有終の美

自転車を飛ばして帰宅すると、

「おかえり～！」と妻のしとりんが笑顔で出迎えてくれました。

「ああ、喉が渇いた。水飲みたい！」と冷蔵庫のドアを開けようとすると、

「いいものを用意しているから、まだ待ってて」と私を夕食のテーブルに座らせました。

そして、取り出してきたものは「１番〇り」のビールでした。

「お疲れ！」と乾杯して冷たいビールを飲み干しました。

普段はめったに飲まないビールですが、この日だけは夫婦で打ち上げいたしました。

「毎日、お弁当をつくってくれてありがとう！」と心から感謝いたしました。

お肉も魚も使わないベジ弁当はとても美味しくて、とても助かりました。

それから大好物のお赤飯も炊いてくれてました。

これが美味いんだなぁ。


そして食後にケーキが出てきました。

「おお～～～～！」と思わず雄叫びをあげてしまいました。

何だか定年を迎えた気分になってきましたが、

こんな嬉しい演出をしてくれたしとりんに感謝いたしました。

そして、私たちを取り囲むように、たくさんの天使さんたちが祝福してくれていました。

ケーキ、美味かったなあ。

無執着

昨日で介護の仕事を終了いたしました。

最後だというのに８時まで仕事をしていました。

だって、３時以降から次々と、

「す～さん、これをお願いします。あれもお願いします」と、

まるで駆け込んでくるかのように仕事の依頼がありました。

私が管理者でいるうちに書類を整理しておきたかったのでしょう。

まるで締め切りの原稿を抱えた売れっ子作家になった気分でした。

そのため３時過ぎから猛烈な勢いで仕事をこなしました。

６時に所属部署全スタッフからのねぎらいの言葉と記念品をいただき、

お別れの挨拶をしました。

普通はそこで退出するのですが、６時以降も２時間残務処理をいたしました。

結局、退出は８時となり、同僚たちは全員帰宅して私１人だけとなっていました。

他の部署のスタッフが数人残っていましたので、

お別れの挨拶をし外に出ると、もう何の未練もなくサバサバしていました。

翌日からは新しい仕事が待っています。

光に向かってまっしぐらに突き進んで行きます。