東大雪の静峰に再び挑戦・・・
ポントムラウシ山(1247m)
■ 山 行 日 2018年1月31日(水) 日帰り
■ ル ー ト ポントムラウシ林道~北西尾根ルート
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №3
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「トムラウシ川」「ペンケベツ」
■ 三角点・点名 二等三角点 点名「奔富良牛ポントムラウシ」
■ コースタイム 登り 6時間00分 下り 2時間20分
<登り>
06:45 ヌプントムラウシ林道分岐 出発 (-18℃)
06:55 北電施設(火力発電)
07:05 SB渡渉
07:30~40 北西尾根取付き点 休憩
08:55~9:00 北西尾根上C815付近 前回の登行中止点
10:40 北西尾根上C960付近
11:15 1042標高点
12:45 ポントムラウシ山頂上 (-12℃)
<下り>
13:10 下山開始
13:40 1042標高点
14:20~30 北西尾根C815付近 休憩
14:50 林道出合
15:30 登山口(駐車地) (-7℃)
★ 教訓も極寒に怯えて・・・
2週間前の1月18日、今年の夫婦初登山として1000m超峰の初登頂を目指したポントムラウシ山。
予定通りの行動も北西尾根の取付きで手惑った事やルート判断、ラッセル、降雪などの影響が重なり
北西尾根C830付近で撤退の判断を下した。時間はまだ12:00だったが、状況からタイムアウト
と決めた14:00まで登頂出来ないと読み、無理をしない方針で早目に決めた下山だった。
尾根取付きから中止したC830まで登り1時間40分掛かっていたが、シールを付けたまま
でも僅か30分で林道出合だった。しかし、雪は次第に本降りとなり風も強くなった事を考えると
あの時点で決めた下山は間違えではないと登山口に着いた夫婦の会話である。
林道の状況や尾根の取付き、雪の状況も充分確認出来た。
だから早い時期に再訪し、問題点を一つでも解消しながらなんとかこの山を制したいと計画を練る。
日帰りが問題ならば現地に前泊して時間に余裕のある山行をしよう・・・と、当初計画を立てた。
しかし、今シーズンは極寒の日が多く-20℃を超える寒さの中ホテルハイエースの一晩に自信が
なかった。それと泊まる場所の選定に迷った。計画では、鹿追町の道の駅に泊まり翌早朝に出発すれば
登山口まで1時間位だろうと踏んだが、加齢のせいか?なんか怯えて車中泊を回避したい自分が居た。
結局、決まった計画は日帰り。
自宅を3:00に出発し、登山口7:00出発を目指す事にした・・・。
★ 正に極寒の道中・・・
気合を入れて2:40に自宅を出る。この時の温度が-21℃正に極寒の出発。
踏みしめる雪がキュッキュッと鳴りピンと張った空気感と満天の星そして満月の月明りが一層寒さを誘う。
道中、一番寒かったのはやはり極寒の街「占冠」。どんどん気温が下がり車に付いている温度感知器が
-25℃を示した。
この日の最低気温である。
占冠で示した車中の温度計・・・
GPSログを元に作成したルート図です・・・
★ リトライ(retry)・・・
曙橋を通過したのは6:10。
林道は前回よりきれいに除雪され走り易かった。富村ダムの分岐点を過ぎて次のヌプントムラウシ
林道分岐まで曙橋から約3.2キロ走ると鎖のゲートがあり車止め。
ゲートより約500m先には北電施設の小さな水力発電がありここまで除雪されている。
ヌプントムラウシ林道は、除雪されておらず分岐は雪山状態だった。
ゲートの前に駐車して早々に準備をする。この時の温度が-18℃だった。
6:45 予定より早い出発に再訪の余裕も感じて気持ちは高揚していた。
前回より早めに歩け、北電施設を過ぎた除雪されていない林道もほどんどラッセルを感じ
させない快適な歩きだった。
前回、北西尾根取付きまで1時間10分掛かったのに今回は45分で着いた。
そして、苦労した尾根取付き場所も学習済みで悩まずに決めた急斜面に取付く。
尾根に上がれば導かれるようにルート上の作業道に出合うので気持ちは楽だった・・。
歩き始めたポントムラウシ林道・・・
林道からすぐの北西尾根の取付き・・・
★ まずは前回撤退した場所まで・・・
前回から約2週間も経っていたが、積雪はあまり増えていなかった。
雪質も前回よりサラサラのグラニュウ糖感があるもパウダーである事に違いはなかった。
