昨日の台風の最中、徳島から高松まで運転した。皆さん台風を甘く見てはなりません。
午前中は薄日が差すほどの、穏やかな朝、それならばと、四国88ヵ所巡りへ、
発心の地徳島へ、順調に8番まで来たとき、それまで小雨程度だったのに遂に突然大雨が降ってきた。
お寺の人が、「どちらからですか?」「奈良からです。」「直ぐに帰った方が良いですよ。」
「イイエ、泊まりは高松なんです。」「ええっ!台風に向かって行くのですか?行けますか?」
そうか、台風に向かうのか。当たり前の事に今頃気がついた。そう思った途端に、土砂降りが一層ひどくなり、風も出てきた。
まさに一瞬の出来事だ、急に不安に襲われ直ちに、高松に向かう。高速道路が通行止めになっていないか、気になる。
向かう途中、何度か巡回のパトカーや消防車に出合う。町に人も車も出ていない、スッカリ災害対策の模様だ。
山越えの道に、風による倒木が吹き飛ばされ路上に転がるのと遭遇する。もう少し大きければハンドルを取られ大事故になる。
高速道路は、まだ、閉鎖とはなっていないものの、運転には限界の状況だ。
ワイパーは全開でも前方を注視しないと怖い。まばたきも出来ない。前のめりでハンドルを握る。
何より恐ろしいのが、対抗車線の車の水飛沫をまともに浴びる瞬間だ。数秒視界が無くなる、誠に怖い。
道路上は水はけが追い付かない。プールの中を走行するようだ。速度をかなり落とすがハンドルを取られる。
遂には、自分の車のしぶきで前が見えない。なにか意識が遠のいたような不思議な感覚。この世にいる感じがしない。
高松市内は、完全に道路は冠水している。大きく水しぶきをあげて数少ない車が走り、数台立ち往生している。
無事ホテルについたのが不思議だ。因みに横で、配偶者は高いびき。大物だ。かなわない。
写真は本文と関係ない。
出発の前日、洛陽33か所30番 「椿寺」 地蔵院に行った。
聖武天皇勅願の古刹だが、秀吉恩愛の、五色八重の散り椿が有名。椿寺の別名の由来はこれだ。
散り椿 落ちてなお 咲く 未練かな
退職の日にわが感傷をうたった句だ。椿は花が咲いたまま花びらだけ落とす、
昨今の定年退職者もまだまだ咲いているのに、・・・。
本尊は地蔵菩薩。枝垂れ桜もきれいな寺。葉桜も良い。
忠臣蔵、討ち入りの義士を経済的に支援した功労者、天野屋利兵衛の墓がある。
「天野屋利兵衛は男でござる。」は、有名なセリフ。
北野白梅町に近い、今は妖怪通りで有名な一条通の西の端。