後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔252〕「安定ヨウ素剤の事前配布を求める請願」「パートナーシップ請願」は、3月9日(月)清瀬市総務文教特別委員会で検討されます。

2020年03月03日 | 市民運動
  新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、皆さんの地域ではいかがでしょうか。ご自愛ください。
 これ幸いと「緊急事態宣言」なるものを持ち出して、憲法改悪への策動を感じ、心中穏やかにはいきませんが、とりあえず、通信チラシ配布などの駅頭行動は自粛するも、請願提出、議会傍聴などの市民行動は継続を確認しているところです。

 というわけで、清瀬市議会への請願のお知らせです。「市内に住む3歳未満の乳幼児にゼリー状の安定ヨウ素剤の事前配布を求める請願」を連れ合いが提出しました。3月9日(月)清瀬市総務文教特別委員会〈市役所4階〉で趣旨説明のあと、採択に向けての話し合いがあります。開会は午前10時からです。
 さらにこの日は、「同性カップルを含むパートナーシップの公的承認に関する請願」が出されています。この請願は仲間のSさん提出のものです。さらに同趣旨のYさん陳情も討議されます。
 いずれにしても請願、陳情入り乱れての興味深い委員会になることでしょう。傍聴熱烈歓迎です。
 結果についてはこのブログでお知らせする予定ですが、今回はいくつかのマスコミに連絡を取るつもりです。掲載なるか、注目していてください。


□市内に住む3歳未満の乳幼児にゼリー状の安定ヨウ素剤の事前配布を求める請願

                                             紹介議員 ふせ由女

〈請願の内容〉
原子力災害の際、市内に住む3歳未満の乳幼児にゼリー状の安定ヨウ素剤を服用させることができるよう、事前配布をしてください。

〈請願の理由〉
  2011年3月11日の福島原発事故の際、220km程離れた東京にも1平方キロメートルあたり29000メガベクレルの放射性ヨウ素が降り注ぎました。これは、日本で5番目に高い数字です。しかし、当時私はそれほどの量の放射性ヨウ素が東京に降下したとはまったく知りませんでしたし、テレビでも「ただちに健康への影響はない」と繰り返し放送されていましたので、あまり深刻に考えてはいませんでした。その後、福島県で多くの子どもたちに甲状腺癌が見つかるようになり(2019年7月8日現在で218人)、事前の学習や対策を何もしてこなかったことを深く後悔しています。
 政府は原発から5km圏内ではヨウ素剤事前配布を、30km圏内では備蓄を実施してきましたが、福島第一原発から220km離れていても放射性ヨウ素は大量に降り注いだのです。どこに多く降るかは風向きによって違い、予測は不可能です。現在稼働していない原発でも、多くの使用済み核燃料を保管しています。規模の大きな地震が来れば安全ではないのです。