尾根に上がってからも記憶に新しい作業道を順調に登って行き、まずは前回撤退したC815付近を
目標に登った。
周りは濃い樹林帯も作業道を辿るので楽だった。
★ 核心部・・・
そして、C815に着いたのが8:55。前回より30分も早かった。
しかし、ここからこの山行の核心部が始まる事は想像出来ていた。
楽をさせて頂いた作業道が切れて急斜面の濃い樹林帯を標高差約150m登らなければならない。
前回撤退を決めたC830は、この斜面の右側だったが、今回は少し疎林帯の左側から取付く事にした。
痩せ尾根への急斜面の登りは想像以上に苦戦し、嫌気が刺す思いである。
地形図でC960を過ぎると緩斜面になるのでここまでは頑張ろうと必死で登った。
倒木に悩まされ急斜度に恐れジグを何度も繰り返し、とにかく一歩ずつ高度を上げた。
ようやく緩斜度のC960に辿り着いた時はホッと胸を撫でおろす思いだった。
150m登るのに1時間40分を要した事が核心部である事を物語っていると思う。
★ 頂上まで続く作業道・・・
C960に着いたのが10:40。
登行開始からすでに4時間が経とうとしているのに頂上はまだ遠い。
後輩の記録では登頂まで4時間と言っていたが、彼らが登ったのは昨年の12月。
積雪状況も気温も何より若さとパワーの違いは歴然だったので私たちと同じにはならない。
とは言えあと何時間掛かるんだろう・・・?と少し不安が過る。
でもまだ10:40。少なくとも12:00まで頑張ってみようと夫婦で励まし合い登行を続ける事に・・。
すると再びはっきりした作業道に出合いそれはルート上にあった。
有難く利用させて頂くとそれは頂上まで続いていた・・・。
1042標高点を少し過ぎたコル付近から垣間見たポントムラウシ山
少しだけ迷いそうな場所もあるが確実に作業道が続いていた・・・
急斜度でもはやり作業道なら安心して登れる・・・
★ 感動の頂上に・・・
「神はわれを見捨てず・・・」そう感謝したくなるほど苦労して辿り着いた場所がもうすぐそこだった。
結局、登り6時間を要した。
涙が込み上げる初登頂である。遠望は利かないが風も弱く手持ちの温度計は-12℃だった。
三角点を示す標識の頭が見えていたので掘り出してみると、根元が腐って折れていた・・。
夫婦の抱擁は無かったが、握手して登頂を喜び「良く頑張ったね」と感無量だった。
2018年、未踏1000m超峰の一座が1月中に登頂出来た事が何より嬉しく、
冬期に登れた事も情報をくれた会社の後輩に感謝したところだった。
寒かったけど「山頂コーラ」で乾杯し、久々厳しい山行に達成感が沸々と湧いて来た。
そして、もう二度と訪れる事は無いだろう・・・この山に感謝して別れを告げる事にした。
ようやく辿り着いた・・・間もなく頂上
頂上標識から頂上稜線の南側を観る・・・
頂上から東側の山々を見るも遠望は利かずニペソツ山は見えなかった。
1/31 初登頂 ポントムラウシ山(1247m)にて
★ 感謝の下山・・・
13:10 下山開始
この山は、スキーを楽しめる山では無く帰路も最後までシールを付けたままの下山となる。
特にC960~C815付近までは急斜面の濃厚な樹林帯なので、場合によってはスキーがボロボロになる
可能性もある場所だ。作業道も大方下りではあるが、倒木があったり廃道化して若い木も所々生えている。
この山を目指そうする者は、単にピークハントを目的としない限り訪れる人は稀であろう。
とは言え頂上には古くも赤い布テープが付けられていたし、三角点もある山。
何より昨年12月には、後輩たちが登頂したばかりの山であるし、作業道が頂上まで続いていた事も
不思議でもある。今後どれだけの愛好者が訪れるのか分からないが、とにかく感謝しての下山だった。
下山して林道出合からは安堵の帰路・・・夕日が心地良い
★ 安堵・・・
スキー登行の良さは、「下りが早い」にある。
今回のような樹林帯でも、下りは登りの三分の一だった。複雑な地形でも辿って来たトレースを
忠実に戻れば必ず安堵出来る場所まで下山出来るのがいつも嬉しい。
北西尾根を無事降りて、林道に出合った時はホント安堵した。
まだ青い空に夕日が差し、風も無く暖かい。自分たちの付けたトレースを考える事無く辿り
淡々と歩けばゴールは近い。長い長い一日だったが、忘れられない良い山行だった。
帰路、いつもの「くったり温泉」で汗を流し、20:20無事帰宅した。
ポントムラウシ山(1247m)
■ 山 行 日 2018年1月31日(水) 日帰り
■ ル ー ト ポントムラウシ林道~北西尾根ルート
■ メ ン バ ー 夫婦登山 №3
