このブログでも取り上げましたが、教育学者・里見実さんは昨年5月9日に逝去されました。その死を悼んで、ほどなく、里見実追悼文集刊行委員会が立ち上げられました。昨年、代表の市橋秀夫さんから私にも原稿依頼をいただきました。有り難く拙文「追悼・里見実さん-著作を演劇教育の視点で読み解く」をお送りした次第です。
つい先日のこと、若干のカンパをしたということで、その追悼文集が2冊送られてきました。451頁、厚さ2.5㎝の大冊でした。
大学三年次に千葉大学から東京大学に編入し、國學院大學で44年間教職に就いていた里見さんと出会った友人や同僚、教え子に留まらず、様々な運動を通して知り合った多岐にわたる人たちの膨大な「証言」が追悼文集になっています。Ⅷ部構成の追悼文集にアクセントを与えているのが、里見さんが時々に書き残された「コラム」です。里見さんの略年譜や書誌リストも研究者には有り難い情報です。
到底すべてを読み切ってはいないのですが、直接的間接的に存じ上げている方の追悼文を拾い読みしながら、様々思いを巡らしています。横須賀薫、池田祥子、武藤啓司、村田悦子、加藤彰彦、志澤小夜子、若木美智子、大島信子、市橋秀夫、北山理子、佐藤学、千葉保、木幡寛、菅間正道、浅井幸子、楠原彰(敬称略)…。
志澤さんは日教組の自主編成家庭科部会でお世話になり、里見さんと北山さんには雑誌『ひと』の原稿依頼を受けました。リーデフ'98(フレネ教育者国際会議)終了後、東久留米市立第九小の私の教室を1年くらいにわたって訪問してくださったのが浅井さん(現・東大)と津田園女さん(里見さんと共訳者として記述あり)でした。
何人かの文章の中に「村田栄一さんを偲ぶ会」のことが書かれていました。村田さんが亡くなられた翌年から毎年開かれていて、コロナで休会中だったとか。参加者は村田さんと同世代の里見さん、加藤さん、武藤さん、池田さんたちだったようです。私とは世代は違うのですが、オブザーバーでも参加したかったと思ったことでした。
村田栄一さん追悼集会に里見さんが登壇されたことは知っていましたが、外遊中のため出席は叶いませんでした。
里見さんからいただいた本や資料を、今後、演劇教育の視点で読み解きたいと思っています。