 以下に請願理由を具体的に説明します。

(1)以前の安定ヨウ素剤「丸剤」では1粒を半分、あるいは4分の一にするのが大変で、細かくしても  水やミルクに溶けにくく、大変飲ませにくかったそうです。日医工株式会社がゼリー状の安定ヨウ  素剤を開発し、2017年度から配布されるようになりました。それに伴い、日本医師会では2017年  に「原子力災害における安定ヨウ素剤服用ガイドブック」での服用量を以下のように改訂してい  ます。
    新生児 │ 16.3mgゼリー剤(1包)
    生後一ヶ月以上3歳未満│ 32.5mgゼリー剤(1包)
    3歳以上13歳未満 │ 50mg丸剤(1丸)
    13歳以上 │ 50mg丸剤(2丸)  
※日本医師会2017年度版「原子力災害における安定ヨウ素剤服用ガイドブック」6頁より
(2)上記ガイドブック5頁に「放射性ヨウ素による甲状腺被ばくは、放射線ヨウ素を吸収するまでの24  時間以内に安定ヨウ素剤を服用することにより90%以上の抑制効果が期待できます。」と書かれ  ていますが、原子力災害が起きたとわかってからの配布では到底間に合いません。
(3)安定ヨウ素剤の服用については、あらかじめその効果や副作用について説明することを求められ  ていますが、このような大混乱の中で配布し、服用についての説明をすることは不可能です。
(4)清瀬市の現状では安定ヨウ素剤を受け取るためにどうしたらよいのかまったく知らされていないた  め、服用の機会を逃してでも避難するか、受け取って服用するのを待ってから避難するか、保護  者に非常に大きなストレスを与えることになります。
(5)本来なら住民全員が服用できることが必要と考えますが、幼い子どもほど放射線の影響を大き  く受けます。きちんと対応すればほぼ確実に防ぐことのできる甲状腺疾患を、予防するのは私たち  大人の責任です。
(6)今後、福島第一原発ももちろんですが、東海第二原発(清瀬まで約125km)や、浜岡原発(清  瀬まで約180km)の事故の可能性もあり、地震が頻発している状況から、ヨウ素剤の必要性は  切迫しています。
(7)日医工に電話でゼリー状の安定ヨウ素剤を購入できるか問い合わせましたが、個人には売れな  いと、値段も教えてくれませんでした。あくまでも「自治体が必要と判断したときのみ」に対応する  とのことです。丸剤についてはネット上に1丸5.7円という情報が載っていましたし、個人で買うこと  のできるヨウ化カリウムがありました。大人は手を尽くせば何とか放射性ヨウ素被ばくを防げます  が、乳幼児の安定ヨウ素剤に関しては自治体の意志決定が必要です。

 チェルノブイリ原発の爆発事故の際、ポーランドでは国を挙げてヨウ素剤を配布(小児1000万人、成人700万人)し、ほとんど小児甲状腺患者が出なかったそうです。ベルギーでは2018年から全国民に配布しているそうです。日本でも、原発圏内ではない自治体で、すでに自治体主催の判断で市民に事前配布しているところがあります(篠山(ささやま)市、富士宮市、米原市、舞鶴市、いわき市、北茨城市、鎌倉市等)。「子どもたちを健やかに育むまち」をまちづくりの基本目標に掲げる清瀬市も、せめて乳幼児に安定ヨウ素剤を事前配布する自治体となってください。
 ここ数年、想定外の水害に見舞われている日本で、「早めの避難をしてください。自分の命を守る行動をとってください。」と繰り返しアナウンサーが言っているように、放射性物質の発生事故が起きた場合は「子どもたちの命と健康を守るため、安定ヨウ素剤を服用して早めの避難をしてください。」と国も地方自治体も言わなければならないはずです。その際、手許に安定ヨウ素剤がなくてどうするのでしょうか。子どもたちの被ばくを予防するために今一番準備しておく大切なものが安定ヨウ素剤なのです。
 清瀬市の行政に携わる皆さまに、是非とも乳幼児へのゼリー状安定ヨウ素剤の必要性をご理解いただき、一日も早く事前配布を実施していただくよう強く要望いたします。

 清瀬市議会議長
  渋谷けいし様

            2020年2月26日
        放射能から子どもを守る会・清瀬
             福田 緑

〈補足〉
 柳原敏夫さんから請願に関する情報をいただきました。再録させていただきます。
「最近、鎌倉市で、住民によるヨウ素剤配布の陳情が議会で賛成多数で可決され、その後、配布が実現したという情報を紹介してもらいました。以下が、これに関してネットに載っていた情報です。」

この中の陳情第6号
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/gikai/3006gikai.html

この取り組みをしている市民団体のFacebook
www.facebook.com/groupmirai/photos/a.400166376746126.89376.376788949083869/1632168683545883/?type=3

安定ヨウ素剤を配布して子どもたちを守りたい!
https://readyfor.jp/projects/groupmirai/announcements/115991

                         

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