52番 大仙院
京都市北区紫野大徳寺町54-1
宗派 臨済宗大徳寺派北派
開基 古嶽宗亘
本尊 釈迦牟尼仏
大徳寺塔頭
大徳寺は誰でも知っている。京都市内北大路堀川と千本通の中間あたりなので、京都駅からバスで30分、タクシーなら20分ほどで着く。境内は自由に通行できる。京都市内ではよくある光景だが、地元の人には生活道路でもあり堀川通り方面から紫野高校へは大徳寺内を通り抜けるのが近道である。賢そうな女子高生が寺院の境内を笑顔で通り抜けるのは絵になる。いくつかその塔頭を訪ねる事にする。
主な塔頭寺院を整理する。
塔頭寺院 |
創建・所縁 |
茶室 |
書院 |
絵画など |
その他 |
大仙院 |
古嶽宗亘 |
特別名勝庭園 |
方丈(国宝) |
大燈国師墨蹟 |
大徳寺北派 |
黄梅院 |
春林宗叔 |
昨夢軒 |
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雲谷等顔 |
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高桐院 |
細川三斎 |
松向軒 |
意北軒 |
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袈裟型の手水鉢 |
孤篷庵 |
小堀遠州 |
忘全席 |
直入軒 |
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露結 の手水鉢 |
聚光院 |
茶道三千家 |
閑隠席枡床席 |
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狩野永徳・松栄 |
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真珠庵 |
一休宗純 |
庭玉軒 |
通僊院 |
長谷川等伯 |
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龍光院 |
黒田長政 |
密庵 |
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耀変天目茶碗(国宝) |
大仙院
塔頭一番の格式は大仙院だ。大徳寺北派の総帥で本堂方丈は国宝である。大徳寺では最古の客殿遺構で創建当時の姿をとどめている。「玄関」とか「床の間」と呼ばれる国内最古の建造物である。庭園も国宝扱いで国の特別名勝に指定されている。枯山水庭園は禅の心を現わす奥深いものだが、本稿はそれを語るのが目的ではない。禅僧から「喝」が入るだけだ。
ただし、国宝の方丈と特別名勝の庭園の組み合わせは、創建以来のものであり大変貴重である。南側は「大海」を現わし、西側の白砂の簡素な庭、そして東側にまわると大河を現わす大きな枯山水庭園が広がり廊橋をまたいで数々の石組の変化が楽しめる。平安時代に書かれた「作庭記」(橘俊綱)にあるような技法が使われているらしい。一説には草木のない枯山水になったのは明治以降だと言われる。
何も考えずしばし幽境の世界に浸りたい。