秒 | 作家 な行
ユリゴコロ (双葉文庫)  2015.11.27読了。
沼田 まほかる (著)

ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題された4冊のノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。この一家の過去にいったい何があったのか―。絶望的な暗黒の世界から一転、深い愛へと辿り着くラストまで、ページを繰る手が止まらない衝撃の恋愛ミステリー!各誌ミステリーランキングの上位に輝き、第14回大藪春彦賞を受賞した超話題作!




途中までの平気で人を殺す頭おかしい人の告白文に共感できないし、
なんか素人探偵が一家の謎を解き明かすみたいな展開?かなぁ~
なんかあんまおもしろくな~なんて思いながら中盤に来ると、
どーんと物語はうねって、新たな展開に。
頭おかしい人のミステリーホラー?から
深い家族愛の物語?へ(このあたりで鳥肌立てて読んでたけど)
また、そこから、ひとつ落ちのあるラストへ。
不覚にも、鳥肌を通り越し、電車の中なのに泣きそうになり、変顔で必死にごまかした。あーつかれた。
しかし、人間、あんなに変われるものだろうか?だから面白かったけど…6点。


2019.10.24再読。
あまりにも面白かった。ストーリーはほぼ忘れていた。
地獄から天国。ホラーミステリーから家族の愛の物語へ。
ちょっとしたどんでん返しじゃなくて、まったく別物になっていく小説。
こんなことできるんだなぁー。小説ってすごいなー。と小説の面白さを再確認した作品。
ほんと沼田さん、スゴイ!よ。…9点。(なんではじめて読んだときとこんなに評価違うんだろ?まあー、テキトーにつけてるってことなんだろーね。点数なんか)

「今夜、すベてのバーで」 中島 らも 三回目の読了!

2015年08月13日 15時25分01秒 | 作家 な行
「今夜、すベてのバーで」 講談社文庫 中島 らも (著)  2015.8.10読了 。

薄紫の香腺液の結晶を、澄んだ水に落とす。甘酸っぱく、すがすがしい香りがひろがり、それを一口ふくむと、口の中で冷たい玉がはじけるような……。アルコールにとりつかれた男・小島容(いるる)が往き来する、幻覚の世界と妙に覚めた日常そして周囲の個性的な人々を描いた傑作長篇小説。吉川英治文学新人賞受賞作。。


ただたんにアルコール中毒の人の入院記。なんだけど、それをこれだけの小説にしてしまう中島らもさんはすごい!ってはなし。「ガダラの豚」に並ぶらもさんの最高傑作(アル中の俺にとっては)…。10点

「恋人よ」 野沢 尚 読了!

2014年07月01日 16時13分33秒 | 作家 な行
「恋人よ」(上・下)[幻冬舎文庫] 野沢 尚 (著)  2014.6.30読了 。


お腹の子供の父親はあなたではないかもと告げられた航平。夫となる男を愛しきれぬまま結婚式を挙げようとする愛永。二人の男女はそれぞれの結婚式の直前に運命的に出会う。ホテルの一室で交わした二秒のキス。二人は不確かな再会を誓って、それぞれの式にのぞんだ。それから半年後、愛永夫婦が航平たちの隣りに偶然、越してきた―。
航平と愛永は、郵便局の私書箱を使って手紙のやりとりをはじめた。一方、航平の妻・粧子のお腹はどんどん大きくなり、嵐の夜、ついに女の子を出産する。だが生まれてきた子供は航平の子ではなかった。そしてその父親とは…。運命を引き受けた大人たちが、つまずきながらも、狂おしいほど人を想う。愛することの喜びと、苦しさを描く恋愛小説。


やっちゃならんと思いながら、一日(とその日の夜も)で上下刊読破。ページをめくる手が止められなかった。前半ちょっと偶然が多すぎる気もするが…。これぞ純愛小説の傑作!…8点。

「妻が椎茸だったころ」 中島 京子 読了!

2014年05月16日 16時13分30秒 | 作家 な行
「妻が椎茸だったころ」[単行本(ソフトカバー)] 中島 京子 (著)  2014.5.15読了 。

オレゴンの片田舎で出会った老婦人が、禁断の愛を語る「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」。暮らしている部屋まで知っている彼に、恋人が出来た。ほろ苦い思いを描いた「ラフレシアナ」。先に逝った妻がレシピ帳に残した言葉が、夫婦の記憶の扉を開く「妻が椎茸だったころ」。卒業旅行で訪れた温泉宿で出会った奇妙な男「蔵篠猿宿パラサイト」。一人暮らしで亡くなった伯母の家を訪ねてきた、甥みたいだという男が語る意外な話「ハクビシンを飼う」。
5つの短篇を収録した最新作品集。


「妻が椎茸だったころ」って本のタイトル、いいよねぇ。

「ハクビシンを飼う」がなんかよかったな。不思議なお話だった。…6点。

「今夜、すベてのバーで」 中島 らも 読了!

