後期ゴシック彫刻・市民運動・演劇教育

小学校大学教師体験から演劇教育の実践と理論、憲法九条を活かす市民運動の現在、後期ゴシック彫刻の魅力について語る。

〔323〕市橋久生さんの詩「今日の良いことは」はコロナ禍の今を紡ぎ出しています。

2021年01月12日 | メール・便り・ミニコミ
 読者の方にはお馴染みの市橋久生さん(元日本演劇教育連盟事務局長)から寒中見舞いのメールが届きました。

●寒中お見舞い申し上げます

何かと制約された困難な事態が1年続いたまま
とうとう2年目に入ってしまいました。
秋ごろまでがまんの日が続くのでしょうか。
私が関係している社会福祉法人の各施設でも、
活動(とくに室内での表現あそび)が制約され、
マスクの苦手な感覚過敏の子・人などもいて、
いつも以上に気を遣いながらの支援の日々です。

さて、しばらくぶりの駄作を送らせてもらいます。
例によって勝手に・・・すみません
読み流していただければと思います。

では、今年もどうぞよろしくお願いいたします

           市橋久生


 嬉しくなって、間髪入れず私は次のようなメールを打ちました。

●市橋久生様
お久し振りです。メールありがとうございました。
またまたのコロナ禍、緊急事態宣言、何をか言わんやです。
ようやく秋に4週間を3週間に短縮して教育実習を行うことができました。実習指導ということで気を遣いながら多摩地区を何回か電車で移動しました。
バドミントンもようやく再開できたのですが、いまは再度見送りです。
正月の餅つきも延期、市民活動はぼちぼちと言ったところです。
ブックオフ通いも飽きて、そろそろKさんの書庫の整理でもしようかなと思っているところです。
そんな私の気分を代弁するような詩を市橋さんは寄せてくれました。
最後にいつものお願いです。市橋さんのメール文と詩をブログに載せさせてください。読み流すのは勿体ないので。よろしくお願いします。
                                                  福田三津夫


  それではめでたく掲載許可になった市橋さんの詩をどうぞ!


   今日の良いことは

「今日の良いことはなぁ~に」
えっ?
今日は何かいいことあった? 
  ではなく
今日はどんな日だった?
 でもなく
そうか、そう訊くんだね

何かいいこと、あったか…?
しずかに想い起こす一日
特段何があったというわけでもなく
無為に過ごしたようでもあり
いつものようでもあり

親しい知り合いから
いくらかちぐはぐな電話があった
最近ときどきある
まだそれほどの齢でもなく
滑舌の明瞭な声はちょっとも変わらないが

何通かの便りを手書きした
礼状やら身辺の近況やらを無沙汰を詫びて
漢字や言葉づかいに間違いがないか
傍らの辞書で調べる、確かめる

朝の新聞を読み返す
難しい用語や複雑な言い回しなどは
自分の言葉に翻訳してみる
見慣れない聴き慣れない民族や地名は
大概、大災害や紛争、難民のニュースで知る
犠牲者を数字で見てしまう鈍感さ

そんな、今日の私
で、今日の良いことはなに?
そうだね、
「今日の良いことはなぁ~に」
って言葉をもらったことかな!

なんだか張りのある気持ちになれそうだからね

                        2020年12月20日

 鎌田さんのコラムもどうぞ。

◆原発にさようならを    鎌田 慧(ルポライター)

 日本の財界を代表する中西宏明・経団連会長は年頭あいさつで、原発
再稼働が進まないことについて触れたあと「安全性やコスト面で有用な
小型原発の開発を進めないと、世界から大きく取り残される」と語った。
 原発関連産業としての日立製作所の会長でもある焦燥感が感じられる。
まだ原発製造にこだわっている。新型原発開発は政府のエネルギー計画
が2030年になっても原発20%などというバカげた方針とともにある。
 原発にキッパリ別れを告げたドイツのメルケル首相。それと比べても
詮方ないが、電力会社や重電機メーカーのトップが財界代表、その力を
背景に政治力をもつ自民党政治では、人びとのいのちは粗末にされがち
だ。
 「私たちは、自分が生きるということに、しあわせに生きることに、
もっと貪欲になるべきではないか。…生きる権利に挑戦し、迫りつつ
あるもの-公害はその最大の敵のひとつだ-に対して人間としてどう
生きるべきか」(四日市・死の海と闘う)と書いた田尻宗昭さんは海上
保安庁の巡視船の船長だった。海を汚染した企業を摘発、刑事責任を
追及した。「見舞金でケリをつける」ことに反対だった。
 環境汚染といっても原発の方がはるかに恐ろしい。
 住民のいのちと将来とを引き換えにして、企業が儲ける。それが
許されている社会の不思議。
       (1月5日東京新聞朝刊23面「本音のコラム」より)

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