以前にも書いたことがありましたが・・ +++++++++++++++++++ そんな時、患者さんである夫が一言
とても、家に帰りたい患者さん
絶対家に帰ってきてほしくない妻
・・と、いう熟年ご夫婦に
このところ出会うことが多くなっています。
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「今まで苦労かけたねえ。ありがとう」
「暫くでいいから、力を貸してくれないか・・」
何て、言ってくれるといいのに・・
と思うことがあります。
家族の関係は私達が関わる前からの長い歴史があります。
その歴史のまま続いていくしかないのだろうと思います。
次の句は、私の大切な友人のご主人の作品です。
友人は暫く入院生活を余儀なくされていました。
秋の妻数かぎりなき人の中 尚毅
この句を読んだとき
ある映像が思い浮かんできました。
かなり以前のコマーシャルですが・・
サラリーマン風の唐沢寿明が
街の中の交差点でわたろうとする妻を見かけます。
信号が変わり
一斉にわたり始める雑踏に
妻が押されるのを見て
あっという表情をしますが
妻は雑踏の中に流れていきます。
遠くで見守ってくれる
夫の優しさを感じ、好きなCMでした。
この友人のご主人の句は
俳句研究の俳句時評に掲載されています。
その抜粋ですが
『・・・「秋の妻」ということばの、なんと静かに寂しいことか。人は誰も「数かぎりない人の中」のひとりでしかないが、生活を共にし、存在が確実であった「妻」が群集に紛れてしまうと、その存在が必ずしも確実ではないことを思い知らされる。その「数かぎりない中から、見失わないように「妻」を引き戻さねばならない。・・」(俳句研究3月号 俳句時評 井上弘美 p.200 前後略し、原文のまま)
病を抱える友人を支えるご主人のその繊細な心に
何とも言葉にできない切なさと優しさを覚えました。
でも、みごとに春の妻は目の前に戻ってきています!
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我が主人の場合は、本人が家に帰りたくないと、必死に申しましたが、それ以外にも、家で過ごすには、非常に難儀な状態になりましたので(食事が摂れず、胃瘻はしているし、痛み止めは、24時間、状況にあわせて、増減していましたし、譫妄は凄いし・・・。)
家にいられる状況ではなかったように思われます。
患者さん・ご家族の想いと、病状を診ての判断になると思いますので、国が、在宅が何割とかって決めるのは、難しいと思います。
(PS:踏み絵は踏まず、乗り越えています~)
ぴょんさん、国はがんで在宅で亡くなる人を今の5%から40%にしようとしています。無理・・
「家に帰りたくない!!」と、口を開けば申しておりました。
何だよ~~!!!でありました。
まぁ、癌性腹膜炎による腸閉塞になってからは、「いつお腹が痛くなるか解らなくて、家に帰るのは、怖い!!」と言うのが主な理由でしたが・・・・。
再発してから、怖くて怖くて、家に帰りたくない人でした。
家に帰すの、必死でしたっけ。
こんな患者、珍しかったと思います。
そう、私たち医療従事者は、(特に人の生死に直接立ち会う医師・看護師は)学生の間にいくつもの『踏み絵』を踏み、それでもこの仕事を選び、免許を取り、臨床で働いている。そして、日々働く中で、いくつもの『踏み絵』を踏みながら、尚この仕事に従事している。なぜか?
どの医師にも看護師にも、他の医療従事者にも、心の根底には医の心があるはず。同じ思いで患者さんに関わっているはず。今後は、そう信じて、医師との関わりを持っていこうと考えさせられました。
ありがとうございました。