第226回･･･ -38 (2014年５月)

　以前からロット別の最終機番は｢弁表示がコックの上｣にあることに注目してきた訳だが

3087ﾚを牽いて”府中の坂路”を登る
(府中本町にて：25.05.'14)

　-38は2005年製造分の最終機に当たるので言わずもがなだが､実は仙台(総)では使わない筈の機関士席側にも｢元タメ｣表示があった唯一無二の｢両側表示｣機だった｡
　無論他の機では､使わない方に表示は行われず単に弁が残るだけである｡俺も一応2008年頃までにまつのじで撮った記録にも目を通したが(14日に宝積寺で3054ﾚ牽いて人身事故当該になったあの機も､当然｡)､両側に｢全盛り｣で新製された機は-38だけ｡何でたった１両だけ変なことになったのか｡
　恐らくだが関門海峡(壇之浦ね)で使われていた､門司区のEF81 400代との置き換えの件が念頭にあったのではないか｡2003年だか2004年だかの一時期､EH500の-25と-27が(-14も使われたという話もある)門司区に貸し出され､試験に供された結果が良好だったので､門司区にもEF81運用を置き換えるべくEH500が配備されることが決まったのがこの時期だった記憶がある｡
　しかし仙台(総)と違って門司区の｢元タメ｣引き通し弁は機関士席側を使っており､新製して北府中の東芝府中工場から送り出す際はその辺に気を配る必要があったのだろう｡或いは翌年の製造分からは｢関門仕様も造るよ！｣という同工場が建てたフラグだったのかも知れない｡
　とどのつまり､東でも西でもどっちでも使えるよう-38には｢全盛り｣表記が施されたのだが､転属とかいう話は同機にはなく､この写真を撮って間もなく大宮車輌所に全検入りしてＧＰＳ装置等の機器更新を受けたのち､毎度お馴染み4081ﾚの次位無動力回送で仙台(総)に帰ってくることになる｡