文楽鑑賞
仮名手本忠臣蔵を11段通しで上演するという「快挙」が現在大阪国立文楽劇場で行われている。歌舞伎で同じ演目を見たことがある。人形浄瑠璃である「文楽」が発祥の演目である事は聞いていた。その証拠に、歌舞伎では序幕においては黒子に扮した人形が各配役を紹介する。大看板から中堅まで名のある俳優が舞台上に揃う。紹介されるまでは、首を垂れて人形になっている。口上にて紹介されるとやおら人形から生身の人間になって行く演技をするのだ。忠臣蔵発祥の文楽への敬意が表されている。
たかが人形劇と言うなかれ。「塩谷判官切腹の場」は、義太夫もほぼなく人形の使い手の絶妙な至芸が見れる。歌舞伎の様に屋号を叫ぶ大向うもなく、しんとした中、歌舞伎同様涙無しにはいられない。「通さん場」と言って場内は如何なる事情があっても移動は禁じられる。太平記や歴史的登場人物が時代を越えて出て来るので予備知識が必要だが、平成から令和に変わろうが伝統芸の物凄さは伝えなければならない。
今回は、4段目まで。夏と冬で11段目まで続く。行かねばならない。
因みに、京都祇園の「十二段屋」(日本で最初にしゃぶしゃぶを提供した)は、11段まで芝居を楽しんだ後は、12段目としてこちらで食事でも・・・。という意味だそうだ。よほどの芝居好きな主人だったのだろう。