緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

教え方のコツ;6つのマイクロスキル

2016年11月23日 | 医療

ある事象を見ると
即座にSOAPが頭を走ります・・

なので、
ぐちゃぐちゃのプレゼンされると、
心も頭もぐちゃっ・・となってしまいます。





「いやいやそれは、大丈夫です。
 〇〇なんですよ~(おわり)」

なんてプレゼンされると、

(大丈夫というAだけ???
 〇〇の根拠は?客観的な情報は?
 で、Pは・・・・)






「〇〇だと言っていた患者さんが
 〇〇だから、〇〇なので、〇〇して・・・」

(Sばっかり・・・だから、何か言いたいの?
 Oは?でAは?それでどうするの・・P??)



ちなみに
S;Subject(患者さんの主観的な事象、話した言葉そのまま、態度そのものなど)
O;Object(客観的情報、血圧、脈拍、意識レベル、身体所見、嗜好、環境情報、家族情報など)
A;Assesment(問題点の列挙とその評価)
P;Plan(何をするか、プラクティカルな・実行性のある計画)



こうなると、

問題点は何???

それで、どうしようと思ってる?

一般的には・・・・って言われるでしょ。

ちょっとこれ読んでみて・・・



と、畳み掛けてしまう・・・
これが速いと攻め込んでいるようになってしまう・・・





研修医教育は、私の所属している大学病院は
私が今まで働いたことがあるどの施設より、
とても充実しています。

社会的な評判などから、えっ?っと思われるかもしれませんが、
定期的なFD(教員教育)がよく、
基本的な態度や方略をスキルアップしていく道筋があります。

本来、とても優秀な若手医師ばかりなら、
改めて教えようとしなくても
自ら学ぶ方法を身に着けていくのですが、
私学では、中々そうはいかないため、
兎に角、手をかけた教育ができるよう
教員が鍛えられます。




ですから、
医師教育や医療教育はまだよいのですが、多職種で、
特に、その職種が活躍する分野が医療だけではないものでは
改めて、卒後の医学教育が必要なのだろうと
ひしひしと感じることがあります。

また、教育病院ではない病院では
意識の差が大きいのは
いたしかたないことです。







ああ・・・自戒を込めて・・・

今一度、おさらい・・



Six Micro-skills

1.研修者の考えを聴く
 「〇〇さんは、どう考える?」

2.研修者が述べる根拠を聴く
 「なぜ、そう考えたのかな?」

3.一般論を示す
 「ここで大事なことは・・・」

4.できたことを褒めて強化
 「特に、・・・したことは良かったね」

5.誤りを正す
 「今度は・・・しようね」

6.さらなる学習を勧める
 「ちょうど良い機会だから、
 ・・・・・(これを読んでみて)
 (この論文を読んでみて)」



大学では、この6つのステップを書いた紙が
私の白衣に入っているのですが、
入っているだけではだめで、
実行しないとですね・・・

今日は、17時から管理当直なので、
白衣から出して、きちんと眺めて心に刻もうと思います。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 熊本の震災はまだ続いていま... | トップ | 一般演題・PAL募集は来年1月5... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事