■ 登 山 形 態 山スキー
■ 地 形 図 1/25000地形図 「トムラウシ川」「ペンケベツ」
■ 三角点・点名 二等三角点 点名「奔富良牛ポントムラウシ」
■ コースタイム 登り 6時間00分 下り 2時間20分
<登り>
06:45 ヌプントムラウシ林道分岐 出発 (-18℃)
06:55 北電施設(火力発電)
07:05 SB渡渉
07:30~40 北西尾根取付き点 休憩
08:55~9:00 北西尾根上C815付近 前回の登行中止点
10:40 北西尾根上C960付近
11:15 1042標高点
12:45 ポントムラウシ山頂上 (-12℃)
<下り>
13:10 下山開始
13:40 1042標高点
14:20~30 北西尾根C815付近 休憩
14:50 林道出合
15:30 登山口(駐車地) (-7℃)
★ 教訓も極寒に怯えて・・・
2週間前の1月18日、今年の夫婦初登山として1000m超峰の初登頂を目指したポントムラウシ山。
予定通りの行動も北西尾根の取付きで手惑った事やルート判断、ラッセル、降雪などの影響が重なり
北西尾根C830付近で撤退の判断を下した。時間はまだ12:00だったが、状況からタイムアウト
と決めた14:00まで登頂出来ないと読み、無理をしない方針で早目に決めた下山だった。
尾根取付きから中止したC830まで登り1時間40分掛かっていたが、シールを付けたまま
でも僅か30分で林道出合だった。しかし、雪は次第に本降りとなり風も強くなった事を考えると
あの時点で決めた下山は間違えではないと登山口に着いた夫婦の会話である。
林道の状況や尾根の取付き、雪の状況も充分確認出来た。
だから早い時期に再訪し、問題点を一つでも解消しながらなんとかこの山を制したいと計画を練る。
日帰りが問題ならば現地に前泊して時間に余裕のある山行をしよう・・・と、当初計画を立てた。
しかし、今シーズンは極寒の日が多く-20℃を超える寒さの中ホテルハイエースの一晩に自信が
なかった。それと泊まる場所の選定に迷った。計画では、鹿追町の道の駅に泊まり翌早朝に出発すれば
登山口まで1時間位だろうと踏んだが、加齢のせいか?なんか怯えて車中泊を回避したい自分が居た。
結局、決まった計画は日帰り。
自宅を3:00に出発し、登山口7:00出発を目指す事にした・・・。
★ 正に極寒の道中・・・
気合を入れて2:40に自宅を出る。この時の温度が-21℃正に極寒の出発。
踏みしめる雪がキュッキュッと鳴りピンと張った空気感と満天の星そして満月の月明りが一層寒さを誘う。
道中、一番寒かったのはやはり極寒の街「占冠」。どんどん気温が下がり車に付いている温度感知器が
-25℃を示した。
この日の最低気温である。
占冠で示した車中の温度計・・・
GPSログを元に作成したルート図です・・・
★ リトライ(retry)・・・
曙橋を通過したのは6:10。
林道は前回よりきれいに除雪され走り易かった。富村ダムの分岐点を過ぎて次のヌプントムラウシ
林道分岐まで曙橋から約3.2キロ走ると鎖のゲートがあり車止め。
ゲートより約500m先には北電施設の小さな水力発電がありここまで除雪されている。
ヌプントムラウシ林道は、除雪されておらず分岐は雪山状態だった。
ゲートの前に駐車して早々に準備をする。この時の温度が-18℃だった。
6:45 予定より早い出発に再訪の余裕も感じて気持ちは高揚していた。
前回より早めに歩け、北電施設を過ぎた除雪されていない林道もほどんどラッセルを感じ
させない快適な歩きだった。
前回、北西尾根取付きまで1時間10分掛かったのに今回は45分で着いた。
そして、苦労した尾根取付き場所も学習済みで悩まずに決めた急斜面に取付く。
尾根に上がれば導かれるようにルート上の作業道に出合うので気持ちは楽だった・・。
歩き始めたポントムラウシ林道・・・
林道からすぐの北西尾根の取付き・・・
★ まずは前回撤退した場所まで・・・
前回から約2週間も経っていたが、積雪はあまり増えていなかった。
雪質も前回よりサラサラのグラニュウ糖感があるもパウダーである事に違いはなかった。
尾根に上がってからも記憶に新しい作業道を順調に登って行き、まずは前回撤退したC815付近を
目標に登った。
周りは濃い樹林帯も作業道を辿るので楽だった。
★ 核心部・・・
そして、C815に着いたのが8:55。前回より30分も早かった。
しかし、ここからこの山行の核心部が始まる事は想像出来ていた。
楽をさせて頂いた作業道が切れて急斜面の濃い樹林帯を標高差約150m登らなければならない。
