58番 宝鏡寺
宗派 臨済宗
開基 華林宮惠厳
本尊 聖観音像
別称 人形寺 百々御所
「百々御所(どどのごしょ)」宝鏡寺という。小川通りには昔、実際小川という川が流れていてこの辺りには、「百々橋」という石橋が架かっていた。その百々橋は応仁の乱の時に戦場となった事が、近くの碑に書かれてある。百々って何?当時の武将の名前に百々氏という名が見つけられるが、百々の意味は分からない。そこに皇室所縁の「小川御所」と言うのがあった。現在の宝鏡寺辺りなので、「百々御所」と通称されるようになった。格式の高い尼門跡寺院を特に何々御所と尊称する。
御寺御所 大聖寺
竹 御所 曇華院
薄雲御所 慈受院
千代野御所 宝慈院
蔵人御所 本光院
常盤御所 光照院
入江御所 三時知恩寺
などが有名だ。いずれも規模は小さいが由緒深い寺院である。いずれ詳しく書く。
宝鏡寺は、その由緒正しさよりは「人形の寺」として有名だ。春と秋の季節の良い時には、特別拝観で多くの御所人形始め歴史的な人形たちを見せてくれる。後水尾上皇の多くの皇女のおひとりが入寺して以来の貴重なお宝だそうだ。後水尾は多くのお子さんを産ませた事で、結果的に京都市内の門跡寺院に貴重な皇室文化財を残してくれた。
狭い建物の中をひしめくように人形たちが保管されている。武者小路実篤の歌碑のある庭と共に見学できる。
その歌碑には、「人形よ 誰が作りしか 誰に愛されしか
知らねども 愛された事実こそ 汝が成仏の誠なれ」