エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

芽室岳登山道整備に参加して・・・

2021年10月26日 | ボランティア
芽室岳(1754m)登山道整備事業に夫婦で参加・・・
結集力の成果・山道復活の兆し

■ 活 動 日       2021年10月23日(土)・24日(日)
■ 整備登山道       山小屋芽室岳~C1250付近まで
■ 参 加 者       1日目 44名 ・2日目 22名
■ 主   催       日高山脈ファンクラブ


web上 weather newsから


10/23 山小屋芽室岳前に集まった大勢の整備隊・・・      (写真提供 日高山脈FC 高橋 健さん)
   

台風で崩壊した「山小屋芽室岳」・・・復旧の目途はまだ立っていない。

★ 平成28年(2016年)8月の台風・・・
まだ5年前の事だから記憶にも新しいと思うが、この年の8月は、わずか半月余りの間に北海道
へ5つの台風が接近・上陸した。過去に経験のない度重なる台風の接近・上陸の影響により道内
各地で記録的な大雨となり、河川の氾濫や土砂災害が発生したほか、暴風による被害も発生した。

芽室岳を水源とする芽室川も2016年8月30日~31日の台風10号による洪水で、堤防の
破提、家屋・工場・畑の浸水、国道38号線の冠水など甚大な被害が発生した。芽室川上流から
流れ出た大量の土砂や流木は今も大きな爪痕を残したままで、芽室岳登山口に建てられていた山
小屋は、無残な姿のまま登山者の目に止まる事となっている。

登山口までの林道もこの5年間通行止めが続き、訪れる登山者が激減した事もあって登山道は荒
れ放題となり、関係する自治体や山岳関係団体もその整備は望んでいたのだろうと想像する。
ようやく林道の復旧工事が始まり、山小屋までの道は整備されているが工事車両の通行や危険個
所などもある事から未だ開通にはなっていないのが残念だし、大掛かりな登山道整備となると、
国有林内の事業として様々な届け出や行政などとの調整もあって、この度の整備事業に至る努力
には、感謝しかない。

整備の呼び掛けは、日高山脈ファンクラブが中心となって地元清水町を始め、森林管理署、帯広
山岳会、帯広労山、芽室山の会、新得山岳会などの協力を得ながら準備が進められ、道内各地か
らも愛好家の応援者が集まるまでになった。その数は44名で刈払機も21台という頼もしいさ
だ。

私が入会しているHYML (北海道の山メーリングリスト) からも13名が参加し、遠くは函館や
登別、旭川、札幌などから駆けつけてくれて懐かしい面々との再会も嬉しかった。


★ 結集力も自然に無力・・・
<1日目>
当初は、登山口から稜線分岐となる1690mまで8つのエリアに分けて班体制を組んだが、1
000mを超える頃から積雪状態となり、笹やハイマツが雪の下となって刈払いが出来ないと分
かり、急きょ第4エリアとなる標高1250m付近までの作業に変更された。エリアが半分にな
った分作業員は各エリアで倍増した事で作業は驚くほど速く進んだ。悪までも刈払機との距離を
保ちながら安全に留意して、それぞれ持ち分の作業をテキパキとこなしていった。

その結果、9時30分から始まった作業は、14時頃にはほぼ終了し見違える程の山道が蘇った。
しかし、残る第5~第8までは未整備のままとなり、来期の課題に残されることになった。
余りある力の結集も自然には無力だったが、5年の月日を経てようやく動き出した整備を喜ぶこ
とが大切だと思う。

初日、早く終わった分参加者の自由時間が増えて清水町にある町営の銭湯でゆっくりと汗を流し
宿泊と交流の場となった清水町「少年自然の家」にも余裕を持って集まる事が出来た。
夕食と懇親会の会場準備は、帯広山岳会と帯広労山の方々により地産地消の具沢山豚汁とご飯の
おもてなしで美味しくお腹一杯頂いた。初対面でも話が途切れない共通した話題はずっと盛り上
がっていた。HYMLの懇親会では恒例のスピーチタイムをここでも使わせて頂き、僭越ながら
MCエバから順に自己紹介を含めたスピーチを全員にお願いした。これで更なる懇親が深まった
なら、整備した登山道を歩く明日の芽室岳登山がより楽しくなると確信した。

<2日目>
翌日は、快晴に恵まれながらも上空の風速は15m/S以上となっていたが、参加した22名は
防寒対策も取りながらそれぞれのザックには小道具を忍ばせて「いざ出発となった!」。

キレイに刈り払いされた登山道は気持ち良く登る事が出来たし、これだけの整備をわずか5時間
ほどで終了出来たとは信じがたかったが、そのほんの少しでも自分が関われたことが嬉しかった。

