後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔554〕矢部顕さんのメールはボランティア活動「亀山城跡の清掃」と歴史講話です。

2022年12月25日 | メール・便り・ミニコミ
◆福田三津夫様
先日は、我が家の裏山にある亀山城跡の清掃を地元の上道中学校の
生徒さんがボランティア活動としてやってくれました。
清掃だけでなく、わたくしの歴史講話を聴いてくれました。
(レジュメを添付します)

先月は、小学6年生の清掃活動と歴史講話を行いました。

岡山市の広報のフェイスブックの記事と写真を添付します。(非掲載)
八丈島赦免花伝説についての内容は「おおやまと」の寄稿
したものを添付します。



こんなこんなで今年も終わります。
佳いお年をお迎えください。

                           矢部 顕

◆上道中学校ボランティア活動
歴史講話 (亀山城跡にて)

今年は秀家生誕450年
宇喜多秀家って知っていますか
―秀家手植えの蘇鉄が八丈島から贈られてきた―
2022.12.21
亀山城跡保存会事務局長
矢部 顕
はじめに
・掃除に来てくれてありがとう
1. 歴史の好きな人はいますか?
①掃除に来てくれたこの場所は何なのか?
②知っていましたか?
2上道中学校学区のなかにある歴史遺跡はどの時代のものですか?
①大廻り小廻り山 山城  (国指定史跡)  
②吉井水門        (岡山県指定史跡)
③浦間茶臼山古墳     (国指定史跡)   
④福岡の市(御休小学校の以前の名は福岡小学校) 鎌倉時代13世紀末「一遍上人絵図」
⑤亀山城跡        (岡山市指定史跡)
3.亀山城で生まれた宇喜多秀家って知っていますか?
①宇喜多直家の息子
②岡山の町の基礎をつくった
③豊臣秀吉の五大老のひとり
④関が原の戦いの西軍の主力として敗れる 八丈島流人第一号
4.八丈島赦免花伝説
①秀家手植えの蘇鉄の株分けが亀山城に贈られてきた(2019年10月)
②蘇鉄に花が咲いた(2019年11月)
③江戸時代、八丈島で蘇鉄の花が咲くと赦免状が届いた
④計10回741人に赦免状
⑤秀家とその末裔に赦免状は届いたのか?
⑥食料を260年間送り続けた加賀前田家(豪姫の実家)
5.今年は秀家生誕450年(秀家1572~1655)
①歴史は教科書で学ぶだけではない
②過去が現在につながっている目に見える事例
③掃除に来てくれた中学生の諸君の記憶に

〔553〕こちらも「持続する志」の最新・布施由女通信(2022年冬号)です。

2022年12月25日 | メール・便り・ミニコミ
 年に4回紹介している清瀬市議・布施由女が発行するゆめ通信です。連帯を求めて孤立を恐れない一人会派の布施由女です。現在2期目、今後の去就が注目されます。乞うご期待を。









 ◆地に満つ岸田悪政
  増税、防衛力増強、原発新増設
                  鎌田 慧(ルポライター)

 増税と防衛力増強。さらには原発の新増設。まるで酒にでも酔った
ような岸田文雄首相の傍若無人。自民党内にも異論が強いのは、来春の
統一地方選挙への影響を心配してのことで、国債発行や法人税アップへ
の反対なども庶民の生活を心配してのことではない。
 軍備増強と増税はかつて日中戦争の頃からの、欧米との兵器開発競争
を想わせ、また暗い時代がはじまった。税金が上がり、福祉が縮小され
る。老齢医療保険料が上がり国民年金が下げられる。非正規労働者の
生活はますます苦しく、小商店の経営は立ちゆかない。

 「防衛省が世論工作研究」(本紙12月10日付)」は、軍備増強の陰の
部分をあきらかにしている。AI(人工知能)を使ったSNS(交流サ
イト)』で世論を誘導する研究に着手した。ある政府関係者がいう。「
各国の国防、情報当局が反戦や厭戦の「世論を封じ込めるためにやって
いる。日本も取り組むべきだ」と。
 戦争へむかう世論操作はこれからだ。原発についてはいままで盛ん
にやってきた。クリーンエネルギーやアンダーコントロール。いままた
脱炭素をロ実に無責任、無反省の「原発行動指針」。
 「革新軽水炉」などと安全性を強調しているがなにも「革新」など
ではない。原発は安全だ、との操作で世論をあざむき、老朽原発を60年
以上も運転させよう、という魂胆。
(12月13日「東京新聞」朝刊27面「本音のコラム」より)

