ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「サグラダ・ファミリア「聖家族」」 中山可穂読了!

2016年08月25日 16時51分34秒 | 作家 な行
サグラダ・ファミリア「聖家族」 (集英社文庫) 2016.8.25読了。
中山 可穂 (著)

将来を嘱望されながら、ある事件をきっかけに落ちぶれてしまったピアニスト響子。酒に溺れながら孤独に生きる彼女のもとに、かつて恋人だった透子が戻ってきた。ある日突然、赤ん坊を抱いて。しかし、女同士のカップルと赤ん坊の不思議な関係は、突然の透子の死によって壊れてしまう。希望を失いかけた響子の前に一人の青年が現れた―。切ない愛と新しい家族のかたちを描く、恋愛小説の傑作。


ほんわかしていいんだけど、こういうの読むと心がちぎられるような話を読みたくなる。…7点。

「感情教育」 中山可穂読了!

2016年08月24日 04時38分34秒 | 作家 な行
感情教育 (講談社文庫) 2016.8.23読了。
中山 可穂 (著)

前世から契りあった恋人はあなたですか?今度こそ永遠に契りあうために、あなたはそこで待っていてくれたのですか?那智と理緒。傷つくことにすら無器用な二人が出会ったとき、魂がふるえ、存在の根源をゆさぶる至高の恋が燃えあがる。同性同士の愛の極北を描く、山本周五郎賞受賞作家による傑作長篇。


作者のこの作品に対しての思い入れがスゴイ!(あとがき)。自分はそんなでもない。…7点。

「マラケシュ心中」 中山可穂読了!

2016年08月19日 20時05分21秒 | 作家 な行
マラケシュ心中 (講談社文庫) 2016.8.19読了。
中山 可穂 (著)

山本周五郎賞作家がおくる渾身の恋愛小説 歌人・緒川絢彦が愛した相手は、恩師の妻・泉。愛は、極めたら死なねばならない。ロシア、スペイン、そしてモロッコへ、女と女の濃密で命がけの愛の行方……。


読んでいて苦しい、でもラストがハッピーエンド。ま、それでもいいけど…8.5点。

「白い薔薇の淵まで」中山可穂読了!

2016年08月16日 18時10分44秒 | 作家 な行
白い薔薇の淵まで 単行本 2016.8.16読了。
中山 可穂 (著)

ジャン・ジュネの再来と呼ばれる女性新人作家・山野辺塁と、平凡なOLの「わたし」は出会った途端に恋に落ちた。求め会う二人の性愛の行き着く果ては…? 第14回(2002年) 山本周五郎賞受賞


いやー、まいった…8.5点。


「花伽藍」 中山可穂読了!

2016年08月12日 17時49分53秒 | 作家 な行
花伽藍 (角川文庫) 2016.8.12読了。
中山 可穂 (著)

夏祭りの夜の出会いから別れまでの濃密な恋の顛末を描いた「鶴」、失恋したばかりの一夜の出来事「七夕」、離婚した夫が転がり込んできたことから始まる再生の物語「花伽藍」、恋人とともに飼い猫にまで去られてしまった「偽アマント」、未来への祈りを託した「燦雨」。結婚という制度から除外された恋愛の自由と歓び、それにともなう孤独を鮮烈に描いた、彩り豊かな短篇集。


『燦雨』が秀逸…7.5点。

「弱法師」 中山可穂読了!

2016年08月10日 16時27分36秒 | 作家 な行
弱法師(よろぼし) (文春文庫) 2016.8.8読了。
中山 可穂 (著)

かなわぬ恋こそ、美しい―雨の気配を滲ませた母子に宿命的に惹かれ、人生設計を投げ捨てたエリート医師(「弱法師」)。編集者の愛を得るために小説を捧げ続けた若き作家(「卒塔婆小町」)。父と母、伯母の不可思議な関係に胸をふるわせる少女(「浮舟」)。能のモチーフをちりばめ、身を滅ぼすほどの激しい恋情が燃えたつ珠玉の三篇。


「卒塔婆小町」がいい…7点。

「隣人」 永井するみ読了!

