後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔782〕「『諏訪史 第一巻』(大正13年刊)の刊行100周年記念展」のご報告です。(瀧沢敬三さんより)

2025年03月11日 | 美術館・博物館鑑賞

 以前ブログで数回にわたって瀧沢敬三さんのことを取り上げました。早稲田大学の学生時に仲間と共にドイツを訪ねた時の旅行記や、御尊祖父の地方史家であり俳人としての生涯を掘り起こした御著書にまつわる紹介などでした。さらにその御尊祖父も登場する『諏訪史 第一巻』(大正13年刊)の刊行100周年記念展のお知らせも掲載しました。
  今回は瀧沢敬三さんから「刊行100周年記念展」の様子をメールで伝えていただきました。お近くの方は足を運ばれたらどうでしょう。

■福田 緑 さま
福田三津夫 さま

ご報告です。

先日、先にご案内のチラシをお送り申し上げました、諏訪市博物館に行ってまいりました。祖父・瀧沢益作が、信州の岡谷、諏訪地方で、明治、大正期に収集研究した考古資料が、初めて公に記録された『諏訪史 第一巻』(大正13年刊)の刊行100周年記念展が、2-3月にわたって開催されたのでした。その書は、大正13年に帝国理学部教授の鳥居龍蔵博士によって著わされました。それは、当時諏方郡内の考古学資料の限りを網羅し、縄文、弥生古墳と並べ四六倍版650頁、図版64葉の大判でした。鳥居博士は、その序文に「この郡史は、大根の輪切りの様であって、その一つの切った小さな輪は本群の地方史であるが、この輪をすべて続けてみた一本の大根は日本史でもある。」と書いています。

会場の一つのコーナーには、祖父の紹介と、「諏訪史 第一巻」に紹介された考古資料の現物の一部が展示されていました。(祖父の収集資料は、すべて藤森栄一氏の考古学研究所から諏訪史博物館に寄贈されています。)

半世紀前から祖父研究を続けてきた小生としては、このような形で、100年ぶりに祖父と出会えたことは、ほんとうに有難く奇跡とも思えた次第でした。

それにしても、歴史はいわゆる一部の政治家、頂点思想家たちだけによってつくられてきたのではない。むしろ歴史の重要な担い手は、名も知らぬ多くの人びとであり、「歴史は、常に民衆と共にある」という思いを改めて、強くしたこのたびの諏訪行きとなりました。

諏訪博に破片堂人千里香 (拙句)

瀧沢敬三

追伸 博物館の学芸員の方から、お宅に「破片堂人日記」とそれに関係した参考文献などの資料がおありでしょうか、との連絡をいただき、岡谷に在住する次兄に聯絡したところ、和綴じ本の所蔵が確認されました。

今回の訪問の際に、博物館にご寄贈申し上げてきました。

また、その資料の中に、祖父が自分の収集してきた考古資料について、地元の新聞に連載寄稿していた切り抜きファイルが偶然見つかったので、「破片堂人日記」とともに、今後さらなる調査をして行きたいとのご厚意をいただきました。


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