結局、上部の整備作業は雪と風に阻まれたが、初冬の芽室岳を体験出来たと思えば、登って来て
良かったと後悔は無かった。

主催した日高山脈FCの方々に改めてお礼と感謝を申し上げ、残された整備も参加する事を約束
して解散となった。



before 笹で鬱蒼とした登山道に刈払機の刃が入る・・・   (写真提供 日高山脈FC 高橋さん)


                              (写真提供 日高山脈FC 高橋さん)


after              (写真提供 日高山脈FC 高橋さん) 


第2エリアでの笹刈り作業・・・     (写真提供 日高山脈FC 高橋さん)


作業を終了して下山へ・・・        (写真提供 日高山脈FC 高橋さん)

★ ようやく出来た懇親会・・・
翌日も作業と登山を予定したメンバーが約20名強。少年自然の家に宿泊する。
少年自然の家は、旧上羽帯小学校なので研修室や教室を宿泊する部屋として利用され、懐かしさ
が漂う落ち着いた校舎がお気に入りになった。正直、まだコロナが収束した訳では無いが、参加
者のほとんどがワクチン接種2回を終えている事や緊急事態宣言の解除、感染者数の動向を見な
がらの開催であり、密にならないよう注意しての懇親会は、久々のHYML・ルック岳を思い出
し、出会いと山の話題で溢れていた。



大きな研修室で懇親会を開催・・・スピーチタイム中のエミさん(HYML)


10/24 出発前に撮った集合写真・・・宿泊者全員では無いかも知れない?

★ 2日目、快晴も登頂出来ず作業も中止・・・
参加者は22名、登山口で若き元気組と老体組そして二日酔い組に分けて出発。
先頭グループが上部の状況を判断し、登頂を含めて作業の決行有無を判断する事になった。
私たちは、無論老体組でゆっくりと歩を進める。覆い被さっていた笹はもう無く、刈払われた登
山道は急登ながら歩き易かった。登り方は自由、休んだりお話したり食べたりしながら「昨日こ
の辺で作業したね!」とか「こんなに急登だったんだね」と会話しながら少しずつ高度を上げて
行った。
1000mを超えるのは第3エリアで徐々に雪が目立ち始めて来た。そして、昨日の作業最終エ
リアに来ると、所々積雪となりながらも笹はきれいに刈られていて苦労ぶりが伺えた。次第に風
も強くなり始め、未整備の第5エリアに入ると一気に風景は変わった。笹からハイ松帯に入り、
踏み跡がしっかり固まる雪道となり積雪は30㎝位になっていた。尾根上に登ると風は一段と強
くなり、寒さを実感する厳しい登行に移行する。

先行していたメンバーの一部が下山して来て話を聞くと、「もう少し行ったところが限界だね」
と伝令。頂上稜線に掛る雲の流れは速く強風である事は見て取れる。ザックから小道具を出す事
も無く、標高1350m付近で登行を中止する事にした。

あわよくば頂上へ・・・なんて、甘かった。
予想はしていたものの、これほど雪が積もっている事に驚いた。でも、初冬の烈風を直に感じな
がら雪を踏み締め、久しぶりの芽室岳は楽しかった。

下りは、着込んだ上着を一枚、二枚と脱ぎながら約1時間20分で無事下山した。



2日目 班を分けて出発!


キレイになった登山道を登る妻チーヤン・・・


2日目、登行と作業が中止になった標高1360m付近にて 中央エミさん


積雪は30㎝以上、風も10m/s以上あったと思う・・・ 中央ベンさん

★ 自遊人だからね・・・
今回の整備作業には、夫婦で参加する事が出来て何かと心強かったのは、酒でした!笑
もし、一人で参加していたらと思うと二日目の登山は確実に無かったと思うし、当初の作業予定
は3日間だったので2泊の飲み会は酒に埋もれる自分を想像してしまう・・。だから、目付け役
としても妻の参加はありがたいと感謝している。

昨年の12月からはれて自遊人となり、これまで以上に整備ボランティアに参加出来るようにな
った。昔なら考えもしなかった登山道整備だが、最近では刈払機やチェーンソー自体が趣味とな
り時間があれば、地元の山や公園で「勝手に整備」と称してコツコツ暇つぶしをしている。
今や藪漕ぎも苦では無いが、登山道のある山のありがたさを知り、いままでの感謝を含めて少し
ばかりの恩返しが出来たらと参加している次第だ。

主催してくれた日高山脈FCを始め、参加された皆さんの労苦に対しこの場を借りて敬意を表し
これからも多くの仲間と協力しながらこうした活動が出来たら願っている。

本当にお疲れ様でした。そして、ありがとう・・・です。




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