50番 神光院
京都市北区西賀茂神光院町120
山号 放光山
宗派 真言宗 単立
開基 慶円
本尊 空海像
京都三弘法の一つ
正伝寺から車で5~10分ほど紫竹通りを南に戻る途中に神光院はある。京都に空海ゆかりの寺院が多くあり特に「京都3弘法」として、東寺(教王護国寺)、仁和寺、そして神光院の3寺院は特別扱いである。しかし、創建は鎌倉時代の1217年(建保5年)なのだ。空海の活躍した平安初期からは400年後の事なのだが、本尊が空海自刻の弘法大師像なので「西賀茂の弘法さん」と呼ばれている。境内は自由に入れるが拝観寺院ではないので本堂など建造物には立ち入り出来ない。
筆者は雪の日に行ったので全く人はいなかった。山門横には「厄除弘法大師道」という大きな石碑があり門を入ると、すぐに小さな池と庭園がある。残念ながらお世辞にも手入れが行き届いているとは言えないが、茶室「蓮月庵」と大田垣蓮月所縁の石碑(「蓮月尼旧栖之茶室」と彫られてある)などが拝見できる。江戸時代末期の女流歌人大田垣蓮月は晩年ここで隠棲した事で有名だ。京都観光検定的には、歌碑「やどかさぬ 人のつらさを なさけにて おぼろ月夜の 花のしたふし」は、ここ神光院にある事は必須だ。本堂は左手奥にあるが、外から手を合わせるだけで約10分ほどで一巡できる。
きゅうり封じ
また、7月の「きゅうり封じ」は重要行事だ。同じ空海所縁の蓮華寺でも有名だが、こちらでも土用の丑の頃に、キュウリで体の悪いところを撫でて奉納すると、僧が秘伝の祈祷をしてくれる。秘伝というからどのようなまじないが施されるのか分からないが、ここから暑い夏に向けて伝染病や夏バテに打ち勝つように庶民の願いを受け止めてくれるのだろう。一説には、空海自信がきゅうりが嫌いで、それに悪い厄をすべて託そうとしたとも伝わる。諸説あります。
令和元年の本年は7月21日・27日の「丑の日」に行われる。