7番 仲源寺
東山区四条通大和大路東入ル祇園町南側585-1
正式名 寿福山仲源寺
創設 定朝(仏師)
宗派 浄土宗
本尊 千手観音座像(重要文化財)
木屋町通から四条通に出ると、京都一番の繁華街だ。東(左)に曲がり八坂の西門を目指す途中に仲源寺はある。気づく人も少ないが、眼病の御利益がある。
京には「洒落(言葉遊び)」のお寺が多い。上京区の石像寺では、八寸釘とくぎ抜きを貼りつけた絵馬が奉納される。「くぎぬき」(釘抜き)と「くぬき」(苦抜き)の洒落である。こちらは、以下の逸話による。
平安中期創建のこのお寺は、当初鴨川のすぐ近くにあった。鎌倉時代大雨が続き、鴨川が氾濫した時、こちらの本尊の地蔵尊に雨やみを祈願したところたちまち雨は止んだ。そこで防鴨川使が中原氏であった事から朝廷より「仲源寺」の寺名を頂いた。「あめやみ」(雨やみ)から「めやみ」(眼病み)の洒落で、眼病地蔵に転じた。
境内は狭く自由に出入りできるが、本尊の地蔵様を拝み本堂右手の千手観音坐像の前に佇むとその大きさに圧倒される。重要文化財指定だが、定朝の作が確かなら国宝でも良いのではないか。
また、頭上に奉納された提灯の多さに驚くが、ほとんどが周辺のお茶さんか芸子・舞妓の名前が連なる。山門の上には、「好晴奇雨」は、中国の詩で、(雨のときには奇観をなし、晴天の景色もまたよいこと)と言う意味である。
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