2016年04月21日 19時09分27秒 | 作家 な行
隣人 (双葉文庫) 2016.4.21読了。
永井 するみ (著)

優しい夫に真っ白でふわふわな猫―美由紀の満ち足りた生活は、夫の溺死によりピリオドが打たれる。しかしそれは、新たなる絶望への幕開けに過ぎなかった。小説推理新人賞受賞作「隣人」を含む戦慄のサスペンス集。予測のつかない結末6篇!



「隣人」「伴走者」「風の墓」「洗足の家」「至福の時」「雪模様」6編からなる短編集。
最後まで、二転三転する展開。ゾーッとするような人間の怖さを浮き彫りにする。
突然、ありきたりの日常に、毒を盛られた感じだろうか。短編としては読みごたえあり。…6点

「リミット」 野沢尚読了!

2016年03月01日 23時22分32秒 | 作家 な行
リミット (講談社文庫) 2016.2.29読了。
野沢 尚 (著)

連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。婦人警官でなく、1人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに……。驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点!




野沢尚さんの小説はあまりはずれた記憶がない。
誘拐されたわが子を奪還するため、犯人グループと対峙し、そして、仲間であるはずの警察組織も敵にまわし追われることになる、孤立無援の婦人警官である母親が主人公。
まさに母性だけを頼りに、徒手空拳で犯人グループに立ち向かっていく様は子どもを持つ親なら、共感せずにはいられない。ましてや、母親ならばましてそうだろう。
途中からは、読みすすめるのがつらくなり、何度も本を置いた。
そして、読者としての自分自身も主人公とともに満身創痍でラストにたどり着く事になる。それにしても母は強し。…8点。

「掏摸(スリ)」 中村文則読了!

2016年02月10日 16時02分29秒 | 作家 な行
掏摸(スリ) (河出文庫) 2016.2.10読了。
中村 文則 (著)

東京を仕事場にする天才スリ師。
ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎、かつて仕事をともにした闇社会に生きる男。木崎は彼に、こう囁いた。
「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。逃げれば、あの女と子供を殺す」
----運命とはなにか、他人の人生を支配するとはどういうことなのか。
そして、社会から外れた人々の切なる祈りとは……。大江健三郎賞受賞作にして、LAタイムズ文学賞候補作、アメリカ「ウォール・ストリート・ジャーナル」2012年ベスト10小説、アメリカ・Amazonのbest books of the month(March)に選ばれたベストセラーがついに文庫化。



中村文則さんの小説、初読みです。
文体に個性があり、雰囲気がある。うまいとは思わないが、人を惹きつける文章だ。
人の描き方も、薄く、曖昧な書き方で、人物造詣が足りないかと思ったが、突き放した感じで、ひょっとしてこれも著者の持ち味だろうか?
物語りも、細部の説明が足りず、読者の判断にゆだねるところが多く、荒っぽいし、雑なストーリー展開。
主人公がスリというのは、面白い。
あとは、もうこの著者の文体の魅力に尽きる。荒削りだが魅力的。…7点。
他の作品も読んでみたいと思わせる作家さん。

「さわらないで」 新津きよみ読了!

2016年01月13日 13時26分00秒 | 作家 な行
さわらないで (祥伝社文庫) 2016.1.12読了。
新津きよみ (著)

夫・夏彦の浮気が原因で、5年の結婚生活に終止符を打った恵子。再就職先を捜し始めた矢先、夏彦の母・妙子が一緒に暮らそうと押しかけてきた。元義母に義理はない。恵子は拒否したが、その時、彼女は驚くべき脅迫の言葉を吐いた。「あなたの秘密を知っているのよ」…なぜあのことを?ストーカーと化した元姑。恐怖の共同生活の行く末に待つ殺意とは…!?心理サスペンスの傑作。


タイトルにつられて読んでみたが。
まあ、読みやすく(読みやすすぎる)、暇つぶしにはなるかもしれんが。

カバーに「ホラー書き下ろし」とか書いてあるけど…。
どこが、ホラーなのか?
まったく、怖くもないし、面白くもない。

小説かね、これ?
女性週刊誌かよ。…3点。