ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「コインロッカー・ベイビーズ」 村上 龍 読了!

2011年08月05日 15時23分57秒 | 作家 ま行
「コインロッカー・ベイビーズ」(上・下) 村上 龍 (講談社文庫) 2011.8.4読了。


●勝手に採点 8点(10点満点です) 


●おおざっぱ(じゃないじゃん)なあらすじ

コインロッカーを胎内としてこの世に生まれ出たキクとハシ。罪の子ふたりの心に渦まく愛と憎悪。廃墟と化した東京の上空に、華やかなステージに、そして南海の暗い海底に強烈な破壊のエネルギーがほとばしる。巨大な鰐を飼う美少女アネモネの願いは? 破壊の意志を持つというダチュラの凶々しき響き。果してダチュラとは何か? そして、巨大な暗黒のエネルギーがもたらすものは?


●ひとこと(じゃないじゃん)感想

◎「自分の欲しいものが何かわかってない奴は、欲しいものを手に入れることができない」
村上龍の代表作だな…やっぱり。
ハードル上げて読んだけど、最初から最後まで村上龍ワールド全開でよかった。
村上龍を初めて読む人に薦める。
1980年代以降の時代背景なのに、描き出される風景がなんか近未来的なんだよな。
引きこもる内向性のハシ、エネルギーをもてあまし、常に疾走するキク。自閉と破壊。
この小説に自分のイメージはついてゆけず、次の場面、次の場面と気持ちを整理して読んでいかなければならず、なんか痛かったり、苦しかったりと、…疲弊したりもした。(そんで、読後感ちょっと爽快ってどういう本だよ?)
また、例によってまともな人間が一人も出てこないので当然誰にも感情移入できないところもgood! あ、二人の里親の和代はまともだったなぁ…そういえば。
しかし、まとまりのない感想だな。

自分が10代の頃に読んでいたら、人生観になんらかの影響をうけたんじゃないかな? なーんて思える小説。