エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

シューパロ湖の西・・八百五十峰

2023年02月14日 | 山紀行 (増毛・夕張・芦別)
シューパロ湖の西・・八百五十峰(850m)
■ 山 行 日     2023年2月13日(月)  日帰り
■ ル ー ト     R452シューパロ湖~東尾根ルート 往復
■ メ ン バ ー      夫婦登山 №06
■ 登 山 形 態      山スキー
■ 地 形 図     1/25000地形図 「シューパロ湖」「栄町」
■ 三角点・点名    三等三角点  点名「主夕張 シュユウバリ」
■ コースタイム     登り 2時間50分     下り 1時間20分
<登り>
08:20         登山口P帯    
08:55         標高点474
11:00         C830稜線
11:10         頂上

<下り>
11:40         下山
13:00         登山口P     -1℃



GPSログを地形図に移行しましたが、誤記入があり汚くなり申し訳ない。

★ 前日に見付けた美味しい山・・・
北大雪の遠征を現地で断念して帰宅したのは11日の昼頃・・・。
午後から雪の降った後の安平山にスキーを持って出掛け、登山道からシーズン初めて山スキーで登
る。積雪は少し足りないが2度登り返してBCを楽しんだ・・・。
翌12日は、一日疲れを癒す日も栗山町にある小林酒造蔵元に新酒の限定酒「ピンまる」を買いに
出掛ける。( 8日から販売開始、蔵元限定酒なので売切れる前にと急いだ )
そしてその夜、チーヤンがふと「八百五十って面白そう・・」と呟き、記録を観始めたのがキッカ
ケとなり早々出掛ける事になった。

ほぼ初耳のお山「八百五十」って何?である。
場所は、夕張・シューパロ湖の西側に南北約6㎞に及ぶ稜線に連なる最高峰。標高が850mなの
でこの名が付いたのか?三等三角点があり、点名は「主夕張」なのだが、漢字で書く「八百五十」
の意味が分からない。しかし、その記録と写真を見ると美味しそうな場所が要所要所にあり登行意
欲を掻き立てた。
これなら行って見ようかと初挑戦することになった。



登山口の道路向かいには広い駐車帯があるが、本来除雪車両の回転場なので登山をする車は奥に停めて欲しい
と言われた。黒いハイエースの前の車はダメでした。


★ 先行者と駐車場で出会う・・・
自宅から丁度1時間だった。
現地に着くと湖側に鉄塔があり、広く除雪された場所があり、入ろうとしたら車が1台停まってい
て単独の女性と出会い挨拶を交わした。彼女も「八百五十」らしい。

私たちも直ぐに準備したが、10分ほど前に彼女は出発して行った。
スノーシューとソリを背負って・・・。



取付きから数十メートル登ると松の人工林を通るが、上手く作業道跡を利用すれば少し楽かも・・


その作業道跡をちょこっと利用した場所・・・

★ 整い過ぎの条件・・・
まず、天気が良い、風が無い、先行者のトレースバッチリ、雪はフカフカそして景色も良いし、寒
くも無かった・・・これ以上ない整い過ぎの好条件で出発した。
ただ、出発してすぐ車が停まって声を掛けられる。「あそこは除雪車両の回転場なので、駐車する
なら奥に停めて下さい」
と、除雪関係者の方だった。私たちの車は奥だったが、前に停めた車は先
行者の方ですでに居ない事を伝えると「これからはそうして欲しいと伝えて下さい」と了解してく
れた。ちょっとドキッとしたが、安堵して登行を再開する。



標高約400m付近にて・・背景のシューパロ湖と夕張岳が感動的だ!


標高点474m付近はホッとする平らな尾根・・・


標高630m付近 いよいよ頂上稜線が見え始める・・・


稜線直下から振り返る急斜面とシューパロ湖と夕張岳

★ もしノートレだったら・・・
全体的には、八百五十峰の東尾根を辿るルートだが、地形が少し複雑で急斜度の所もいくつかあっ
た。今回は、終始トレース泥棒して時々現在地を確認するだけだったが、もしノートレだった場合
は、何度も足を止めてルートを見極めながらの登行となりそうだ。そうすれば当然時間も掛かるし
オールラッセルで体力勝負の山行は間違えなかったと思う。ラッセルは足首上まで沈んだので、軽
い雪とは言えジジババには辛いものがあったはずだ・・。

先行者には、稜線手前の急斜面で姿を確認したが、深いラッセルに苦労しながらもしっかり歩を進
めていた。古いトレースもあったらしいが途中から全く消えていたと頂上での話となった。



標高約750付近から本峰を確認・・・(写真中央奥)


稜線直下の急斜面をジグを切りながら登る・・・雪はパフパフでした


2/13 「八百五十峰 (850m) 」初登頂 素晴らしい絶景の場所でした!

★ 絶景の展望台・・・
シューパロ湖沿いを走る国道452号線からの夕張岳も素晴らしいが、より高い場所から眺める夕
張岳と芦別岳は格別だった。身近な雪山の中でも変化に富んだ地形を登る楽しさやこの展望が手に
入るなら3時間前後の登行は楽しさに変わると言うものだ。
今日のように天気が良くて無風そして寒く無ければ、ずっと居たい場所と言っていた先行者の女性
の言葉に同感である。

敢えて「八百五十」で区切らず「峰」を付けたのは私の個人的な呼び名であるが「850m峰」で
も良いのでは?と・・漢字で呼ぶのは何故なのだろうか?それだけがちょっと気になる。

下りでは、暖気となりフカフカの雪も少し重くなり下手なスキーでスイスイとは行かなかった。
急斜面や細い尾根は慎重に降りるし、パウダーを思いっきり楽しめる腕では無いが、それなりに深
雪を楽しんで無事下山出来た事に感謝である。

天気の良い良き日の再訪を願って帰路に就いた・・。



頂上西側に張り出した「雪庇」と痩せた稜線


頂上から西側のシューパロ湖と夕張岳・1415峰・芦別岳を望む


芦別岳方向もちょっと木が邪魔をしています・・

★ 湖底に沈む街を偲ぶ・・・
地形図を見れば登山口とした所は、夕張市鹿島地区でかつての炭鉱町の一角でもある所。
昭和63年修正測量された地形図には、まだその街並みが載っているし、道路もシューパロ湖の形
も今とは大きく違っている。炭鉱町は湖底に沈み昔の面影はまるで無い。

八百五十峰から絶景を楽しむのも良いが、眼下にはかつて炭鉱が栄え、最大2万人の暮らしがあっ
た事を忘れてはいけないと思った。そして、シューパロ湖は人口湖でありダム湖としては日本で2
番目の湛水面積、4番目の貯水量を誇る巨大湖と言う事も記して置こうと思った。