前回撤退を決めたC830は、この斜面の右側だったが、今回は少し疎林帯の左側から取付く事にした。
痩せ尾根への急斜面の登りは想像以上に苦戦し、嫌気が刺す思いである。
地形図でC960を過ぎると緩斜面になるのでここまでは頑張ろうと必死で登った。
倒木に悩まされ急斜度に恐れジグを何度も繰り返し、とにかく一歩ずつ高度を上げた。
ようやく緩斜度のC960に辿り着いた時はホッと胸を撫でおろす思いだった。
150m登るのに1時間40分を要した事が核心部である事を物語っていると思う。
★ 頂上まで続く作業道・・・
C960に着いたのが10:40。
登行開始からすでに4時間が経とうとしているのに頂上はまだ遠い。
後輩の記録では登頂まで4時間と言っていたが、彼らが登ったのは昨年の12月。
積雪状況も気温も何より若さとパワーの違いは歴然だったので私たちと同じにはならない。
とは言えあと何時間掛かるんだろう・・・?と少し不安が過る。
でもまだ10:40。少なくとも12:00まで頑張ってみようと夫婦で励まし合い登行を続ける事に・・。
すると再びはっきりした作業道に出合いそれはルート上にあった。
有難く利用させて頂くとそれは頂上まで続いていた・・・。
1042標高点を少し過ぎたコル付近から垣間見たポントムラウシ山
少しだけ迷いそうな場所もあるが確実に作業道が続いていた・・・
急斜度でもはやり作業道なら安心して登れる・・・
★ 感動の頂上に・・・
「神はわれを見捨てず・・・」そう感謝したくなるほど苦労して辿り着いた場所がもうすぐそこだった。
結局、登り6時間を要した。
涙が込み上げる初登頂である。遠望は利かないが風も弱く手持ちの温度計は-12℃だった。
三角点を示す標識の頭が見えていたので掘り出してみると、根元が腐って折れていた・・。
夫婦の抱擁は無かったが、握手して登頂を喜び「良く頑張ったね」と感無量だった。
2018年、未踏1000m超峰の一座が1月中に登頂出来た事が何より嬉しく、
冬期に登れた事も情報をくれた会社の後輩に感謝したところだった。
寒かったけど「山頂コーラ」で乾杯し、久々厳しい山行に達成感が沸々と湧いて来た。
そして、もう二度と訪れる事は無いだろう・・・この山に感謝して別れを告げる事にした。
ようやく辿り着いた・・・間もなく頂上
頂上標識から頂上稜線の南側を観る・・・
頂上から東側の山々を見るも遠望は利かずニペソツ山は見えなかった。
1/31 初登頂 ポントムラウシ山(1247m)にて
★ 感謝の下山・・・
13:10 下山開始
この山は、スキーを楽しめる山では無く帰路も最後までシールを付けたままの下山となる。
特にC960~C815付近までは急斜面の濃厚な樹林帯なので、場合によってはスキーがボロボロになる
可能性もある場所だ。作業道も大方下りではあるが、倒木があったり廃道化して若い木も所々生えている。
この山を目指そうする者は、単にピークハントを目的としない限り訪れる人は稀であろう。
とは言え頂上には古くも赤い布テープが付けられていたし、三角点もある山。
何より昨年12月には、後輩たちが登頂したばかりの山であるし、作業道が頂上まで続いていた事も
不思議でもある。今後どれだけの愛好者が訪れるのか分からないが、とにかく感謝しての下山だった。
下山して林道出合からは安堵の帰路・・・夕日が心地良い
★ 安堵・・・
スキー登行の良さは、「下りが早い」にある。
今回のような樹林帯でも、下りは登りの三分の一だった。複雑な地形でも辿って来たトレースを
忠実に戻れば必ず安堵出来る場所まで下山出来るのがいつも嬉しい。
北西尾根を無事降りて、林道に出合った時はホント安堵した。
まだ青い空に夕日が差し、風も無く暖かい。自分たちの付けたトレースを考える事無く辿り
淡々と歩けばゴールは近い。長い長い一日だったが、忘れられない良い山行だった。
帰路、いつもの「くったり温泉」で汗を流し、20:20無事帰宅した。
しかし、前回のリタイアから素早い再挑戦だったなあ。
いつまでも動けるわけではないので、
お互いやれるうちにやっておこう!
ホントは、全部山に行きたいのですがそうも出来ないのが贅沢な悩みです(笑
逆に休みが少ないとどうしてもその日に行かないと・・となり気合が入りますね。
どっちが良いかなぁ~・・・
山が遠いしマイナーなので得た情報を逃さないためにも
状況が変わらない内に行ってしまうのが成功の秘訣。
そう思ってのリベンジ再訪でした。
もう何年も行っていない遠い山は沢山あります。
ホント身体の動く内に行かないとね!