 ◆沈思実行(125) 鎌田 慧
  国鉄解体35年後の現状
  ろこつな赤字線のきりすて=住民と労働者の生活と福祉を切り捨てた

◎より速く、より大量に、より遠くまで。「近代化」の指標とはこの
3つだろうか。大量生産、大量消費、大量廃棄による利潤追求は、
環境破壊と資源浪費、そして温暖化を促進させ、いま地球危機を招く
までになった。

 たとえば、リニアモーター建設などは、環境破壊ばかりか、膨大な
電力を消費するために、原発建設が見込まれていたほどだった。
 わたしは60年代後半の都電撤去に反対する運動のルポを書くことに
よって、フリーライターになった。都営交通の合理化とは、都電をなく
すことだった。

◎街なかを走っていた無骨な都電は、のろまで邪魔くさいとみられる
ようになっていた。その背景にモータリゼーションの欲望があった。
アメリカ大陸を走っていた長距離列車が姿を消したのは、ゼネラル
モーターズ、フォード、クライスラーなど自動車メーカーの大量生産
の結果だった。

◎都電撤去の流れのなかで、わたしは「公共性」を攻撃する、
「民営化」の欲望を理解するようになり、国鉄民営化の取材をはじめた。
 87年に強行された、国鉄の分割・民営化ほど露骨な「私欲化」は
なかった。国鉄内部にいて中曽根康弘の国鉄解体政策に協力した
エリート職員、松田昌士、葛西敬之、井手正敬の3人は、それを成功
させ、それぞれドル箱のJR東日本、JR東海、JR西日本の社長に
就任した。論功行賞だった。

◎分割、民営化は、露骨な赤字線切り捨てを進めた。公営交通の国鉄
時代は、赤字線を黒字線でカバーする「公共性」があった。
 が、民営化はそれをかなぐり捨てさせた。
 「第三セクター」などでの経営努力や、自治体が設備を所有して経営
をカバーする方式もあるが、それぞれが赤字に苦しんでいる。
 過疎地はさらに過疎化し、日本列島に空白地帯がふえている。

◎地域住民の生活を無視した政策は、悪政というべきだ。中曽根首相
は、「総評運動の中心の国労は潰す」と豪語していた。
 住民と労働者の生活と福祉を切り捨てた政治の過ちを、
どう解決するか。
 それが問われている。
     (週刊「新社会」2022年11月23日第1284号8面より転載)

 ◆戦争と原発の再稼働 鎌田 慧(ルポライター)

 老人たちは怒っている。戦後、貧しかったけど希望があった。「もう
戦争はない」との解放感は、戦場から帰った若者や戦災に焼けだされた
家族に共通していた。戦死者や被爆者や空襲などの犠牲者は膨大だった。
 が、とにかく生き延びたひとたちは、緊張して解放のラジオ放送を
聞いた。国民学校一年生のわたしは疎開先にいた。そして、戦争はしな
いと誓った憲法が発布された。

 敗戦から77年。殺したり、殺されたりした戦争の時代の悲惨を感じら
れないにしても、人びとへの想いがたりないままに、中央、地方の権力
者の二世、三世が首相や大臣になる時代が続いている。
 自己の権力維持だけが最大の関心なのか、シモジモの苦しみなど
なんのその、身内大事のしたい放題、やりたい放題。

 突然思い出したのは、敗戦後、日本の反原爆感情に「フォーピース」
を掲げ、ヒロシマに原発を建設しようとした、米原子力委員会の野望。
 さすがにそれは中止になった。が、いままた脱炭素を掲げた「革新
原子炉」の開発計画が発表された。実現は無理でも行きがけの駄賃。
どさくさ紛れに、老朽原発60年以上稼働の陽動作戦。

 首相はヒロシマを売りものにするリベラル「宏池会」会長だが「敵
基地」のミサイル恐怖を煽りながら、日本海沿岸に並べたてた原発を
動かして、リベラルに安眠できるのか。
(12月20日「東京新聞」朝刊21面「本音のコラム」より)