2013年07月24日 12時58分40秒 | 作家 な行
「今夜、すベてのバーで」 (講談社文庫)  中島 らも (著) 2013.7.21読了。

禁断症状と人間を描いた中島らもの傑作小説アル中患者として入院した小島容。途切れ途切れに見える幻覚、妙に覚めた日常、個性的な人々が混然一体となって彼の前を往き来する。面白くてほろ苦い傑作長編。

また、テンプレート取り上げられちゃったよ。
2回目の読了!面白いものは、何度読んでも面白い!やっぱ中島 らもさん天才!…9点。

「ニサッタ、ニサッタ」(上・下)  乃南 アサ  読了!

2013年02月18日 13時40分41秒 | 作家 な行
「ニサッタ、ニサッタ」(上・下) (講談社文庫) 乃南 アサ (著)  2013.2.15読了。

転職した会社が倒産してしまった片貝耕平は、人材派遣会社に登録したがどの仕事も長続きせず、担当者と喧嘩して辞めてしまう。アパートの更新もできなくなり、一発逆転を夢見てギャンブルにのめりこんで消費者金融の「回収担当」に追われる身となった耕平は、ようやく住み込みの新聞配達の仕事を見つける。

借金を何とか返し終えた耕平は、北海道・斜里の実家に戻る。その雄大な自然に癒されたものの、働き口は見つからない。そこに新聞配達所で一緒だった沖縄出身の竹田杏菜が突然やって来る。ようやくスーパーの正社員の道が見えてきた矢先、酒酔い運転で事故を起こしてしまう。明日への希望を問う感動長編。


主人公がどうなるのか知りたくて、読む手が止められない…9点。

「罪と罰の果てに」 永瀬 隼介 読了!

2013年01月10日 13時35分56秒 | 作家 な行
「罪と罰の果てに」 (光文社文庫)  永瀬 隼介 (著) 2013.1.6読了!


千葉県房総半島の漁師町。「キリストさん」と呼ばれる古紙回収業の男は、町の人々に親しまれていた。二人の少年は、その男に「神」を見た。一方、新興宗教の頚木から逃れ、「地獄」を見てきた幼い兄妹。この4人が交わったとき、悲劇は起きた。そして、17年後、4人はそれぞれの形で「真実」と向かい合うことになる―。

永瀬隼介
1960年、鹿児島県生まれ。週刊誌記者を経て、ジャーナリストとして独立。本名祝康成名義でノンフィクションを上梓。2000年『サイレント・ボーダー』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



7点。まあ、ちょっとご都合主義なところもあるけど、面白かった。人物の描写が上手いよね。

「今夜、すベてのバーで」 中島 らも 読了

2011年11月15日 16時12分24秒 | 作家 な行
「今夜、すベてのバーで」 (講談社文庫) 中島 らも 2011.11.15読了

完全無欠のアル中患者として緊急入院するハメになった主人公の小島容。全身ボロボロの禁断症状の彼方にほの見える“健全な生活”。親友の妹さやかの往復パンチ的叱咤激励の闘病生活に次々に起こる珍妙な人間たちの珍事件……。面白くて、止まらない、そしてちょっとほろ苦い、話題沸騰、文壇騒然の長編小説。
第13回吉川英治文学新人賞受賞

この小説に酩酊した! おもしろくって、ほろ苦い。

8点(10点満点)

「ガダラの豚」  中島 らも 読了!

2011年07月28日 20時42分32秒 | 作家 な行
「ガダラの豚」 (集英社文庫1・2・3巻)中島 らも 2011.7.27読了。


●勝手に採点 9点(10点満点です) 


●おおざっぱなあらすじ

1巻:呪術医研究で業績のある民族学学者、大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。8年前に東アフリカで長女の志織を亡くして以来、アル中に。妻の逸美は神経を病み、新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てる。

2巻:大生部一家はテレビの取材で再びアフリカへ。助手の道満、エスパーの清川、長男納、ほかスタッフ6名。一行は目的地の村、クミナタトゥに到着。大呪術師バキリの面会に成功し、そして最大の禁忌を犯す。危機一髪ケニアを脱出するが。

3巻:6人もの犠牲者を出し、娘を取り戻し日本に帰国するが、志織を奪いに呪術師バキリは東京に来ていた。番組関係者の周辺で次々奇怪な事件が起き、元・プロデューサーの馬飼は大生部一家と大呪術師バキリが対決する生番組を企画。
超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。日本推理作家協会賞受賞作


●ひとこと感想

◎あー、おもしろかった! なんかインディ・ジョーンズみたいな小説だった(謎)。なんか読み終わっちゃうとなーんも残んないけどね…。

超大スケールのエンタテインメント小説。おもしろい小説の要素がぎっしり詰まってますよ。ハラハラドキドキ、そしてワクワク。笑って、泣いて。登場する人物がどれも魅力的だし。宗教的・民俗学的ウンチクもバッチリ。だし…。あと、なんか必要かな…。 とにかくリアルで広大な冒険の世界がこの本に詰まっているんですよ。一読の価値アリアリ、長いけどね。